鉄道模型 思いの外、大変でした 4000円!!のEF64 1001入線・プチ整備 その1
偶然手に入れたEF64 1001をプチ整備しました。
先日某所で、こういうのを見かけました。
へぇー、64の1001はもろ地元だけど持っていないし、送料込み4,000円ってまあ安い方じゃないかって。
写真を見ると、接着剤のはみ出しとかあるし、状態はあまり良くなさそうだなと。
……って、よく見ますと車体の裏側が薄緑色なんですよ。
これって、Nじゃないよね!!!
ということで入線と相成りました。
すぐに到着しました。
先方に頼んでおいたのでプチプチを緩めかつ多めに巻いてもらいましたので、破損等はありませんでした。
模型に詳しい方ではないようでしたが、外れた部品を別袋に入れておいてくれたので助かりました。
早速状態を確認しますと、こちらは紛れもないTOMIXのEF64 1001です。
Jスケール(1/80 G=16.5mm)、品番はHO-105でしょう。
TOMIXのJのEF64 1000の最初に出た製品の一つと思います。
もう20年以上前の製品になるのではないでしょうか?
そうそう、TOMIXは「HO」と言っていますが、これはHOではありませんね。
本品ですが、走行状態を確認できていないとのことでしたので、まずは試走しました。
幸いなことにスムーズに動きます。
ただし、ギア音が高いのと、低速時にややギクシャクします。
これは給脂不足が疑われますね。
あと、時代的に前照灯がオレンジなのが気になるところです。
まあ、模型鉄道は走ってなんぼですので、第一関門は突破しました。
次に外観の確認です。
あらかじめ覚知しておいた通り、状態はよくありません。
外観上一番気になるのが、各部の接着剤付着です。
見た感じ瞬接です。
いつも思うんですが、どうして模型鉄道に瞬接を使うんでしょうか?
瞬接は塗装済みの模型には極力使わない方がいいんです。
と言うか、キット組やイレギュラーな修理以外には使ってはいけません。
完成品への接着は後で剥がせる可能性のあるGクリアに限ります。
接着痕以外ですが、この商品、プラの展示ケースに入れられて居たようで、そのせいか未塗装のプラ部品の変色が目立ちます。
特にテールライト、前面の作業灯、避雷器カバーは写真の通り、変色が進んでいました。
当方もHOミニカーでひどい目にあっているので、これはとても気になりました。
これ以外にも、下記の問題がありました
・無線アンテナ 2個とも欠品
・手すりが2箇所外れ、うち一つは欠品
・電暖表示灯 1箇所も外れ、もう1箇所も取れてしまいました。
この部品は成形色が灰色なので、ゲート口が目立ちます。
なお、よく見ると2個で形状が異なる??
・前面スカートのジャンパ線が2箇所欠品
・開放てこの片方が折れ
・前面ナンバー成形不良→ゲートが残っている
・パンタのホーンがズレている
・台車ステップ2箇所外れ
ただし、外れた部品は袋に入れてありましたので、大助かりでした。
これ以外に台車の欠品がなかったのはラッキーでしたね。
以前、KATOのナロネ21やキハ58で枕ばね欠品というトラブルがありましたので。
・信号炎管 1箇所欠損
根本から折れていました。写真では残っていますが、折れた部分はありませんでした。
プラの経年劣化かもしれません。
・運転台貫通扉上部品欠品
などなど、相当な難ありでした。
まあ、価格が価格ですから、文句を言う方が間違っていますが。
それで、パンタのホーンが気になったので、一度ホーンを抜いてから入れようとしたのですが、入りません。
こういうのは無理すると絶対に壊すので、まずは車体からパンタを抜くことにしました。
TOMIXのパンタはネジ止めではなく、車体にはめ込んであります。
しかし、Nと同様、Jも全ての足が同等ではなく、前から見て右側の足がきつくなっています。
つまり、他の足は抜けやすいのですが、この部分は簡単には抜けません。
無理して引っ張ると、変形したり壊れてしまいます。
こいつは特に抜きにくく、重い車体のまま作業すると思わぬ事故の元なので、ボディを外すことにしました。
まず分解の前によく観察します。
鉄道車両のボディを外す際には細心の注意が必要です。
特に見落としがちなのが、後付部品です。
ユーザー後付け部品が車体の上下にまたがって取り付けられていることがありますので。
よくある例としては、運転室ドア手すりやジャンパ線。
言うまでもありませんが、つながった状態で外すとジャンパが切れたり、車体が壊れます。
64 1001も見事にジャンパがつながっていました。
車体側に接着されていたみたいですが、軟プラなのか引っ張ったら外れました。
外したジャンパ線はなくさないようにジップ袋に入れておきます。
なお、日本型では該当しないかもしれませんが、欧州型ではBemoのGe 4/4IIなど、カプラーを抜かないと外せないものがありました。
この製品は欧州型製品などと同様、窓ガラスの爪でダイカストのシャーシーを固定しております。
従って、爪を浮かせて下部車体を抜けば外れるのですが、何故か上下を止めている爪が台車の枕ばねの場所にあり、外しにくかったです。
どうしてもう爪の位置を少し逃がしてくれないんでしょう。
洋の東西を問わず、プラ製品のボディは外しにくいものがほとんどです。
現在の製品で最も優れると私が思うのは、BemoのRhB Ge 4/4 IIIなど新しい製品です。
これらは窓ガラスの爪を車体を広げて外すなどという極めて作業しにくいものではなく、車体を4本ネジでしっかりと固定します。
外すのも取り付けるのも、いとも簡単かつ確実です。
ボディがダイカストなら、メルクリンはボルト1ないし2本で確実に固定されているので最も良いと思います。
もちろんボディなど外さなくてよければそれに越したことはありませんが、給油や給脂、LED化改造など、存外ボディを外す機会はあるものです。
なお、当方の経験で最も外しにくいのは、FleischmannのBR 141とBR 218でした。
これらは簡単に外れません。
下手すると車体が壊れます。
こういうのは模型として完全に失格と思います。
話を戻して、車体が外れたので、パンタを外します。
しかし慎重に作業したものの、最後には屋根の一部が外れてしまいました。
足も車内に入る部分が少し曲がってしまいましたね。
幸い、破損しませんでしたが。
たしかにパンタが抜けてしまうのも問題ですが、いくらなんでももう少し緩くてもいいように思いました。
一方、車体からパンタを外したので、ホーンは簡単に戻すことが出来ました。
そこで、今度は復旧するのですが、まず外れてしまった屋根に慎重にパンタを取り付けます。
やはり手前右がきついので、パンタ台を変形したり破損しないように注意が必要です。
更にパンタには前後がありますので、間違いないようにします。
屋根部品にパンタを装着してから、車体にはめようと思ったのですが、屋根がハマりません。
こういうのは無理すると絶対に壊してしまいますので確認したところ、導光体とカバーの位置がおかしいことに気づきました。
そうなんです。
屋根が外れてしまった際に、導光体カバーがズレてしまったんですね。
でも無理しなくてよかった。
危うく導光体を壊すところでした。
結局、カバーを正位置に戻すのに運転室パーツまで外す羽目になりました。
これらのパーツも位置決めがしにくく、屋根板がなかなか上手くハマりません。
そもそも導光体がずれなければ、こんな面倒なことにはならなかったわけで。
こういうところは設計が甘いですね。
ようやく復旧しましたが、ここまでで結構な時間を費やしてしまいました。
せっかく車体を外したので、気になっていた給脂を行います。
こちらはウォームカバーに穴が空いていて、そこから休止する方式であり、完成状態ではギアカバーがあるので、給油/給脂出来ず、車体を外す必要があります。
この構造もいただけません。
高価な商品なので、ROCOの最近の製品のようにギアボックスをダイカストとして、台車裏板をねじ止めしたほうが良いと思います。
これならボディを外さなくても、給油や給脂、集電シューの掃除が簡単にできますので。
いつも通り、給脂にはKATOのユニクリーンオイル及び、タミヤのセラミックグリスを使いましたが、ギア音はあまり変わりませんでした。
ただし、安心感は増しましたね。
もう遅い時間だったので、一旦復旧することにしました。
ボディを組んで走らせたところ、なかなか快調です。
余計に時間がかかってしまいましたが、良かった!!
それでIMONの箱に仕舞おうとしたところ、何か部品が落ちています。
変だと思って確認したところ、なんと側面のナンバーが折れていました。
どうも車体を持った際に力をかけてしまったのか、割れてしまったようです。
こんなもの普通割れることはありませんが、この商品はナンバーが接着されておらず、かつ少し浮いていたのかもしれませんし、また材質劣化があったのかもしれません。
一瞬青くなりましたが、Gクリアで接着しておきました。
あまり良い書体でもないのでインレタを貼っても良かったのですが、バランスもあり、このままとすることにしました。
本当に夜遅くなってしまったので、今日はここまでとし、残りは後日考えることにしました。
模型には焦りは禁物です。
「急いては事を仕損じる」と言うのは、いつの時代においても模型の世界には金言だと思います。
続く
2025/2/10 記
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