結構大変でした RhB ベルニナ線用 電車 ABe 4/4 51 修理 (Bemo 1369 101)

 BemoのRhB ABe 4/4 51は、ベルニナ線用の電車です。

 私にとって、待望の車両でしたが、これまた結構な難物でした。 

 BemoのRhB ベルニナ線用電車 ABe 4/4 51ですが、RhBでは新しい方の形式だけに人気があります。

 こちらでも何度か書きましたように、昨今Bemoは人気が高く、特に新しい形式は高値がつくことが多くなっています。

 中でも本形式はめったに中古が出ませんし、まれに某オクに出てもすぐに価格が高騰してしまい、私にとって、手も足も出ない状態が続いておりました。

 ところが今年の梅雨前に某所に出ました。

 サウンド機ですが、難ありとのこと。

 早速追加情報を得ますと、こんな感じでした。 

 いい感じですが、事前情報によると、こちら側のドアステップが欠品で、   

 なおかつ片側の台車が浮いており、 

 片側妻面上部左の赤い部品が欠品ということでした。

 台車の外れは気になりますが、車両は動くとのことですので、写真を確認しますと、 

外れた台車側の車内に黒い部品が写っていました。

 これは台車のギアボックスカバーであり、欧州製品の場合、このカバーを使用して台車を外れないようにしているものが多いです。 

 Webで入手した写真です。

 黄色丸印が外れたギアカバーですね。 

 台車が外れるということで、カバーの破損が危惧されましたが、上の写真ではなんとかなりそうな気がしたので、購入することにしました

 届いたので、確認しました。 

 私は見落としが大変多いので、可能な限り入線直後に写真を撮ることにしています。

 大きな破損や欠品は無さそうです。

 外れたギアカバーが1等側に写っていますね。

 なにか車体が反っているように見えなくもありません。

 

 事前情報通り、こちら側の前面上部左側の赤い部品が欠品でした。 

 こちら側ですが、赤い部品は大丈夫でしたが前面クレスト左の真鍮部品(汽笛?)が欠品でした。

 残念でした。

 上部です。 

 下面写真。

 ステップが欠品しているのがわかります。

 床下の傷は上下を外そうとした際についたものかもしれません。

 ということでまず、外れてしまう台車の修理を行いました。

 本製品はネジ止めではなく、車体の裾を広げて分解します。

 Bemoは材質劣化が顕著ですが、ひやひやしながらも車体を分解出来ました。

 車内に外れていたのは、やはりギアカバーでした。

 カバーの取付には少々苦労しましたが、取り付けることが出来ました。

 また、車内に外れたステップがセロテープで止めてありました!!

 これはラッキーでしたね。

 台車修理後、下部車体のみで試運転しましたが、デジタル動作も問題ありませんでした。

 そこで車体を組み付けました。

 これで終りと思ったのですが、いつも通り、災厄が待ち受けておりました。

 

 試運転終了後、車体をIMONの車両箱に収納しようとしたとき、はたと気づきました。

 あれ、屋根上の抵抗器カバーが曲がっていると。

 触ったところ、1等室側の抵抗器カバーが外れてしまいました。

 これには正直焦りました。

 でも取れてしまったもの、今さら悔やんでも仕方ありません。

 そこで再度確認することにしました。

 するとおかしなことに気づいたのです。

 なんと抵抗器カバーが、破損しておりました。

 こんなことって……、と思いましたが、こういうときにこそ、購入時の写真を確認するに限ります。

 早速確認しますと、

 取れてしまった側の抵抗器カバーが、最初から曲がっていることがわかります。

 更に取れてしまった抵抗器カバーは、最初から上写真の黄色枠内のフレームが欠損していることがわかりました!!

 つまり私が壊したのではないのです。

 外れた抵抗器カバーです。

 上から見るとわかりにくいですが、

裏側から見ると、

赤い部分のフレームが欠損しているとがわかると思います。

 本来はこの赤いフレームで抵抗器カバーを抵抗器基部に固定しますが、こちらは黄色の丸部分の1点のみで取り付けられておりました。

 これが破断したものと思います。

 さてどうやって修理するか。

 本来であれば、赤い部分を自作して、この部分を抵抗器基部と接着すべきでしょう。

 しかしこの場合、0.5mmしかない細い棒同士の接着になってしまいます。

 これではすぐに壊れてしまうでしょう。

 そこで、外見を損なっても、プラ板で接着面を増やすことにしました。

 具体的には、フレームの裏側に0.5mmプラ板を貼り、こちらで持たせることにしました。

 中央部が屋根上の抵抗器カバー基部の隙間に入ります。

 上から見たときに目立たないように、プラ板がカバーのフレームの裏側に位置するように接着しました。

 失われたフレームはコの字型をしております。

 どの材料でフレームを作るか迷いましたが、プラ板では曲げた瞬間に折れてしまうので、0.5mm角の真鍮角線を使いました。

 接着強度は低くなりますが、仕方ありません。 

 なんとか接着し、真鍮角線とプラ板を銀色に塗りました。

 中央のプラ板をゴム系で抵抗器基部に接着して固定します。

 抵抗器カバー自体も変形していますが、Bemoのプラは経年劣化で脆くなっているので、このままにしておきました。

 抵抗器カバーには他にも破損がありましたが、このままにしておきました。 

 車体に取り付けました。

 アップです。

 真鍮角線で自作したフレームは、オリジナルに比べ、コーナーにRがついてしまいましたが、まあいい感じに出来たように思います。

 と言うか、私の腕ではこれが限界ですね。

 ということで、せっかく入手したのに修理に明け暮れましたが、なんとか戦力化出来ました。

 それにしても、抵抗器カバーの壊れ方が不可解です。

 恐らく箱から車体を取り出す際に、車体をつまんでしまい、非常に繊細な抵抗器カバーが壊れてしまったのだと思います。

 抵抗器カバーの前後のフレームが欠損した状態で取り付けられることはありえないので、前の持ち主が破損させて、自分で直したのかもしれませんね。

 Bemoは大変繊細ですし、プラの経年劣化もありますので、ともかく取扱いには注意が必要です。

 根本原因は、本質的にはBemoの箱が悪すぎることですが、欧州製品は絶対に車体をつまんではいけません。

 必ず箱を逆さにして手で受ける形でないと壊れます。

 ポリシートを引いてもだめです。

 充分に注意することをお勧めいたします。


 ということで戦力化するまで、えらい手間を要してしまいましたが、待望の車両だけに嬉しいです。

 本形式は重連運用が多いので、もう一両と思いつつ、ほとんど出ないし、高いので夢でしょう。

 デジタルもネックですしね。

 この形式にはHakone号もありますので、箱物の得意なKATOがやってくれると嬉しいです。

 KATOのベルニナ線用の動力車は、アレグラタイプしかありません。

 大いに期待したいと思います。

 2025/10/17 記



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