ドイツ連邦鉄道 DB 貨物用電気機関車 BR E 70 21号機 (Märklin 3448)
今回はドイツ連邦鉄道 DB の貨物用電気機関車 BR E 70を紹介します。
DB BR E 70は元バイエルン王立邦有鉄道 K. Bay. Sts. B. の貨物用電気機関車 EG 2です。
<K. Bay. Sts. B. EG 2 主要諸元>
軌間:1,435mm、電化方式:15 kV、16 2/3 Hz AC、架空線式、バッファ間距離:12.54mm、運転重量:64.8t、軸配置:B'B'、ロッド駆動方式、連続定格出力:610kW、一時間定格出力:710kW、電動機:2基、動輪径:1,250mm、最高速度:50km/h
1920年、機械:Krauss & Co.、電気:BBCにより、2両が製造されました。
バイエルン王国邦有鉄道は、南部の保養地として知られるベルヒテスガーデンとフライラッシンヒの間の路線を電化しました。
本路線は勾配線区ですので、電化が優先されたのだと思います。
この路線のため、各種の機関車が12両が発注されましたが、EG 2はEG 1と共に貨物用機関車として作られました。
何分にも初めての電化でもあり、機関車についての知見もなく、比較試験を行う目的もあったようで、多くの種類が異なる会社から電気機器の提供を受け、少しずつ作られたようです。
EG 2は1913年に発注されましたが、第一次世界大戦の影響を受け、1920年になり納入されました。
EG 2×2/2クラスとして就役し、車番は20 221および20 222でしたが、すぐに形式がEG 2に改称されました。
DRG発足により、2両とも継承され、BR E 70 21、22に改番されています。
設計にあたり、クラウス及びBBCは、スイスのブルクドルフ=トゥーン線(現BLS鉄道)に納入された貨物機関車 Fc 2x2/2及び、当時製造中だったC+C機関車(王立プロイセン邦有鉄道のEG 551/552- EG 569/570、後のDR E 90.5)をベースとしていたそうです。
またB'B'機関車の設計は、プロイセンの貨物機関車 EG 511-EG 537、後のDRG BR E71¹に相当します。
初期の機関車ですので、出力は小さいものでした。
なお源資料ではKPEV E 95.5をベースとありましたが、このような機種は存在しないので、同時代のBR E 90.5ではないかと推察しました。
両方の機関車はフライラッシング-ベルヒテスガーデン線で継続的に使用され、引退までフライラッシング車両基地に駐留していました。
B'B' 走行装置の優れた走行特性と、ベルヒテスガーデン線の要件に一致する27km/h で一時間定格720 kW の出力により、列車運転手の間で高い評価を得たそうです。
結果として、E 70 21号機は1951年、22号機は1947年に退役しました。
このことから、少なくとも21号機は、1949年に発足したDBに継承された可能性がありますね。
以上、Heinz Schnabel著 「Eisenbahn-Fahrzeug-Archiv Lokomotiven Bayerischer Eisenbahnen」 alba社より、引用、参照しました。
当初本項は、Wikipedia 独語版 Bayerische EG 2 を参照し記載しましたが、「Lokomotiven Bayerischer Eisenbahnen」と比較すると、記載が少なく、かつ内容にも間違いがあることがわかりました。
例えばWikiには、E 70について、1922年の運用中の写真1枚しか存在しないとありましたが、Lokomotiven Bayerischer Eisenbahnenには、Krausにおける完成写真とDRG時代のE 70 21号機の写真が掲載されています。
その他についても記載が細かいので、今回は「Lokomotiven Bayerischer Eisenbahnen」を参照し、全面的に書き直しました。
それで模型の方ですが、たった2両しか作られなかった機関車なので、Modelbau-Wiki Bayerische EG 2 によりますと、HOでは1992年のTRIXが唯一の製品のようです。
また同年、関係のあるMärklinから、三線式も発売されています。
TRIXの常で、多数のバリエーションが発売されております。
さてこちらの3448は、TRIX/MärklinのEG 2では最初に発売された製品です。
DB仕様で、かつ青灰色の塗装になっています。
この色はROCOの40周年記念製品である、DB仕様のBR E 71(プロイセンEG 511-537)でしか見たことがありません。
本車のDB時代の写真は存在しないと思われますので、そういう意味ではファンタジーモデルと言えるのかもしれませんね。
Lokomotiven Bayerischer Eisenbahnenの写真と比較した感じでは、よく似ています。
この資料には簡単な側面図もありました。
金属製のボディは、いつもながら質感十分です。
ロッドは平板的ですが、仕方ないでしょうね。
金属製の動輪もシャープです。
TRIXはこの手の旧型機を作らせるとうまいですね。
デッキ上のプラの手すりもシャープですし、運転室脇の金属の手すりもいいですね。
ステップもシャープなこと。
バッファ脇の印刷もすごいです。
現存するDRG時代の写真の通り、電灯になっています。
ただしDRG時代の実車には、端梁に渡り板が存在し、そちらに車番が記載されているように見えます。
走りの方もスムーズです。
それでこちらですが、三線アナログ機でした。
もともとTRIX機なので、直流モーターを使用しており、直流モーター用の電子逆転機を装備しています。
かつて電子逆転機では破損トラブルを経験しましたし、当時、デジタルにハマっていたので、Lokpilot BasicでDCCデジタル化してみました。
詳しくはこちら。
幸いなことにうまく行きました。
三線式ということで、出番は少ないですが、模型としての出来は優れていますし、二線式を入手するのは難しいので、こちらは取っておくつもりです。
2025/7/28 全面書き換え
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