世界に一台しかない&最も安い?? EF65(HOj)デアゴ金属モデルコレクション走行化改造 その②
前回記事の続きです。
ようやくの思いで、車体の準備加工が終わりましたので、Bemoの下回りを取り付けてみました。
先述のように実車で約2m違うので、こんな感じになりました。
確かにオーバーハングですが、EF30もこんな感じですし、作業を続けることにしました。
次にどうやって車体と動力を取り付けるかですが、本来、車体を固定する金属棒は悪戦苦闘の結果、除去していますので使えません。安直には動力の上面で車体を支えるのが最も簡単ですが、動力上面には配線等があるため水平ではなく、またショートの危険もあります。
そこでオリジナルと同様、スカートの上面で車体を支えることにしました。
そうなりますと、どうやって車体へスカートをがっちり固定できるかが勝負になります。
これも簡単に行うのであれば接着ですが、相手はダイカストなので、接着では重い車体を支えられないかもしれません。
そこで改めてGe 6/6 II の動力を観察しますと、車体の前部にライトの導光体を取り付ける溝があります。
この溝は大きなもので、左右対称かつ水平が出ています。
ということでこの溝に角棒を挿入し、その角棒にスカートを取り付けることにしました。
まず、動力装置の導光体を取り外します。
ご存じの方も多いと思いますが、Bemoのこの導光体ですが、いつもすぐに抜けてしまい整備の際には難儀するのですが、どういうわけかGe 6/6 IIの場合はなかなか抜けません。
取り外す際に1個折ってしまいました。あ~あ失敗。
上記のようにこの導光体は取れやすく、中古では欠品している可能性があるので手持ちとして取っておきたかったのですが、残念です。
片側が取れれば、残った反対側は取れた側の穴から棒を使って押し出せば簡単に抜けます。
デアゴのEF65はヘッドライトが開口しておりませんし、そもそもこの場所にライトはないので、電球も外します。
実は先に電球を外して、導光体をドライバーで押したのですが、うまくいきませんでした。
ドライバーではなく、先端を曲げたプラ棒で押してやれば、導光体を破損せずに外せたかもしれませんね。
さらに上部ライトの導光体も外してしまいます。

次にEF65の下部車体から、スカートを切り出します。
まず、運転台を取り外しますが、これもがっちりと接着されています。
概略の寸法で切り出して、後に調整することにしました。
動力の前端は丸くなっていますので、切断線を丸く削りました。
それから、導光体の溝へ取り付ける角棒を用意します。
手持ちのタミヤの3㎜角棒がちょうどよいと思ったのですが、僅かに高さが高すぎて入りません。
仕方なく、角棒の上面を削りました。
下面を出すために、上面に特化して削るのですが、アートナイフでプラカンナ方式ですと、存外どこを削ったかわからなくなるので注意が必要です。
ノギス測定では0.2mmも削れば十分でした。
なお、きつきつだと後で抜けなくなりますし、スカート上面が車体に引っかかるので、少し緩めでも問題ありません。
上記の通り、この方式ではスカートの高さが車体の高さを決めてしまいます。
最初仮組した際に、スカートの床と動力装置の床が面一になるくらいの高さですと、ちょうど車体に動力装置が収まるので良いと思い、角棒の下に1.2mmプラ案を貼り、高さを合わせました。
しかし、この状態で他の車両と連結器を合わせてみますと、明らかに車体位置が低すぎます。
今更ながら、JNRとRhBでは、床下高が違うんですね。
そこでせっかく接着した1.2mmプラ板を除去して車体を少し上げることにしました。
これにより動力の下側が少し車体よりはみ出してしまいますが、仕方ありません。
なお、スカートへの角棒の取付は強度及び調整を行う可能性があるため、IMONで買った1mm×4mmねじを使いました。
もっと太い方が良いのでしょうが、写真の通り、ねじの頭がスカートと干渉してしまいますので太いねじは使えません。
このねじは小さすぎて、手持ちのプラスでは締めるのに難儀しました。
また1mmねじには下穴0.8mmではやや小さすぎで、0.9mmくらいが良いかもしれません。

この状態で組んでみますと、今度は車体の高さもいい感じです。
高さもいい感じですね。

取り付け棒がやや短かった……。
同様な加工を反対側のスカートにも施します。
両側のスカートを下回りに取り付けて、車体をかぶせると、取り急ぎ完成しました!!
これで走れるようになりましたが、これでは単行運用しかできません。
そこで連結器を取り付けることにしました。
今回はIMONカプラー105を使用します。
IMONカプラー105の基部の厚さと、デアゴのEF65のスカート連結器取付部を比較すると、明らかに高さが異なり、デアゴの方が低くなっています。
あと、デアゴの連結器の芯と取付部の芯は合っていません。
他の車両の連結器と合わせてみると、デアゴの取付部下面を合わせて、上部にはみ出して開口すると良いみたいです。
削りすぎるとみっともないので、慎重に作業しました。
カプラーは3㎜角棒+0,5mmプラ板で基部を作り、スカート裏側に瞬接で接着しました。
取付自体は1.4mmねじです。
こちらはIMONで教えてもらった1.1mmの下穴で問題ありませんでした。
ただし穴の位置がギリなので、カプラーを前に出すことはできません。
ところでデアゴのスカートにつくステップ部品ですが、連結器取付部?が巨大で、Ge 6/6 IIの台車先端の連結器基部と干渉してしまいます。
本来であればGe 6/6 IIの台車を加工すべきなのですが、この台車枠、結構破損しやすいので予備として確保しておきたいところです。
よってデアゴのスカートステップ部品の中央部を切除し、ステップを個別に取り付けることにしました。
理由として組付けが荒く、片側のステップが浮いていたこともあります。
片側ができたので連結してみましたが、特に問題なかったので、反対側も加工しました。
最後に車体の裏側に絶縁用のマステを貼りました。
先ほどの切粉を何度も何度も除去し、車体を取り付けます。
上下はあえて固定しないでおきました。
ということで完成しました!!
正味4日程度でしょうか?
なお、Bemoの動力部には追加のウエイトが取り付けられますが、デアゴのボディには重量があること、またBemoの車軸は真鍮で、その軸をプラ製のギアボックスで受けていることから、過重は良くないと思いウエイトは取り外してあります。
日本では模型鉄道の動力車が重い方が良いという風潮がありますが、これは軸や軸受、そして台車やフレームの強度が十分であることが必須条件です。
あくまで個人的な意見に過ぎませんが、MPギア対応の製品の中には、明らかにこのあたりの構造が華奢な割に車体重量が過大なものが見受けられます。
実際、軸端が細いプレーンで、かつ繊細なダイカスト製台車で重量を受けている製品はいくつもあります。
こういうのはレイアウトでガンガン走らせたら、いずれへたってしまいそうですね。
このあたり特に昔のメルクリンの中にはしっかりした構造が多かったような気がしますね。
もちろん「動く」日本型と、「走る」欧州型では求められるものが根本的に違うのでしょうけど。
話が脱線しましたが、試運転は快調そのものでした。
……、ってこれはBemoの足回りが優秀ってことですね。
???な足回りですが、走行重視の私にとっては良かったです。
最後にお会計です。
今回、中古のGe 6/6 IIの足回りが3,500円、デアゴのEF65が7,500円ですので、なんと11,000円!!で出来ました。
もちろん私にとっては、相当な出費ではありましたが、HOjのEF65は10年以上前で確か25万円くらいしたような記憶があります。
もちろん模型鉄道としての完成度には月とスッポンどころではない差異がありますが、それでも約22分の1の費用で出来たのですから御の字でしょう。
とは言うものの、Bemoの足回りを入手することは非常に困難でしょうし、現行製品は、DCCやマシマモーターへの変更で2モーターではなくなっているかもしれないので、全く一般的ではない改造ですが、ともかく走らせたいという一心でチャレンジしてみた次第です。
恐らくこんなことを考えるような方はいらっしゃらないでしょうし、日本型マニアの方には、お叱りを受けるかもしれませんが、あくまで私的にですが、頑張ってみて良かったと思います。
なお、上記のようにGe 6/6 IIの動力装置は中央のピンを抜くことができれば、2分割できます。
間にスペーサーを入れて延長すれば、オーバーハング感は一掃できるでしょう。
そして、台車のギアカバーをなんとかできれば、WBがやや違うもののオリジナルの台車枠を取り付けることができます。
そうすればさらに良くなると思いますが、当然のことながらシャーシーの延長や中間台車の固定方法は難しいですし、ギアカバーもどうやって作ればよいか、名案はありません。
現状、よく走りますし、私にとっては上記はリスクが大きいので、当面はこの状態で遊びたいと思います。
最後になりましたが、これからもあくまでできる範囲ですが、HOjにチャレンジしてみたいと思います。
完
2025/1/21 記
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