ドイツ連邦鉄道 DB 特急旅客用電気機関車 BR 112 312-4号機 (ROCO 43792) その2
今回は、ドイツ連邦鉄道 DB のラインゴルト/ラインプファイルの牽引機として、つとに有名な特急旅客用電気機関車 BR 112を紹介します。
BR 112は、1960年代から2014年頃までの長期間に渡り、活躍した急行旅客用電気機関車 BR E 10の高速型であり、看板列車 FD/TEEラインゴルトを牽いたことでも知られるDBを代表する名機関車です。
<BR 112 主要諸元>
バッファ間距離:16.44m、運転重量:85.0t、軸配置:Bo'Bo '、軸重:21t、連続出力:3,620kW、時間出力:3,740kW、電動機:4基、ラバースプリング駆動、動輪径:1,250mm、最高速度:160km/h
1962年から1968年までの間、断続的に31両がクラウス・マッファイ(機械部品)/シーメンス(電気部品)により製造されました。
原型となったBR E 10については、当方の過去記事の通り、1950年代の初め、ドイツ連邦鉄道の技術委員会が提示した客貨両用の4軸汎用機がその起源です。
しかしながら、当時の技術では客貨両用機には無理があることが確認され、それぞれの用途に特化した機関車が作られることになりました。
具体的には、6軸の重貨物機BR E 50、4軸の汎用貨物機 BR E 40、支線区軽輸送用4軸機 E 41、そして急行旅客用4軸機E 10です。
日本と同様、敗戦後の高度成長を遂げていた西ドイツにおいて、これらの機種はDBの動力近代化の担い手として1950年代後半から量産が開始されました。
中でもE 10は1956年より製造が開始され、1969年までにドイツの旅客用電機では最多となる379両が製造された傑作機となりました。
また本計画において、さらに性能な特急旅客用E 01も計画されましたが、当時の電化の進捗や線路基盤の状況からE 10で十分とみなされ、実現しませんでした。
そんな中、ドイツ国鉄の優等列車として名高いFDラインゴルトが、1962年、それまでとは全く異なる新型客車で運転されることになりました。
この客車はラインゴルト客車と呼ばれ、バッファ間距離26.4m、空調付、オール1等で、アメリカの客車を思わせるようなビスタドームカーや半分2階建ての食堂車も連結され、豪華さを誇りました。
当時のドイツのみならず世界でも有名な存在でした。
ラインゴルトの運転に際しては、時速160㎞/hが予定されました。
しかし、DBが保有している電気機関車、戦前型のE 17やE 18はもちろん、量産中の標準機E 10でさえ、対応できません。
そこでDBは、製作中のE 10のうち6両(E 10 239-244)に改造または新規開発の台車を取り付け、ギア比を1:2.11 から 1:1.9へ変更することにより、160km/h対応とすることにしました。
改造に伴い、元々の車番に1000が追加され、E 10 1239-1244と改番されています。形式名:BR E 10.12
最初の6両は、外見上いわゆる角形ボディ(Kasten)をまとっているのが、後のE 10.12とは異なります。
当時、通常型のE 10はスチールブルー/黒の塗分けでしたが、E 10.12はラインゴルト客車と同じ、コバルトブルー/クリームの塗分けになっており、ドイツの機関車としては画期的な色彩でした。
これらは1962年に完成し、なんとかラインゴルトの運航開始に間に合いました。
続いて本来のラインゴルト用であるヘンシェル製の高速台車と変速機を備えたE 10 1265-70が作られました。
外見上、最も大きな違いは流線形ボディの採用です。これによりずっとスマートになった気がします。
E 10 1265-70の登場により、箱型車体のE 10 1239-1244は不要となり、E 10 239-244へ戻されています。
ところがすぐにラインゴルトの増発とラインプファイルの運転開始により機関車が不足したため、E 10 250-254の5両にへ最高速度160 km/hのヘンシェル高速台車の取付を行い対応することになりました。
角型車体でコバルトブルー/クリームに塗られたこれら5両は、性能的にはE 10.12ですが、改番されずに使用されました。
しかし数週間後、流線形ボディの追加生産型E 10 1308-1312へ、ヘンシェル台車を譲り、元のE 10へ復帰しています。
この時点でE 10.12は、1265-70、1308-12の計12両が存在しました。
1968年、コンピューターナンバー導入により、BR E 10.12はBR 112となりました。112 265-270、112 308-312
同年、さらなるラインゴールド/ラインプファイルへの列車運用の増加に対応するため、さらに20 両が112 485- 504 として直接納入されました。
追加生産分には、高価なヘンシェル製高速台車は使用されず、標準型の台車を改造して使用されましたが、この台車は耐久性が高くないことが判明しました。
その結果、1968年に追加生産された改造台車の112 は、台車の摩耗が著しいため、1985年には最高速度が140km/hへ減じられ、ヘンシェル製台車機と区別するために1988 年にBR 114に再指定されました。
しかし摩耗の影響は大きく、さらに120km/hに制限され、その後すぐに完全停止となりました。
1993年、全ての114は足回りを廃車された110と交換し、BR 110 485-504 になり、復活を遂げています。
一方、1991 年、ヘンシェル高速台車を搭載したBR 112はBR 113に再分類されました。
しかしながらこちらも長年の高速使用により、台車と駆動装置の劣化が明らかだったので、最高速度は160→120km/hへ減じられています。
1990年代半ば、11輌のBR 113には台車の再製造が実施され、160km/h運転に復帰していますが、永続的な対策ではなく、2014年に全ての113が廃車となりました。
現在、E 10 1308とE 10 1268の2両がTEE塗装で動態保存されています。
以上、Wikipedia 独語版 DB-Baureihe E 10 及び Eisenbahn Journal III/96 Die E 10より引用、参照いたしました。
それで模型の方ですが、基本的にE 10.3の塗替えなので、ほぼ同一になっています。
Modellbau-wiki によりますと、最も古いのがFleischmannの1965年の製品です。時代的にブルー/クリームのラインゴルト塗装ですが、この模型は見たことがないので詳しいことはわかりません。
次に古いのは、1969年初回発売のTRIXです。
こちらも見たことがありませんのでよくわかりませんが、Web写真では原型車です。
窓ガラスも透明ではありません。
次はFleischmannの1971年製品ですが、BR 112でクリーム/マルーン塗装になっています。
こちらはかつて持っていましたが、全体の感じは良いものの、何しろ古いものなので、オーバースケールでごつく、またギア比が低くて牽引力が低いものでした。
なお模型化された時代的に、スカート付きの原型車です。
その次はROCOで、1976年の初回発売となります。
こちらはBR 110.3の塗替え製品なので、前面スカートが撤去された姿になっています。
この製品は製品寿命が長く、Modellbau-Wikiの記載では、最後に作られたのは1997年(BR 114)でした。
ROCOの旧製品は見た感じ角ばっていて細身で、あまり似ていないように感じます。
その次は1979年のTRIXです。
こちらはROCOの初代と同じ仕様であり、雨樋、手すり、窓ガラスなど1969年の製品とは違う製品と思います。
感じは悪くないものの、やはり出来は大時代的かもしれません。
また1994年のMärklinのBR 114は、この製品の3線式かもしれません。
その次は1983年のLimaです。同社の精度が上る前のものなので、玩具的ですし、形状も角張り過ぎで似てません。
ここまでの製品群はいかにも古いって感じであり、今日ではあまり価値を見出されないと思います。
スケールモデルらしくなってきたのは、1988年のLiliputです。
E 10.1やE 10.3と同時に発売され、全て原型仕様、E 10.3とBR 112はスカート付き時代で、同社製品らしく細かい仕様違いが多数あり、E 10.12には、青/クリーム、TEEの両方の塗装、TEEにもEp. IIIとIVがありました。
細部は現在にも通じるレベルになってきましたが、あくまで個人的な印象ですが、前面はあまり似ていないように感じます。
ただし、発売直後にLiliputは倒産してしまい、それ以降は再生産されていません。
その割には全く中古品を見かけないわけでもありません。
というわけで、BR 112については、正直満足のできる製品がなく、かつたくさん発売されている割には中古も少なかったのが実際ですが、そんな中、こちらで紹介する1996年に発売されたBR 110 367-0の派生製品である1998年発売のBR 112 312-4は、それまでの製品とは完全に一線を画す存在でした。
しかし、人気アイテムは数が少ないというROCOの常で、個人輸入しようにも品切れで忸怩たる思いをしました。
八方手を尽くして、某オークションでアメリカから輸入しましたが、バッファーカバーが2個欠品で、ほんとがっかりしましたね。
ただし、実際に手に入れてみると、全体の感じも細部もそして軽やかな走りも良いという、素晴らしい製品と個人的には思います。
なおその後、Märklinから2007年、その2線版がTRIXから2007年、そしてPikoから2017年に発売されています。
Pikoは見たことがありませんが、 ダイカストボディのMärklin/TRIXはROCOとは少々感じが異なるものの良い製品と思います。
以上、駆け足でBR E 10.12シリーズのHO量産模型を振り返ってみました。
恐らく間違いや欠落もあると思います。
あと、このシリーズは上記のように実に多数の製品が供給された記録があるのですが、実は品数が少ないと思います。
私はこの機種が大好きで上記の通り、長年探していますが、あまり巡り会えたことはありません。
PikoやTRIXが欲しいですが、機会がないですね。
というわけでROCOの2代目製品について、多くを語る必要はないでしょう。
この前面の感じ、実物よりも丸いとされる向きもあるようですが、私は大いに気に入っています。
細部や塗装、レタリングもきれいです。
金属製のバッファも良いですね!!
走りも実に軽やかです。
トルクは太い方ではないと思いますが、高速機らしい走りをします。
ROCOのBR 110.3/112は一番好きな模型ですので複数台持っています。
何故か同一製品が多いので、仕様違いを揃えたいと思いつつ、あまり機会がありません。
2024/12/20 記
2025/9/25 写真配置変更
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