フルカ・オーバーアルプ鉄道 FO 1等展望客車 AS 4027 (Bemo 3288 207)
今回は氷河急行でも有名なスイスの山岳鉄道フルカ・オーバーアルプ鉄道FOのパノラマ客車AS 4027について紹介します。
<FO AS 4024 主要諸元>
軌間:1,000mm、全長?m、自重:18.9t、総重量:22.5t、台車:SIG-90、定員:48、最高速度:90km/h
1993年イタリアのブレダ社でFO、BVZ、MOB用合計18両が製造されました。
スイスの狭軌線におけるパノラマ客車の歴史は、いわゆるトロッコ客車を別とすると、チューリッヒからSBB ブリューニック線(現中央鉄道)に導入された、展望客車B4 201から始まると思います。
この車についての記載はWikipedia 独語版Panoramawagen (Schweiz, Schmalspur)にはありません。
そこで、Web検索してみましたが、実車については歴史的写真数枚しか発見できず、情報を得ることができませんでした。
この車は、スイスの高級ブラスモデルHRF東の模型で有名ですね。
撮影時期が1939年とあることから、戦前製であり、同時期のドイツのBR ET 91に類似した形状になっています。
なお、同形のボディで窓は大きいものの、車体肩部に窓ガラスのないサロン車 A 101も作られたようですね。
この後はWikiの記載によりますと、MOBが導入したPanoramawagenが狭軌線では初めてということになります。
この最初のシリーズは、角ばった形状が特徴であり、それぞれ仕様の異なる車がMOB向けに17両、FO向けに4両が作られています。
次に作られたのが、こちらで紹介するブレダ製の車で、上記の通り、1993年にFO向け10両AS 4021-30、BVZ向け4両 AS 2011-2014、MOB向け4両 制御車Arst 151、152、1等車153、154でした。
FO向けには密閉式トイレが装備され、BVZ向けには垂れ流し式トイレ、そして運転の性格上、推進運転用の制御線が装備されていました。
展望車ではありますが、各8席のテーブル付コンパートを6つ設置しており、定員は48名です。
床高さが線路上面から950mmの高さに位置するハイデッカー車です。 FO車とBVZ車は共通で氷河急行で運用されたようです。
FOとBVZは2006年に合併し、MGBとなりましたが、その頃から新型のStadler社のパノラマ車(KATO製品で有名)が導入されたこともあり、本車にも動きがありました。
まず、2006/7年にAs 4023~4030の8両がBpに格下げとなりました。
またAp 4021~4022とApi 4031~4034(旧BVZ As 2011~2014)は1等車のままながら、4席コンパートメントが一列3席になり,Apiには車いす対応トイレも取り付けられています。
これにより、Apが36名、Apiが30名とそれぞれ定員が減少しました。
なお、Ap 4022と4032は事故で廃車となり、その代替としてAp 4045と4040がStadlerへ発注されています。
その他Api 4031が2022年に廃車となりました。
Bemo製品は1994年頃の発売です。
当時としてもとてもよくできていますね。
発売時期より、登場当時の仕様と思います。
塗装やレタリングもきれいです。
この製品はそれまでの紙箱から発泡スチロールの箱に代わりました。
おまけに害を防止するためのポリ袋に入れてあります。
それでも当たり面がやややられてしましました。
かつてのBemoのスイス型の客車は、別付け部品として金属製の手すりくらいしか入っておらず、ジャンパ線等は別売りでしたが、こちらにはそれらが入った部品袋が含まれるようになりました。
その後、通常製品にもジャンパ線等が含まれるようになりましたね。
今もそうですが、Bemoは標準軌に比べると結構高額でした。
珍しく発売当初に共立で買いましたが、当時、1両しか買えませんでした。
ブレダのパノラマ車は中古市場で割と見かけるようですが、他のアイテム同様、価格は上昇傾向にありますね。
残念ながら、本形式の編成例は全くわかりませんでしたが、上記にもある事故は機関車込みの6両編成だったそうですから、パノラマ車5両編成だったのでしょうか?
ブレダ車にはケータリング用の積み込みハッチがあるようですが、食堂車を連結したのでしょうか?
詳しい方、よろしくお願いします。
2025/4/24 記
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