鉄道模型 J(1/80 G=16.5mm)の歌川模型 ED19 1を入手!
先日、ひょんなことから入線しました。
歌川模型のED19 1です。
実車にはとんと疎いですが、確かWH/Baldwin製の輸入電機で、晩年は飯田線で貨物を牽いていたのではないでしょうか?
恐らく1960年代の製品ではないかと思われます。
よくわかりませんが、珍しいものではないでしょうか?
歌川模型は東京の吉祥寺にあった模型屋で、大昔、私も行ったことがあります。
今でも覚えているのは、恐らく1965年頃、父にニチモ?のヘリコプターのプラモデルを買ってもらったこと、そして1973年頃、親戚の叔父さんにタミヤの1/35キットをたくさん買ってもらったことです。
このときのウイリスMB(旧製品)は前デフが半分欠損していた不良品だったのを、今でもよく覚えています。
当時の私は、鉄道模型には手を出せないプラモデラーでした。
その後、1980年代になって、Nゲージのペーパー型紙を買いに行ったこともありましたね。
それでこちらですが、某所で見つけました。
珍しいメーカー完成品で、状態は悪いながら元箱もある一方、走行しない、片側台車(非動力)外れ、パンタ破損、傷汚れ多数とのことでした。
コレクションを限定する必要があるため、J(16番)は控えていますので、正直迷いましたが、Nの中古機関車くらいの値段で、面白い形式でもあり、思い切ってしまいました。
ギア類はあるように見えたので、万一の際には、当方所有の縦型モーターを使えばよいと思って。
早速届いたので、確認しました。
状態は説明文通りで、幸いなことにボディの凹みや歪み、そして大きな欠品はありませんでした。
パンタは説明通り、破損があり、バネも一つもありませんでした。
取り付けナットが入っていたので、外れていた台車を取り付け、レールに乗せたところ、残念ながら、全く反応しません。
更に確認すると、どうも配線が外れているようでしたので、まずは動力台車を取り外し、単体でモーターの動作を確認することにしました。
ところでこの製品は、変わった構造をしており、実は床板が存在しないのです。
ではどうやって台車を車体に固定しているかと言えば、車体の端部に台車取付用の板を取り付けているのです。
集電は一般的な日本型同様、動力台車と非動力台車で極を分けて行いますが、この際、動力台車の台車取り付け板を車体と絶縁することにより、集電を可能としています。
Jの場合、一般的には台車ボルスターに絶縁ワッシャーを入れて絶縁しますよね。
こういう構造は始めて見ました。
と同時に、後でひどい目に会いました。
写真の絶縁ワッシャーを介している台車固定板ネジ2本を外すと、動力台車は簡単に外れました。
ギアも車輪も全て真鍮時代の古い製品だけに心配しましたが、モーターに給電すると快調に回転します。
ギア割れや欠けもありません。ラッキーでした。
そして、モーターへの給電線等は無造作にねじり込まれているだけで、はんだ付けされておらず、電球のハンダも取れていました。
これでは走るはずもありません。
非動力台車は外れていましたが、ワッシャーで止められました。
ただし、この状態ではネジを締めると台車が固定されてしまうので、他の方法を考える必要があります。
両方の台車を外しました。
電球を確認すると片方が切れていたので、手持ちと交換することにしました。
電球を抜きます。
屋根板の穴に配線を通し、ライトケースに入れるという見たことが無い方法です。
大昔天賞堂で買った電球を入れましたが、オリジナルに比べると、電線が太くて穴を通すのが大変でした。
後は配線を復旧すれば復活するはずです。
とは言うものの、ここからは相当大変でした。
写真を撮っていませんが、走らせるだけなら、モーター台車に非動力台車~車体側の結線を繋いでやればそれでOKです。
しかし、こちらは昭和30年代製品なので、電球の切り替えにはダイオードではなく、非動力台車に取り付けられている大昔のセレン整流器を使っています。
私はセレンを使ったことがないので、今回初めて使いました。
上写真のように電球の一方の極は車体ですから、セレンに対しては、動力台車側の極から給電する必要があります。
こういうのは出来るだけ直結が良いので、非動力台車にラグ板をつけてモーターへ給電、そしてモーター端子から、セレンへ給電しました。
こう書くと簡単なようですが、上述のように本車には床板がありませんので、台車を組んだ状態では配線できません。
従って、配線は車体内を通し、各台車を外した状態で行う必要があります。
はんだ付けの苦手な当方にとって、結構面倒でしたね。
またラグ板もほとんど持っていなかったので、探すのには一苦労しました。
今どき、ラグ板なんか売っていないんでしょうね。
さて、配線できたので組み上げました。
台車取付板は取り付けにくいですが、なんとか組み上げますと……、走りません。
それもショートしています。
確認すると、動力台車の取付板を外すと単体では問題なく回ります。
という事で、動力台車の取付板が車体と絶縁されていないことが原因と判明しました。
オリジナルは絶縁プレートと絶縁ワッシャで絶縁しますが、それだけでは不十分で、板の穴がネジと接触し導通していたようです。
バラしたときにはこの絶縁部品は無かったですね。
取付板の穴径もそれほど大きいわけではないので、接触してしまったのでしょう。
残念なことにこんな径の絶縁ワッシャーは持っていないので自作することにしました。
要はエバーグリーンのプラパイプを入れて拡径します。
外径2.4mmのパイプを使いましたが、板の穴が小さすぎて、入りません。
無理に入れるとパイプが潰れてしまいました。
そこで、この際、板の穴を拡径して入れました。
こんなイメージです。
2.4mmパイプの穴径は1.5mm以下なので、少しずつ穴を拡径します。
一気にやるとパイプが崩壊しますので。
なお、ここまでやったのですが、実はこの穴は間違っていました。
この位置では、台車が車体に干渉して取り付きません。
後ろの穴が正解だったのでまた取り付け板を拡径し、プラパイプを取り付ける作業を行う羽目になりました。
大いなる時間の無駄であり、バカ丸出しですね。
ようやくの思いで絶縁化を終了し、車体へ取り付けると、今度は動きました。
ただし集電不良で動きはとても悪いです。
踏面が相当ひどい状態でしたので、ROCOのレールクリーナー用ゴムで研磨し、注油、給脂すると、嘘のようにスムーズに走るようになりました!!
苦労が報われましたよ。
せっかくなので、失われていたパンタバネを手持ちのUAVEの1mmで自作すると、パンタも立てることが出来ました。
ただしパンタは各部のハンダが取れていて、おまけに部品に変形が目立ち、本体から外れやすくなっています。
実際、ちょっと手が触れただけで3回も基部から取れてしまい、腹が立つので、片方だけ取れてしまったハンダを復旧し、修理することにしました。
古いものでハンダが流れるかわかりませんでしたが、部品の表面を削ってやると、なんとかはんだ付けできました。
こうなるとパンタの立ち位置のズレや歪みとかも気になります。
取り急ぎ、これもやりましたが、パンタの他のハンダが取れてしまうとかトラブル続きでした。
今回はまず走るようにすることが目標なので、ひとまずこれにて終了とすることにしました。
都合、約一日の作業でした。
実は今、個人的に暇ではないので、模型にはあまり時間を割ける状態にはなかったのですが、気分転換になり良かったです。
今後、パンタの本格補修や塗装、連結器交換とかも考えたいですが、いつになるのやら。
こちらはPS14でしょうけど、なにせこの製品だけに高価なパンタと交換する価値はないでしょう。
そうそう、こういう大昔の製品って、連結器の取り付け穴が端面から相当後方に下がっていて、市販のカプラーでは短いのですが、やっぱり取り付け穴を開け直した方が良いのでしょうね。
2025/7/16 記
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