鉄道模型 スイス連邦鉄道 SBB 旅客用電気機関車 Re 4/4 I 10043号機 (HAG 233)
今回はスイス連邦鉄道 SBBの小型軽量旅客用電気機関車 Re 4/4 I を紹介します。
Re 4/4 I は、SBB初の近代形旅客用電気機関車です。
<SBB Re 4/4 I 主要諸元>
全長:14,700mm(1次形)/14,900mm(2次形)、運転重量:56.0t(1次形10001-10016号機)/57.0t(1次形10017-10026号機、2次形)、軸配置:Bo'Bo'、動輪周上連続定格出力 1次形:1,676kW(連続定格、於87km/h)、2次形:1,698kW(連続定格、於88km/h)、動輪径:1,040mm、最高速度:125km/h
1946-48年に一次型26両、1950-51年に二次形24両の合計50両が製造されました。
製造はSLM、BBC、MFO、SAASです。
車番は当初、401~450でしたが、後に10001~10050となりました。
1930-40年代のSBBでは、Ae 3/6やAe 4/7のようなブフリ式の旅客用電気機関車が主力として用いられてきました。
他方、列車の高速化・軽量化も進められており、有名な軽量客車や流線型の電車も投入されておりました。
第二次世界大戦の影響もあり、ますます増大する都市間輸送用に、軽量客車を高速で牽引できる電気機関車が求められました。
この条件を受け、スイス国鉄では、比較的平坦な路線において軽量客車からなる都市間列車を牽引する電気機関車について、最高速度125km/hで、曲線通過速度向上のために重量を56tに抑えるという要件を定め、その中で最大限の出力を確保するという方針で開発を進め作られたのが、Re 4/4 Iです。
重量僅か56tで、出力1,700kW、最高速度125km/hは当時としては画期的な高速軽量機でした。
上記の通り、Re 4/4 Iは1946-47年に一次形として26両が製造されました。
一次形は正面に貫通路を持ち、編成中間に連結される際には、客が車内を通過できるようになっていたようです。
このため、エアフィルタが片側側面にしか無く、両側面が完全非対称になっています。
一方、 1950-51年に24両が製造された二次形は、編成途中への連結が考慮されなくなったことから貫通路を廃止、エアフィルタを両側面に配置しました。
また電力回生ブレーキを廃止したそうです。
こちらで紹介する10043号機は二次形に該当します。
長年の使用に当たり、本気も小改造が施されましたが、出力増強を伴うような大改造は行われていないようです。
ドイツへ乗り入れ用にパンターシューを交換した機種や、重連総括制御対応機、入れ替え専用機に改造されたものも居ます。
塗装も各種あります。
標準は濃緑色ですが、黄緑やダークブルーの試験塗装色、また有名なところではTEE塗装機がありますね。
後にこちらの10043号機のような赤に塗り替えられた機種も出ました。
赤も2種類あったようです。
一方、廃車前提だったのか、最後まで濃緑色の車両も居たようですね。
本機は主に軽量客車を牽いて都市間輸送で使用されました。
制御客車の導入に伴い、ペンデルツーク運用にも入っています。
Re 4/4 IIの導入により、ローカル線の短編成運用に移っていきました。
一般運用は1998年まで、入換運用は2004年まで使用されました。
現在でも動態保存機多数が運用されています。
以上、Wikipedia 日本語版 スイス国鉄Re410形電気機関車 を参照、引用いたしました。
なお上記も記載の通り、Re 4/4 I は、型式称号改称でRe 410が予定されておりましたが、実施されておりません。
それで模型の方ですが、Re 4/4 I は、スイス機の常で、実車が50両と決して多くないのにもかかわらず、HOでは比較的模型化されている形式です。
Modelbau-Wiki SBB-Reihe Re 4/4 I の記載は弱いので、自分で調べましたが、残念ながら、殆どわかりませんでした。
一次形
HAG(1983)、Märklin(2010?)、TRIX(2013?)、Piko(2025?)、Metropolitan(?)、Lemaco(?)
二次形
Märklin初代(1950)、Lima初代(1970年代?)、HAG(1977)、Lima二代目(1970年代?)、Märklin二代目(2010?)、TRIX(2010?)、Piko(2024)、Metropolitan(?)、Lemaco(?)
HAG PRODUCT DATA BANKによると、こちらのHAG製品は1986年の製品だそうです。
HAGのRe 4/4 Iは最後のオーバースケール製品です。
ダイカスト製の重厚なボディや台車、質感のある塗装など、いかにもHAGらしい製品ですね。
レタリングもきれいです。
残念ながら経年のせいか、塗装に痛みが出ています。
ダイカスト製のスポーク車輪は、当時としては珍しかったかもしれません。
あっさりとした形状です。
窓ガラスがきちんとはまっている点、金属製の可動バッファーが良いですね。
さて、ドイツ形主体の当方にとって、ドイツ以外のそれもかなり古い製品に属す本機ですが、少々思い入れがあります。
私が欧州型HOを初めたのは、確か1984年末だったと思います。
何度か書きましたが、当時、欧州型はまさしく真冬の時代。
入手の手段もごく限られたものでした。
特に情報の欠如は、ネット社会で情報が溢れている今日からすると全く信じられないものであり、特に欧州型については、ごくまれに取り上げられる模型趣味誌の記事(TMSは欧州型完全無視に近かった)と、今にして思えば、到底公正とは思えない模型店由来のものしかありませんでした。
それでも1990年代に入ると、天賞堂がROCOの代理店となり、取扱が拡大するなど、少しずつではありますが、拡大して行きました。
そんな中において、HAG製品の名声は、際立ったものがありました。
もう30年近く前の話であまり良く覚えていないのですが、私は日本型の金属道床の450Rに西澤の16番用巻線式とKATOの一番古いN用パックを使用しておりました。
ところが、このパックは低速に出来ないので、ダイヤルを振るといきなり高速となってしまいますし、負荷によって速度が変化します。
更にはレールがだめで、脱線が連続し、うまく走りませんでした。
何しろ情報が全くない中、たった一人でやっているのですから、原因は全くわかりません。
それでも少しずつ原因を探し、相当長い間、この環境で走らせていました。
お金もありませんでしたし。
いずれにしても当時の巻線式パックでは、欧州型はうまく走りませんでした。
特に負荷の変動には大変弱く、勾配やカーブで速度が極端に変わるのは日常茶飯事でした。
そんな中、HAGの走りは当時、実見したことがないだけに、自分の中では(模型店発の)偏った情報も相まって、もはや神格化されていたように思います。
大昔、「いつかはクラウン」というキャッチフレーズがありましたが、1990年代初めの私にとっては、「いつかはHAG」、「いつかはブラス」だったですね。
今になってみると、自分でも信じられませんけど。
知らないということは……、ある意味恐ろしいことですね。
というわけでHAGは憧れの存在でしたが、入手には大変な難関がありました。
HAGはともかく高いのです。
今から約30年以上前で、5万円以上が当たり前といった感じでした。
天賞堂を始めとするブラス製品が、大変な価格上昇を示した時代でしたが、HAG製品も負けずに高額な存在だったのです。
そんな中、1990年頃でしょうか、天賞堂がHAGを扱うことになりました。
高額なことには変わりはありませんでしたが、それでもHAGの優秀さを喧伝していた共立工芸やモデルバーンよりは安かったのです。
そこで、確か夏のボーナスが出たこともあり、一念発起して、天賞堂へ向かいました。
店に行ってみると、他店と比べ、種類が豊富にありました。
Re 4/4 II 新旧、BTのRe 456(当時、これはすごく欲しかった)、BLS Re 4/4、BLS Ae 4/4、BLS Ae 8/8(これは当時の垂涎の的でした)。
確かですが、発売されたばかりのRe 460もあったように記憶しています。
価格の方は、7万円超え!だったかな。
ところで天賞堂のいいところは、私のような上客でない人……知識がない&お金持ちでない人間……を見下したりしないことです。
店員さん(確かIさんだったはず、後に欧州型のスペシャリストであることを知りました)は、いちいち私の初歩的な質問に答えてくださいました。
何分にも大変高額なものであり、相当長い時間迷っていました(その節は大変ご迷惑をおかけいたしました)。
本当はNew GenerationのRe 4/4 IIかRe 456が欲しかったですが、確か5万円を超えていました。
これはいくらなんでも無理です。
そこで、こちらを購入することにいたしました。
Re 4/4 Iもいくつかあったように記憶していますが、私は汎用性を重視しますので、用途が限られるTEE色や試験塗装色は敬遠しました。
一次と二次では、確かこちらの二次のほうが若干安かったように記憶しており、こちらに決めたのかもしれません。
塗装の緑と赤ですが、なんで一般的な緑にしなかったのか……、在庫がなかったのか、よく覚えておりません。
もしかしたら新しい客車と組み合わせたかったのかもしれませんね。
なお手摺の黄色が若干剥がれていたので、おまけしていただきました。
それでも、導入されたばかりの消費税3%込みで43,312円と、当時の私のコレクションの中ではとびっきりの高額でした。
さて、それこそ清水の舞台から飛び下りる心地で購入したこちらの製品ですが、帰って来て走らせると、流石に期待通りでした。
動力自体は、メルクリンやフライシュマンと同じ、大型モーターによる片台車駆動という古典的なものですが、当時の巻線パックでも、低速から安定してトルクが出ました。
勾配もよく登ります。
この点では期待通りでした。
オール金属のギアも案外静かで、大いに気に入りました。
全体の感じも良く出来ていますし、当時、私のコレクションでは唯一の金属製機(ダイカスト)。
高級感あふれる塗装と、金属の質感にも大満足でした。
ただし、この当時どこまで気にしていたか覚えていないのですが、こちらは旧シリーズの最後を飾った製品だけに大きいのです。(約1/82)
後にその点は後悔することとなりました。
ところで本機の購入と相前後して、走行性能を格段に向上させるアイテムを入手します。
それは、KATOのKC-1です。
パルス制御、低電圧から高電圧までの幅広い制御範囲、大電流2Aの威力で、それまでの不満の相当部分が解消されました。
私にとって、ほんと革命的な事件でした。
これがあればHAGには手を出さなかったでしょうね。
後は前に記した通り、スワップ、EGS、個人輸入、ヤフオク、そしてインターネット時代の到来。
入手の機会も情報も以前とは全く比較にならないくらい増えました。
高額なブラスにも手を出しました。→結果的に欧州型は全て売却しましたが。
そして、私の趣味を取り巻く環境もそれこそ激変しました。
当たり前のことですが、場所も資金も極めて限定される中、対象を絞り込む以外にはありません。
現状、デジタルは廃止、欧州型はドイツ形中心とし、その他については極力処分することにいたしました。
そんなわけで、本機も手放そうと思ったこともありましたが、高額なHAGとは言え、何分にも旧世代のRe 4/4 I赤ですので、売値が全く期待できません。
それに何と言っても「模型として」好きな機種ですから。
そんなこともあり、用途は限られてしまいますが、保有している次第です。
ちなみにHAG製品は今まで何両か手放しましたが、40年前には神格化された製品でも、昨今は不人気の極致でその後、全く買い手が付きません。
当時の人気商品Re 460だって、広告機など2万円行かないくらいです。
日本では広告機は概して不人気と言いながら、買値の1/3.5にすらなりません。
正直な話、これには悲しくなりますよね。
「優れた」模型ですし、何よりも高額なものですので、ばかみたいな値段では売りたくないですし。
それこそもったいなさすぎですよね。
2025/7/24 記
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