スイス連邦鉄道 SBB 電気機関車 Ae 4/6 10801号機 (ROCO 62640)

 今回は、スイス連邦鉄道 SBB の山岳用線電気機関車 Ae 4/6 について紹介します。

 SBB Ae 4/6 は、スイスの難所であるゴッタルド峠越え用に開発された電気機関車で、その構成は2車体の超大型電気機関車 Ae 8/14を半分にしたような形となっています。

<SBB Ae 4/6 主要諸元>

 バッファ間距離:17.26m、自重:105t、後に111t、軸配置:(1A)Bo(A1)、連続定格出力:3,960kW、1時間定格:4,200kW、最高速度:110km/h

 ゴッタルト峠はアルプス超えの主要幹線であり、またスイス屈指の難所でもあるため、常に強力な機関車が充当されてきました。

 しかし、当時使用されていたBe 4/6、Ce 6/8クロコダイル、Ae 4/7には速度や牽引力の問題がありました。

 特に重量列車に対して重連する必要がありましたが、当時、総括制御はまだ出来ないため、それぞれの機関車に乗務員が必要であり、運用コストがかかっていました。

 そこで重量列車牽引用として、26パーミルの勾配区間で、770 tの列車を牽引可能な2両永久連結の超大型電気機関車Ae 8/14が導入されましたが、運転重量が240t!と流石に巨大すぎて運用の問題があり、3両が製造されただけにとどまっています。

 このあたりの事情は、当方の過去記事を参照いただけましたら幸いです。

 一方、レッチェベルク超えでは、BLSのAe 6/8が成功を収めていたこともあり、SBBも新しいゴッタルト線用の新しい電気機関車を開発することになりました。

 折しも第二次世界大戦の時代となり、ゴッタルト峠の輸送量は増え、ますます重要性が増しておりましたので。

 開発の要件としては、通常単機運転、重量列車は重連総括制御運転とし、Ae 8/14の最終号機である11852を半分にしたような機関車とされました。

 性能的には、1時間定格出力4200 kW、牽引力172 kNであり、重連で26パーミルを770 t牽引可能なSLMユニバーサル駆動装置のゴッタルド線専用機となります。

 本機は、第二次世界大戦開戦後の1941年から終戦の年の1945年までに、11801~11812の合計12両が製造されました。

 Ae 4/6はAe 8/14 11852と同様、軽量車体を用い、各部の軽量化が図られています。

 これにより、Ae 8/14 11852では必要であった、車体中央部の従輪を廃止することが出来ました。

 ただし軽量化は良いことだけではなく、急加速時には駆動輪がスリップしやすく、エンジン、車軸、トランスミッションの滑り軸受が過熱しやすいという欠点もありました。

 またSLMユニバーサル駆動装置は騒音が大きく、10807-10812号機の6両は1961-66年に順次駆動装置をクイル式の一種であるBBCスプリングドライブに変更をしており、その際、歯車比が3.22から3.19に変更になっています。

 また戦時下の製作なので、原材料の不足から一部導体にアルミニウムを使用するなど、こちらにも問題がありました。

 もっとも導体については、戦後銅に変更されています。

 本機の評価ですが、Wikipedia 日本語版 スイス国鉄Ae4/6形電気機関車 から引用しますと、「本機は貨物列車、旅客列車の双方に使用され、26パーミル区間では単機で375 tを、重連では700 tを牽引しており、Ae4/7形やBe4/6形を一部置き換えているが、最高速度が100 km/hに制限されたことや粘着性能の悪さ、走行音や重連総括制御装置の問題から、最高速度100 km/hで320tを牽引可能なAe4/7形と比較して大きなメリットはなかったため、本機の製造が12両のみにとどまったことにより、完全な置き換えまでには至らなかった。」

とのことです。

 端的に言うとあまり成功作ではなかったようで、機関車や整備士にもあまり評判は良くなかったとのことです。

 運用としては、1956年にはAe 6/6の登場により、急行から引退しました。

 その後、長いあいだ欧州における一車体最強力電気機関車 Re 6/6の導入により、ローカル線に転じてます。

 そして、1977-1983年に廃車となりました。

 一時、私鉄SOB鉄道への譲渡も検討されたようですが、粘着性能が悪く、実現しませんでした。

 Ae 4/6には保存機はないようです。

 なおオランダ国鉄では、Ae 4/6をベースにしたNS 1000(1時間定格出力3,296 kW)を1948年から10両導入しました。

 最高時速160km/hを目指したNS 1000は、SLM及びSAAS等で3両、オランダのWerkspoor社で7両が製造されましたが、実際にはその速度では使用できず、また故障しやすいという欠点があり、1982年に引退しています。

 以上、Wikipedia 日本語版 スイス国鉄Ae4/6形電気機関車 、独語版 SBB Ae 4/6 より、引用、参照いたしました。

 それで模型の方ですが、人気の高いスイス機だけあって、わずか12両しか製造されていないAe 4/6についても、ブラス製品はMetropolitan、Fulgurex(天賞堂)、Lemacoから発売されておりました。

 私もMetropolitan(杉山)を保有しておりましたが、この製品には急カーブで先輪が運転室梯子と干渉して脱線してしまうという、模型としては致命的欠陥があり、手放してしまいました。

 プラ製品としては、こちらで紹介するROCO製品が唯一の存在と思います。

 Modellbau-Wiki SBB-Reihe Ae 4/6 の記載は相変わらず貧弱で、こちらのROCO 62460の発売年は不明でした。

 ちなみに一番最初に発売されたのは、10812号機(63530)で、恐らく2004年頃の発売と思います。

 多分ですが、同社のAe 8/14 11852機の動力装置や動輪や先輪を転用しているものと思われます。

 出来の方はROCOの2000年代スタンダードで、適切なディテールでよく出来ていると思います。

 こちらの10801号機は、Ae 4/6の第一号機であり、少し明るい緑、裾部の明るい灰色や各部の形状から、恐らくEp. IIIa仕様(1950年頃?)と思います。

 塗装自体はきれいですね。

 表記類も少ないですがシャープで、にじみやはみ出しもありません。 

 Ae 4/6の初期の仕様では電磁密着ブレーキが片側の先輪近傍にあります。

 こちらの反対側ですね。

 部品は取り付けていませんが、別付けのワイパーが付属します。

 感じは良いですね。

 どことなく、RhBのGe 4/4 I に似ていませんか?

 金属製の手すりは良いですが、鉄製なのでサビも出ています。

 ROCO製品のように、ジャンパ栓はあった方が映えますね。

 どちらかと言うとあまりディテールフルな機関車ではないので、プラ成型に向くと思います。

 走りの方はROCOスタンダードで静かでスムーズに走ります。

 照明は時代的に電球です。


 10801号機は時代設定が微妙ではありますが、結構好きな形式ですので、取っておこうと思います。

2025/7/27 記 


 

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