ドイツ鉄道 DBAG 貨物用電気機関車 BR 185 003-1号機(ROCO 63590)

 今回は2000年代のドイツを代表する高性能貨物用電気機関車 BR 185について紹介します。

 BR 185は、ボンバルディア社が開発したTRAXX F140 AC1のDBAGバージョンです。

<DBAG BR 185 主要諸元>

 全長:18.9m、運転重量:85t、軸重:21.3t、軸配置:Bo’Bo’、連続定格出力:4,200/5,600kW、電動機:誘導電動機 4基、吊り掛け駆動方式、動輪径: 1,250mm、最高速度:140km/h

 F140 AC1は、1999年から2005年の間、ボンバルディア・トランスポーテーションにより374両が生産されました。 

 Wikipedia 日本語版 TRAXXによりますと、内訳として、「このうち200台はドイツ鉄道に、57台はドイツの私鉄に、35台はRe 482としてSBBカーゴに、20台はRe 485としてBLSカーゴに、20台は4000シリーズとしてルクセンブルク国鉄CFLに納入された。」

 なお、DBAGはTRAXXを400両発注しておりました。

 このうち200両はF140 AC1を185として、残りの200両は改良型のTRAXX 2 F140AC2が、2005年より導入され、BR 185.2となりました。

 それでTRAXXですが、同様にWikiを引用しますと、「鉄道事業者の指定の仕様で製作するオーダーメード方式に対し、TRAXXは車両メーカーの仕様を基に納入先の鉄道事業者に応じた仕様を決めるセミオーダーメード方式で製作される。搭載機器のモジュール化を行い、各種の電気機関車およびディーゼル機関車を造ることができる。現在、ドイツ、スイス、イタリア、ルクセンブルクなどで使用されている。2021年ボンバルディア・トランスポーテーションがアルストムに合併された後に、アルストムは2021年5月以来、TRAXXを続いて製造・供給している。」とのことです。

 かつて鉄道車両はその国の特徴を表したものでしたが、時代の変遷に伴い、国や鉄道会社が積極的に開発するのではなく、供給メーカーが提供する標準的車種にその国や会社のオプションを追加する形に変わってしまったのですね。

 たしかに世界のどこをとっても鉄道事業は苦しいわけで、導入コストやメンテ費の削減には大いに寄与するのでしょう。

 反面、没個性化が進むため、どこを見ても同じような車両が並びますので、趣味的な面白さと言った点ではどうなのでしょうね。

 それはともかく、日本と異なり、欧州では環境意識の高まりで寝台列車が復権していますが、鉄道の主力は今や完全に貨物となりました。

 これにはEU統合、旧東側地区の経済的発展などが理由として挙げられます。

 特に2000年代の始まった頃、貨物需要は大変な高まりを見せました。

 しかしながら、欧州各国の鉄道はどこも斜陽であり、貨物用の機関車はどれも老朽化しておりました。

 DBAGでは、1990年代後半の貨物用の主力機は、1950~60年代に作られたBR 140、BR 151であり、これ以外にBR 150、また旧東独のBR 142やBR 155があるくらいでした。

 これは他国も同様であり、貨物用の機関車は決定的に不足しておりました。

 よって新型機の開発を急ぐ一方、休車や旅客用機を転用するなどということが行われています。

 上記を受け、DBAGでは1990年代のAEG社(後のアドトランツ)の試作機を元にした三相誘導電動機を装備したBo'Bo'の貨物機 BR 145の開発を行いました。

 BR 145は1997年から2002年までに合計102両が製造されましたが、すぐに後継機のTRAXXが開発されたため、それ以上の生産は行われませんでした。  

 BR 185開発の経緯は、

 「DBカーゴの国際事業の拡大に伴い、フランス、ルクセンブルク、デンマークでも運用できるよう、新型電気貨物機関車には25キロボルト、50ヘルツのデュアルシステム対応が求められました。そのため、BR 145の追加機関車に関する既存のオプションが活用されました。2000年1月、メーカーのアドトランツはBR 145のマルチシステム派生型の最初の例である185 001を発表しました。

 技術的には、BR 185はBR 146の開発から得られた知見を取り入れたBR 145のさらなる開発です。25 kVでフランスで運用する場合の目に見える影響として、車両寸法が小さいため、パンタグラフ領域の屋根がわずかに低くなっています。外側の位置に2つの追加パンタグラフ用のスペースを確保するために、屋根は運転室の上にも延長されました。」

 以上引用終わり。

 なお、上記のBR 146ですが、BR 145から派生した旅客用機であり、クイル駆動に変更され160km/hとなっています。

 複電圧に対応したBR 185は、パンタグラフを4個搭載しています。

 ただし、BR 185は2個のものが多く、このタイプはドイツとオーストリアでしか運用できないそうです。

 本機は様々なオプションパーツを装備することで、他国への乗り入れ等に対応できますが、使用に伴いそのような追加を行いました。

 またソフトウェアの改造により、出力が4,200kw→5,600kwに向上した機種もあります。 

 BR 185を特徴づけるのは、貨物会社で使用されている機種でしょう。

 これらは時代により、使用者が変わり、数年で塗装が変更されることもあります。

 私のようなものにはとても追いきれませんね。 

 以上、Wikipedia 日本語版  TRAXX、独語版 Bombardier Traxx より、引用、参照いたしました。

 それでHOですが、Modelbau-Wiki Bombardier Traxx F140 AC1 によりますと、2002年初回発売のROCO、同年のPiko、2004年のMärklin、2005年のTRIX(Märklinと同じ)が発売されているようです。 

 面白いのはPiko、Märklin/TRIXは廉価版製品であることです。

 こちらで紹介するROCOの003-1号機は、一番最初に発売されたもののようですね。

  上記の通り、他社が廉価版なので細密さは勝っているように感じます。

 003-1号機はパンタを4機搭載しています。

 パンタは他社よりも優れるところです。

 車輪のディスクブレーキ表現もきれいですね。 

 殺風景な側面ですね。

 この側面は広告塗装には適しますね。

 床下のディテールは豊富です。

 レタリングも細かいです。

 BR 185.2は安全性を向上させるため、前面が強化されました。

 見た感じはBR 185.0の方がスマートでかっこよく感じます。

 手すりが金属線なのが良いですね。 

 走行性能は静かで非常にスムーズです。

 BR 185は貨物機なので、個人的にはもう少しギア比が欲しかったところです。 

 ところで本機ですが、モーターのトラブルがありました。

 急にスピードが落ちたのでおかしいと思い、電源を切りました。

 原因ですが、日本ではTOMIXのM-9で有名なコミュテーターへのカーボンの詰まりでした。

 幸いすぐに電源を切ったので、モーターが焼損せずに済みました。助かりました。

 Bülerモーターではこのトラブルが時々起きますね。

 本当に困ったものです。

 またROCO製品なので、モーター点検・整備のため、ボディを外すのが大変でしたね。

 この点はネジ1本を外すだけで、簡単に車体が外れるメルクリンを見習って欲しいです。

 ところでTRAXX系は中古が出ないですね。

 同じボンバル機でもBR 145はずいぶん沢山出てるんですけど。


 それにしても、新しいと思っていたBR 185も登場してもう4半世紀以上になるのですね。

 時の経つのは本当に早いものです。

2026/3/7 記 


 

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