ドイツ連邦鉄道 DB 旅客用電気機関車 BR 110 331-6号機 (TRIX 52244400)

 今回は、TRIXのDB BR 110.3について紹介します。

 DB BR 110.3は、長年に渡り、ドイツ連邦鉄道 DBの旅客用機関車として活躍した歴史に残る名機です。

<BR 110主要諸元>

 バッファ間距離:16.44m、運転重量:85.0t、軸配置:Bo'Bo '、軸重:21.3t、連続出力:3,620kW、時間出力:3,700kW、電動機:4基、ラバースプリング駆動、動輪径:1,250mm、最高速度:150km/h、のちに140km/h

 1956年の誕生から1969年までの間、機械部分:Krupp, Henschel, Krauss-Maffei 、電装品:Siemens, AEG, BBCにより、BR E 10シリーズ合計379輌が製造されました。

 DB BR E 10の実車については、何度か解説しておりますので、当ブログの過去記事をご覧いただくとし、こちらでは模型について紹介したいと思います。

 それでこちらで紹介するのは、TRIXのE 10.3の二代目製品です。

 TRIXは、BR 110.3を大きく分けて4種類発売しています。

 初代は1969年初回発売で、スカート付きの原型、窓ガラス不透明、手すりは金属線です。

 二代目は1979年初回発売で、スカート撤去、窓ガラス透明、手すりは一体成型です。

 初代と二代目ですが、ボディは別金型と思いますが、動力は同じようにも感じます。

 三代目はMärklinのスカート付原型車の新規製品、四代目もMärklinの更新車の新規製品と同じです。

 それで Modellbau-Wiki のTRIX製品に関する記述ですが、初代と二代目が区分されていません。

 更にTRIX製品には、Express(三線DC仕様)がありますが、同じ仕様でも番号は全く別だったりしますので、全然わかりません。

 そこで今回調べてみたのですが、Webで調べた限りでは、下記のようになりました。

品番 車番 塗装 形状

品番  車番  塗装  形状

初代  2248  112 499-9  TEE  原型

初代  2249  110 483-5  青/黒  原型

初代  2254  110 483-5  タルキス  原型

初代  2448  112 499-9  TEE  原型

初代  2449  110 483-5  青/黒  原型

二代目  2245  112 494-0  TEE  スカート撤去

二代目  2444  110 331-6  タルキス  スカート撤去

二代目  2445  112 494-0  TEE  スカート撤去

 ただし、元箱でない場合もありますし、そもそもExpressとInternatinalでは、4桁品番が異なる場合もありますので、正しくない可能性も高いです。

 いずれにしても、あくまで今回調べた範囲では、TRIXの二代目製品のBR 110.3は、こちらで紹介するトルコブルー/ベージュの331-6号機しかなく、コバルトブルー/黒は発売されていないようです。

 それでModellbau-Wikiの記載によりますと、こちらの331-6号機は1980年のみの生産のようです。

 実際、当方所有の83/84カタログには掲載されておりませんでした。

 そういう意味では珍しい製品かもしれません。

 実際、私自身、331-6号機はこれ以外、一度も見たことはありません。

 スタイルとしては、スカートを撤去した1970年代後半のスタイルです。

 トルコブルーが緑っぽい初期の塗装ですね。

 もっとも緑っぽいのは古い模型ばかりで、ばらつきはあるものの実車ではこのような青は見たことがありませんが。

 その他、雨樋あり、前面手すりあり、相互の間隔の狭い、側面エアフィルターという、原型からスカートを取り外しただけの形状になっています。

 ちなみに、BR 110.3のこのような姿の現代製品は何故か存在しません。

 欧州型には重要な仕様が存在しないということが時々ありますが、私個人はどうにも理解できないですね。

 形状自体は悪くないと思います。

 少なくとも同時代に発売されたROCOやLimaと比べると、ずっと実車らしいと個人的には思います。

 パンタもしっかりしていますし。

 とは言っても、今から45年も前の製品ですので、今日の製品群と比べると劣ります。

 写真ではわかりにくいかもしれませんが、一位側屋根上に架線/線路の切り替えSWがあるのも当時の製品らしいです。

 台車はダイカストなのが良いですが、TRIXの古いダイカストは、塗料が悪いのか、プライマーが悪いのかわかりませんが、何故か色が剥がれやすいです。

 当時としては、レタリングやDB Kekはきれいだと思いますが、現在の目で見るとやや劣りますね。

 塗り分けも現在から見ますとね。

 手すりがボディ一体成型なのも時代ですが、BR 110の手すりは単純な形ではなく、上下がホルダーになっていますので、金属線を曲げただけというわけには行きません。

 バッファーもいい感じです。

 上記の通り、塗装してある台車は欧州の量産品では珍しいですが、質感が優れます。

 一方、Ep. 4b初期の姿なので、下回りは焦げ茶色ではなく、黒になっていますね。

 冷却管はダイカスト一体になっています。

 なお、ROCOの現行品はプラ製のシャープなものですが、ABSの経年劣化で割れやすいので、ご注意ください。

 私は見事に壊してしまいました。

 パンタも赤く塗ってあげると良くなりそうですね。

 青塗装はあまりきれいではありませんが、当時としては塗り分けはきれいな方でしょう。

 運転室脇の手すりの塗り分けはいまいちです。

 TRIXの古い製品は、ブリスターが固く、車体に傷がつきやすいと言う問題がありますが、こちらも前面手すりに傷がついています。

 一体なので、削ってROCOの部品に換えたいですが、そうなると全塗装しなくてはなりません。

 時代的にテールレンズは赤塗装です。

 レンズ交換したいですが、難易度は高そうです。

 クリアレッドにするだけでも感じが良くなるかも。

 箱の影響で前面ステップにも傷がありますね。

 バッファはしっかりしています。

 白がズレているのは御愛嬌。

 各部の印刷は滲みもあり、イマイチです。

 こちら側の手すりの痛みのほうが酷いですね。

 動力は片台車駆動で、4輪にゴムタイヤを装備しますので、牽引力はあります。

 BR 217はゴムベルト駆動ですが、こちらはギア駆動になっています。

 よく走りますが、残念ながら当方のは相当揺れるのが残念です。


 さて、この製品ですが、だいぶ前に閉店してしまった渋谷のアサヒホビーで入手しました。

 1980年代後半、欧州型HOは真冬の時代であり、扱っていたのが、川崎の共立工芸、渋谷のチムニー、アサヒホビー、池袋のしぐなるはうすくらいでした。

 ツクダホビーはROCOの取り扱いを数年前にやめていましたし、天賞堂にも売れ残りが僅かにあるだけという時代です。

 おまけにとても高くて、こちらも中古ながら、1986年に17,000円もしました。

 今とは全く異なり、どこも取扱数はとても少なくて、欲しい製品など全く手に入らないと言っても過言ではないという時代でしたね。

 それはともかく、大好きなBR 110.3では一番最初に入手した製品になります。

 走行時の揺れなど、不満もありますが、この仕様はその後も供給されませんので、大切にしようと思います。

2024/12/22 記

2025/9/25 写真配置変更



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