鉄道模型 オーストリア連邦鉄道 ÖBB 大容量有蓋車 Hbcs-w 21 81 213 2 002-0(ROCO 47344)
今回は、オーストリア連邦鉄道 ÖBB 有蓋車 Hbcs-w 21 81 213 2 002-0について紹介します。
と言いつつ、今回もほとんど資料がないと言っても過言ではない形式であり、完全な謎解きには程遠い状況にあります。
あくまで2026年9月時点での調査結果として、報告します。
(For English/German speakers: Review of the ROCO 47344 HO scale ÖBB Hbcs-w. Please use your browser's translation feature to read the full text!
ブログ内の詳細や全文は参照元のウェブ文書をご確認ください)
まず、本形式を調査しようと思ったきっかけですが、ひょんなことからLimaのDB Glt 19を調べることになったからです。
このDB Glt 19は、Gedeckte großräumige Güterwagen mit Stirnwandtüren = 妻面扉付き大容量有蓋貨車です。
図体はG 10等よりもずっと大きいにも関わらず、積載量は15 tくらいという、容積は大きいけど重量が軽い嵩張る荷物を運ぶ貨車なんです。
また上記Gattungszeihen(型式文字)のtからもわかるように、妻面に積載ドアを装備します。
それで貨車など資料が極端に少ない車種はとりあえず、Google AIモードに聞いてみます。
で、いつも通りですが、間違いの連発でした。
曰く、Austauschbauartだとかなんとか。
その結果、調査対象製品そのものの品番ではありませんが、こちらにLimaの模型の写真が複数あり、詳細情報が得られました。
中でも重要なのが、Glt 19は片方の妻面にしか積載ドアがなかったことと、そのドアの形状ですが、下辺が直線だったことです。
AIに対し、こういう情報をフィードバックしながら進めましたが、調査はうまく行きません。
ただし、各社のGlt を比較しているページがありました。
このページは他の調査でも参考にさせていただいており、今回も後で役に立ちました。
でも、見当違いの中、AIが示した資料の中にドイツの貨車研究の第一人者のStephan Carsten氏の本の目次があったのです。
そして、そこにはまごうことなき Glt 19の文字があり、Glt Dresden (Ö) - Glt 19 - Hbck 290と記載されていました。
ようやくたどり着きました。
それにしても、AIがわからなかったのも無理はありません。
このGlt 19は、もともとドイツの貨車ではなく、1938年のオーストリア併合で、DRが編入した元オーストリアの貨車なのです。なお、Öはオーストリアを示します。
外国産の貨車なので、ドイツの貨車形式Verabandsbauart、Austauschbauart、Geschweißtenbauart、Kriegsbauartには記載がなかったのですね。
とは言うものの、DB Glt 19は、Geschweißtenbauartに近い構造と思います。
しかし今になってみますと、DBの型式で** 19、**29、**90は、~第二次大戦期に編入した外国産の車両ですね。
もっと早く気づくべきでした。
それにしても、Limaはずいぶん珍しい型式を模型化したものですね。
それで、実は私はGlt 19を持っておりませんが、ふと自分の手持ちのROCOの貨車を思い出しました。
それは、ÖBB Hbcs-w 21 81 213 2 002-0ですが、同じ大容量貨車で、それもオーストリアの車です。
ですので、最初はGlt 19かと思いました。正直、探す手間が省けたなって。
早速、確認してみたのですが、残念ながら、Glt 19とは異なり、ROCO 47344は両方の妻面に積載ドアを持っています。
それに、妻面ドアの形状も異なり、ドアの下辺がGlt 19のように直線ではありません。
ということで、47344はGlt 19ではないことが、確実になってしまいました。
ひょんなことから調べ始めた大容量有蓋車 妻面積載ドア付きですが、またしても「わからない沼」に突入することになりました。
普通、こういう調査は、Gattungszeihenから入ります。
しかし、ÖBB のGattungszeihenの資料なんか見たことないし、DBと異なり、ÖBB には型式数字が存在しない、すなわちエポック 4時代では、213 2がHbcs-wの下の型式数字のため、すごくわかりにくいことから、はじめからトライしませんでした。
私は、ROCOという会社の性質から、47344は絶対に他の製品の流用と思いましので、さっきのページを見たのですが、掲載されているROCO製品2種は、片側の妻にドアがないので47344とは異なることがわかりました。
またドアの形状も、このページに掲載されている他のGltとは異なっていました。
そこで、これまでの情報を入れてAIモードに聞いてみたのですが、これがともかく酷かったです。
まず、この製品の基本になったROCO製品の品番を教えてくれと聞いたのですが、これがデタラメばかり。
次から次に表示される品番が、全部この貨車とは全く違う車種で、ものの役に立ちません。
そこで、Chat-GPTにも聞いてみましたが、AIモードよりはマシなものの、理屈をこねる割には全然正解には結びつかない。
それでも、ROCOは絶対に流用していると思ったので、しつこく質問を重ねました。
その結果、ようやくこの製品と同じ金型の製品が見つかりました。
Gedeckter Güterwagen Bauart Gltmrhs 46 der DB, Epochge IIIです。
問題の妻面ドアの形状も同じですし、シャシー周りの補強材も同じ形状をしています。
これで、47344=46100であることは確認できましたが、ここから先のやり取りもまあ、酷いものでした。
AIの言うことがあまりにもデタラメ過ぎて、腹が立つので詳細は略しますが、まあ、ハルシネーションをよくぞここまで積み上げるって感じでしたね。
Chat-GPTにも47344=46100であることを伝えましたが、こっちも推論の手伝いをしてくれるだけ。全然正解には近づけません。
仕方がないので自分で、"Güterwagen Bauart Gltmrhs 46"を探したところ、なんのことはない、Wikipediaに情報がありました。
いつも通り簡素な記述しかありませんが、以下引用しますと、
「属記号 Gltrhs、属地区 ドレスデン
1937年に製造されたこれらの貨車は、Glrhsドレスデン型貨車と同じ寸法でしたが、両端に両開き扉が設けられていたため、ハンドブレーキは装備されていませんでした。積載量は 15.75トンに制限されていました。自動車や車体を風雨からより良く保護するために設計されました。各側壁には3つの積載/換気口と、2,000mm ×2,000mmのスライドドアが設けられてい ました。側壁の 高さは2,120mmでした。サスペンションをより柔らかくするために、長さ1,800mmの9枚リーフスプリングが使用され、長方形のシャックル でスプリングブラケットに接続されていました。(*DB:Gltmrhs 46、*DR:Gltrhs 13)」
以上引用終わり。
妻面のドアが2箇所あるというのは決定的証拠です。
というのも先程のように、ROCOの他のGltは1箇所しかないからです。
次にやるべきは、Gltmrhs 46の実物情報です。特に写真が欲しいところです。
ところがこれはさらに大変でした。全然見つからない。
先ほどにもましてハルシネーションの山となったAIモードが探してきた、Gedeckter Güterwagen „Dresden“には、貴重な保存車の写真がありましたが、残念ながら写っている側の妻面にはドアがありません。
もし片側ならWikipediaとも一致しません。
ただし、文章をよく見ると、腐食がひどくて保存に際し、車体を補修したという記載もありました。
また、Chat-GPTが探してきたTT-Board Neuheiten Hädl 2011 には、Gltrhs Dresden、Gltmrhs 34、Gltmrshs 46、Hbcs 296は、背の高い2枚開き妻面ドア(狭幅および広幅)あるいは、背の高い4枚開き妻面ドアを装備という重要情報がありました。
ここまで来て、いつものModellbahnfrocklerを思い出しました。
あそこに情報があれば間違いないと思ったのです。
早速見ていると、こちらにいつもの比較表があり、そして、件のROCOのGltmrhs 46の評価は「Gut」、「手すりがなく、床板の隙間がやや広い。端部の出入り口は両開き扉のみ。」
鵜呑みはまずいと思いますが、Modellbahnfrocklerは、ともかく評価が厳しく、少しでも違っていたら必ず指摘されます。
にも関わらず、ドアの形状違いは指摘されていません。
そして、上のTT-Boardの記事との整合も取れました。
すなわち、Gltmrshs 46には妻面2枚ドアと、4枚ドアが存在して、ROCOは2枚ドアを模型化したと取れます。
ここまで傍証が揃ったので、両AIに聞いてみましたが、AIモードはまた脳天気なハルシエーションばかりです。
空想物語を聞いても、実車探求の役には立たないので、ともかく、DSOやStummiforum、Alte-modellbahnenからGltmrhs 46について書かれた記事を探してくれと言ったんです。
そしたら、「DSOの歴史・貨車フォーラム(Historisches Forum)にて、貨車の神様であるStefan Carstens氏のデータを引用したスレッドの中で、まさにROCOのGltmrhs 46(46100)についての決定的なツッコミが入っていました。「"Den DB-Gltmrhs 46 (allerdings ohne zu öffnende Stirntüren, zweiflüglig) hatte zumindest Roco für HO..."(DBのGltmrhs 46について言えば、実車は2枚開きの妻面ドアを「開閉できないように完全に固定された(あるいは最初からドアを持たない)仕様」であった。しかし、ROCOはHOゲージでこれを出してしまった……)」」
という爆弾回答が来ました。
これには驚くとともに大いに期待しましたよ。
だって、あのStefan Carstens氏のデータを引用したのですから。
そこで、AIモードが指示したDSOのリンク先を見に行ったのですが、そんな記述はどこにもありません!!!
上記のAIの作文のうちリンク先に確実に存在するのは、「少なくともRocoのHOゲージのラインナップには、DB-Gltmrhs 46(両端の観音開き扉は開閉(可動)しませんが)がありました。」だけなんです。
それ以外ほぼ全てが、AIモードの捏造でした。
いくらなんでもひどすぎませんか? ここまで事実に反するのは。
けど、AIが示したリンク先に必要情報がなかったり、ハルシネーションで誤情報を捏造することは、今までもう嫌というほど経験しています。
失望しかけましたが、なんと、ここに探し求めていたGltmrhs 46の写真がありました!!
それも扉を開いています。
一番気になったのは、何度も書いているドアの下辺の形です。
ROCOのGltmrhs 46が正しいのならば、ドアの下辺の形は上の写真のように、両サイドが下がり、中央が上がる独特な形状をしています。
これは、他の資料で確認できたドアの下辺が直線になっているGlt(r) 22やGlt 19との一番大きな違いです。
そこで写真を確認し、ドアをよく見ると、ヒンジ部が下がっているのがわかりますし、また卸下中の荷物があるのでわかりにくいですが、中央部が上がっていることは、その部分に乗っかっている荷物が傾いていることからも、明瞭に把握できました。
ついに解答に到達しました。
ROCOの46100は、まさしくGltmrhs 46でした。
しかし、喜びもつかの間、再度よく見ると写真のドアは2枚ではなく、左右それぞれのドアが間で折れ曲がる4枚でした。
そう、TT-Boardの記載にあった、4枚タイプだったのです。
しかし、写真からはGattungszeihen Gltmrhs 46も読み取れるし、ドア下部形状もROCOと同じことから、相当な確率でROCOの46100はGltmrhs 46であると思います。
この写真ですが、よく見ると反対妻のドアも開けており、角度から反対側も4枚ドアだったことがわかります。
権利の非常に厳しい欧州では、フォーラムからほとんどの写真が消去されていると言っても過言ではない状況の中、ドアの開き方が違ってたとは言え、まごうことなき本物のGltmrhs 46の写真が見つかったのは、ラッキーの一言に尽きますね。
という事で、現時点での検討結果は、以下の通りです。
1)47344は46100の塗り替えであること。←これはほぼ確実
2)46100はGltmrhs 46であること。←可能性は非常に高いが断言は禁物
残念ながら、これ以上の情報を得ることは、非常に難しいように感じています。
ÖBB側の調査でわかっていることは、Gattung Hks 213 2 (ex) – Bauart Dresdenだけで、これだけではなんの役にも立ちません。
なんとなればBauart Dresdenとは、複数の車両を指すGattungsbezirkであり、これだけでは車両の特定はできません。
Chat-GPTからは、ÖBB側の調査を行うべきとの話がありましたが、彼が何をしてくれるわけではなく、もっともらしいことを言っているだけなので、実際の役には立ちません。
上記のように、ÖBBの資料はドイツよりもさらに少ないのが実態ですので。
まあ本音では、今回調べるだけでも実に大変だったので、正直、もうやる気も起きないですね。
でも、CarstensのGüterwagen Band 1.2 Gedeckte Wagen DB + DRがあれば、一発でわかるのでしょうね。
今の私では手に入れる術はありませんが。
そうそう、もしGaßner Beschriftungenの貨車用デカールが入手できるのなら、素性がわかったのですし、DB仕様に塗り替えたいくらいです。
<Gltmrhs 46 主要諸元 Wikipeia /DSO 情報>
バッファ感距離: 12,100 mm
積載長さ/幅/屋根頂部までの積載高さ: 10,720 / 2,740 / 2,845 mm
側壁高さ: 2,120mm
積載容積: 屋根頂部まで79.1 / 側壁の高さまで62.3 m³
積載量: 15.75 t
積載ドア: 2,000mm ×2,000mmのスライドドア
換気フラップ 2箇所、ローディングフラップ 1箇所(何れも片側側面個数)
1937年から1942 年までに合計 1,238 両製造
Gltmrhs 46は、Geschweißtenbauartに属します。
そのためか下部のフレームにリベットがなく、スッキリしているような。
ということで今回の報告は、ここまでといたします。
いつも通りですが、本記事の内容には間違いが多々あると思われます。
ひとえに著者の力不足です。どうか大目に見てやってください。
なお本記事においては、AIの見解(作文)は一切使いませんでした。
自分で見つけた資料と、AIが示した資料を、私なりに読んで判断しております。
現在のAIの完成レベルでは、こういう使い方が一番良いのかもしれません。
2026/9/1 記
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