ドイツ連邦鉄道 DB 汎用電気機関車 BR E 44 506号機 (ROCO 43405)
今回はドイツ連邦鉄道 Deutsche Bundesbahn = DB のBR E 44.5を紹介します。
BR E 44.5はDBの汎用電気機関車であり、南部ドイツで活躍しました。
<DB BR E 44.5 主要諸元>
全長:13.15m、運転重量:79.2t、軸配置:Bo'Bo'、連続定格出力:1,440kW、1時間定格出力:1,600kW、駆動装置:吊り掛け駆動、電動機:4基、動輪径:1,250mm、最高速度:80km/h
ドイツは世界で初めて電気鉄道や蓄電池による鉄道を走らせた国ですが、本格的な運用は1905年のドイツ南部のムルナウからオーベルアマガウを結ぶ、LAG鉄道の1号機の運用開始となります。
1912年から1914年にかけてプロイセン、バーデン、バイエルンで最初の幹線が電化されたことで、より高性能な電気機関車の開発も進みました。
ところでこの当時の電気機関車は、大型のモーターを動力源とし、ロッド駆動で複数動輪を駆動するものが主流でした。
有名なところでは、SBBのクロコダイルや、BLSのAe 5/7などがあります。
バイエルン王国邦有鉄道 K. Bay. Sts. B. は1914年、電化鉄道の本格開業にあたり、各種の機関車12両を調達しました。
EP 3 (DRG E 36)4両、Ep 4(DRG E 36.2)4両、EG 2(DRG E 70)2両のようなロッド式機関車に交じり、EG 1(E 73)が含まれていました。
このEG 1こそ、プロイセン王国邦有鉄道のEV 1/2と並び、現代にも通じる単軸駆動、吊り掛け駆動式の元祖と言える機関車であり、時代を先取りした存在でした。
EG 1は良好な成績を示したようですが、第一次世界大戦のため、電化は進展しませんでした。
終戦後、電化は再び進展しましたが、機関車は相変わらずロッド駆動式であり、その後、ドイツが深刻な経済危機に突入したため、単軸式の電気機関車の実現は1930年代まで伸びることになってしまいました。
1930年頃、シンプルで堅牢な設計の汎用性の高い機関車が求められていたため、先輪がなく、単車体で4個の吊り掛けモーターを備える、ボギー式の機関車が各社で試作されていました。
これらのうち最初にクラウス・マッファイとシーメンス・シュッカートヴェルケ(SSW)で作られたのがE 44 01となります。
この機種は大成功で、E 44 01を元に、E 44は100両以上が生産された初めての機関車となりました。
次にベルリンのBerliner Maschinenbau AG(BMAG)とBergmann-Elektrizitäts Werkan AGによりE 44 201が、そして最後にMSW社とBMAG社によって製造された実験用機関車が作られました。
E 44 90と命名されたこの機関車は、前二種と異なり、ボンネットのない箱型スタイルをしておりましたが、ブレスラウ近郊及びバイエルン地方での試験運転は大成功を収めました。
DRGは、1932年1月1日からE 44 101と命名された試験用機関車を同年7月に受領し、1933年に4両(E 44 102-105)を発注しました。
なお、DRGからの要請に基づき、追加分の設計は完全に刷新されました。
また1934年に4両(E 44 106-109)が追加されていますが、1933年製造分とは、シャーシーフレームの形状に違いがあるようです。
なお、世界的な経済危機により、MSW社が経営危機に陥ったので、発注はAEG社に引き継がれることになりました。
BR E 44.1の走行特性は非常に良好であったため、最後の2両は最高速度90km/hの承認となりました。
このシリーズは、当初 E 44 102~E 44 109として運用されましたが、1938年にE 44 01の量産型である E 44の受注が100両を超え、番号が重なってしまうため、本シリーズは試験機関車E 44 101を含め、E 44 501からE 44 509に車番が変更されています。
これに伴い、シリーズ名称はBR E 44.1からBR E 44.5に変更されました。
BR E 44.5は、主にザルツブルク・フライラッシング・ベルヒテスガーデン線で運用されました。
1968年にコンピューターナンバー化により、BR 144 502-509に変更されました。
試作機 E 44 501は、他機とは形状や構造が異なり、他よりも早い1960年に廃車になっております。
その後、訓練用車両として使われたとの記載がありました。
BR 144.5は、1970年代に入っても、フライラッシングとベルヒテスガーデン間のほぼすべての定期列車を担い、常に要求を満たしていました。
そして最後の一両が引退したのは、1983年のことでした。
現在でも3両が保存されているようです。
以上、Wikipedia 独語版 DR-Baureihe E 44 及び Hermann Merker Verlag GmBH社 Die baureihe E 44 Prototypen und Serienausfürung Einsenbahn JOURNAL Sonderausgabe III/91 より、引用、参照いたしました。
それで模型の方ですが、全部で9両しか存在しないマイナーな形式の割にはHOは各社から出ています。
Modellbau-wiki DR-Baureihe E 44 によると、一番古いのがROCO(1975)で、同年のModell des Jahresを受賞しています。
ROCOは1987年に改訂され、やはり同年も受賞している優れたモデルのようです。
ただし、ROCOは1990年代の半ばカタログ落ちしています。
次は間隔が空いて、2009年のLiliput、2021年のMärklin/TRIXとなります。
なお、ROCOとMärklin/TRIXは、506-509号機を、Liliputは前面形状の異なる502-505号機をモデライズしています。
それでこちらのE 44 506号機は、Modell des Jahresを受賞した1987年の製品となります。
2025年現在から、38年も前の製品になります。
その割には確かに台車などすごく良く出来ています。
こちらは初代製品の改訂版ですが、改定の内容は動力関係が主で、外観の成型はそれほど変わっていないように思います。
今の目で見れば、一体成型の手すりやヘッドライトには時代を感じますね。
とは言え、初代製品は今から半世紀も前のものなので、塗装がきれいではないし、レタリングも当時のレベルでした。
こちらは塗装やレタリングのレベルがとても良くなっています。
ROCOはNでもE 44.5を出していました。
こちらも同時期の相当古い製品ですが、当時としては出来も良く、この機関車に思い入れがあるのでしょうか?
戦前製電機感謝らしい顔つきです。
時代的に伸縮式のショートカプラーにはなっていません。
今のもの比べるとややゴツいパンタですが、私はこれでも良いと思います。
リベットの感じなど悪くないですよね。
初期製品に比べると動力系が改善されています。
ただし改善の中心はモーターであり、のちの製品のようなダイカスト製の動力台車に放っておりません。
走りはスムーズにはなりましたが、持った感じが軽いです。
E 44.5は、大昔のROCO製品が塗装やレタリングがイマイチなので、手を出さずに居ました。
こちらの部分改訂版は、初期製品に比べると数が少ないようで、なかなか入手できませんでした。
入手できてラッキーでした。
また、前面形状の異なるLiliputも欲しいところですが、全くと言ってよいほど見ない形式ですね。
2025/8/6 記
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