鉄道模型 ベルン・レッチェベルク・シンプロン鉄道 BLS 汎用電気機関車 Ae 4/4 251号機 (ROCO 63882)
今回はスイスの山岳鉄道 ベルン・レッチェベルク・シンプロン鉄道 BLS の汎用電気機関車 Ae 4/4を紹介します。
(For English/German speakers: Review of the ROCO 63882 HO scale BLS Ae 4/4. Please use your browser's translation feature to read the full text!)
ブログ内の詳細や全文は参照元のウェブ文書をご確認ください)
Ae 4/4はBLS が開発した当時としては画期的な高性能な汎用電気機関車であり、登場当時最強力で、欧州初の先輪のない急行用電気機関車でした。
本機は、欧州の電気機関車に開発に多大な影響を与え、主流となるBo’Bo’電気機関車の嚆矢となりました。
1944年-1955年の12年間に、合計8両が製造されました。
製造はスイス機の通例で機械部品がSLM、電気部品がBBCとなっています。
BLS鉄道はスイスの大手私鉄であり、中小私鉄を合併し、幅広い路線を保有しています。
中でも重要な路線が、トゥーンからイタリアへ向かうシンプロントンネルのスイス側入口であるブリークまでのレッチェベルク山岳線です。
最大27パーミルの急勾配が連続し、難工事の末貫通した全長14kmのレッチェベルクトンネルをはじめ多数のトンネルが存在するこの路線は、有名なゴッタルト峠と並ぶ、スイスの重要幹線かつ鉄道難所として知られています。
こんな事情もあり、BLSでは勾配に強い新技術を活かした電気機関車が、常に導入されてきました。
古くは1913年登場の Fb 5/7型(後のBe 5/7)、1916年のCe 4/6型、そして、以前紹介したイタリアBreda製の高性能機 Be 6/8型(後のAe 6/8)など、その時点での技術を結集した高性能機が使用されてきました。
しかし時間が進み、第二次世界大戦が開始されると、BLS鉄道の主要幹線であるレッチェベルク峠は、首都ベルンからイタリアへの最短ルートという位置づけもあり、輸送量がますます増大しました。
このような背景の中、従来の機関車では能力の不足は明白であり、Ae 5/7を代替と急行列車用に計画されたのがAe 4/4です。
Ae 4/4の開発にあたっては、下記の能力が要求されました。
- フルティゲン-ブリッグ-ベルン線の27‰の勾配において、400tの列車を75km/hで牽引
- トゥーン - フルティゲン線の15‰の勾配において、650tの列車を75km/hで牽引
- スイス連邦鉄道(SBB/CFF/FFS)のトゥーン - ミュンジンゲン - ベルン線の10‰の勾配において、650tの列車を時速90kmで牽引
- 最高時速は125km/h
要求仕様を達成するために、本機は軽量化が図られ、それまでの電気機関車よりもずっと軽い80tという自重を達成しました。
そして何と言っても、ロッド式やブフリ式とは異なり、台車に高性能モーターを装備し、かつ、急行旅客用電気機関車としては初めて先輪を廃止した全軸駆動機となっています。
この軸配置は高い曲線通過能力を持っていたことから、山岳線であるBLS線の高速化に大いに役立ったそうです。
Ae 4/4の基本構成は大変優れたものであり、本機以降に誕生した世界の電気機関車に多大なる影響を与えました。
極論すれば、ほぼ全てが本機の設計思想を応用していると言っても過言ではないでしょう。
まさしく電気機関車のオーパーツ的な存在だったわけですね。
さて、Ae 4/4は1944年に2両の試作機が完成しました。
試運転の結果は大変良好であり、1948年から製造が開始されました。
結果として1955年までに試作機を合わせて8両(251-258)が製造されています。
量産型の製造が遅れましたが、これは想像ですが、第二次世界大戦の終結により、輸送量が減少したこともあったように思います。
運用される中で、Ae 4/4は種々の改良がなされていきました。
まず側面の換気ルーバーの位置と面積が変更されました。
そして、257号機以降は発電ブレーキ力を増強することにより、ブレーキ用抵抗器を大型化する必要を生じ、パンタグラフが1箇所撤去され、その跡地に大型の抵抗機が装備されています。
これら換気ルーバーの面積、そして発電ブレーキ用抵抗器の大型化に伴うパンタグラフの撤去は、後に試作車を含む、全機が実施したようですね。
また目立つところでは塗装の変更もあります。
最初、251と252は明るい茶色でしたが、1949年以降作られた機種と同じ緑塗装になり、1957/1958年に全機が濃い茶色となりました。
そしてAe 4/4を語る上で欠かせないのが、Ae 8/8への改造です。
Ae 8/8は、レッチェベルク峠越えのさらに強力な機関車として、Ae 4/4を2両永久連結する形で開発されました。
BLS Ae 8/8 274(ROCO 63880)です。
同時代のEH10に似ていますね。
1959年に作られたAe 8/8の1号機に当たる271号機は、製造中のAe 4/4 259/260号機から作られました。
1965年と1966年には、急行列車の運用がRe 4/4 に引き継がれた事により余剰となった4両のAe 4/4が、Ae 8/8 274号機(Ae 4/4 253/254号機)と275号機(旧Ae 4/4 255/256号機)に改造されています。
結果として8両作られたAe 4/4は、半分の4両がAe 8/8に改造されたことになりますね。
4両のAe 4/4はその後も活躍を続けましたが、1990年代以降、より強力なSBB Re 460やBLS Re 465、Re 485が使用されるようになると次第に運用からはずれるようになりました。
2002年に252が火災により廃車になり、257、258は2004年に廃車となっています。
一方、同じ2004年に運用から外れたトップナンバー251、はBLSの歴史的機関車として大切に動態保存され、現在でも保存列車を牽引しているとのことです。
以上、Wikipedia 日本語版 ベルン-レッチュベルク-シンプロン鉄道Ae415形電気機関車、同ドイツ語版、フランス語版を参照いたしました。
なお、Wikipediaにある「Ae 415」はAe 4/4のコンピューターナンバーですが、計画はされたものの本機は2004年に廃車になりましたので、実際には付番されなかったそうです。
さて、BLS Ae 4/4の模型ですが、Modellbau-Wiki BLS-Reihe Ae 4/4には、HAG、SWIMO、そしてROCO製品が記載されております。
しかし、SWIMOの~1984はともかくとして、HAGのオーバースケール製品は古い世代が記されていません。
HAG Produkte Datenbankによると、1989年頃のようです。
おまけに新しいROCOも?です。
Modellbau-Wiki、頼りにしているんですが、案外落ちが多いですね。
Google AIによると、ROCOのBLS Ae 4/4は2003年に252号機(63883)、そして2004年にこちらの251号機(63882)が発売されたそうです。
両方とも登場当時の明るい茶色です。
さらにパンタが撤去された一般的な仕様もあったように思います。
上記のようにHAGはオーバースケールですが、ROCOはフルスケールです。
2003年製品だけあって、グレードも上がっていますね。
こちらで言えば、レタリングやメーカーズプレートも美しいです。
ROCOの製品を特徴付けているのは、その仕様です。
見ての通り、登場当時の姿と思われる2個パンタです。
塗装も上の写真のAe 8/8のような後の茶色とは、明らかに異なる明るい色彩です。
上記塗装DATAでは、僅か5年間の仕様になってしまいますね。
ワイパーは取り付けていません。
今にしてみると古めかしい前面ですが、1944年の機関車としては画期的だったのでしょう。
窓下前面の手すりが歪んでいるのは御愛嬌ですが、デッキの金属製の手摺は良い感じです。
台車の彫りも深いです。
汽笛は真鍮の挽物ですね、
パンタはいつものROCOです。
今の目で見るとゴツい気もしますが、実用性を鑑みればこれで良いと思います。
この製品ですが、おそらくAe 8/8の設計DATAを転用したものでしょう。
しかし、なんで最初期仕様なんでしょうか?
1944年から1949年のわずかの期間の仕様ゆえ、使い道が限られてしまいます。
今まで紹介しましたように繊細な出来ですし、走りはいつものROCOで静かで、かつ安定しています。
こちらもいつもの通り、中古です。
2000年代のROCOは中古があまり出ないのでラッキーでした。
以前の当方の記事の通り、私はHAGのAe 4/4が発売される前のEMAG製品を所有しておりますが、感じはよく、かつ走りも好きですが、やはり1/82なのがどうにも気になります。
その点、ROCOはフルスケールなのが、やはり良いと思いますね。
2026/8/23 記
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