ベルン・レッチェベルク・シンプロン鉄道 BLS 汎用電気機関車 Ae 4/4 257号機 (EMAG)

 今回はスイスの山岳鉄道BLS の汎用電気機関車 Ae 4/4を紹介します。

 Ae 4/4はBLS が開発した高性能な汎用電気機関車でした。

<Ae 4/4 主要諸元>

 バッファ間距離:15.6m、運転重量:80.0t、軸配置:Bo'Bo '、軸重:20t、連続出力:kW、時間出力:2,940kW、電動機:4基、動輪径:1,250mm、最高速度:125km/h

 1944年から1955年までの間、8両が製造されました。

 Ae 4/4は、1940年代、BLSにおいて使用されていた旧型のロッド式電気機関車Ae 5/7の代替用に当時、世界でも最新鋭の軽量高出力の全軸駆動機として作られました。

 本機は当時の高性能電気機関車としては、世界でも類を見ない先従輪なしの軸配置Bo’Bo’を採用し、また高圧タップ切換制御方式により、高い曲線通過性能と27‰で400tの列車を牽引可能な最大216kNの牽引力を持ちながら、僅か80tの車重と言う、画期的な軽量・高性能機であり、以降の世界の電気機関車に多大な影響を及ぼしました。

 現在の目で見るといささか古めかしいスタイルにも見えますが、当時の世界の電気機関車、例えばJNRのEF12、EF57、あるいはDRのE 94やE 18と比較すると先輪を廃し、丸みを帯びたその斬新なスタイルは際立っていますね。

 上記の通り、1944年に2輌が試作され、テストが行われた後、1948年、52年、55年にそれぞれ2輌が追加されました。

 スイス機によくあるように、車体、台車、機械部品をSLM、主電動機、電機部品はBBCが製造担当しました。

 

 なお、最後の2輌、257、258号機は、それまでの機種とは異なり、屋根上の発電ブレーキ用抵抗器が増設され、パンタグラフが1基になっています。

 この改良は後に他の号機にも施されました。

 その後、1959年には本機を2輌永久連結としたAe 8/8に調達が移行し、Ae 4/4からも4輌が改造されています。

 残った4輌は、小改良を行いながら長きに渡り活躍し、最後の一輌は試作機誕生から60年が経過した2004年に引退しました。

 この間、形式名がUIC方式であるAe 415へ変更されています。

 なお、シリーズ第一号機であるAe 4/4 251は、BLSにより歴史的機関車として現在でも動態保存されています。

 以上、Wikipedia 日本語版 ベルン-レッチュベルク-シンプロン鉄道Ae415形電気機関車 より、引用、参照いたしました。

 いつも書いていますが、スイス機については、日本語版 Wikipediaの記載は大変詳細なものとなっています。

 独語版よりも詳しいので、ぜひご一読をお勧めします。

 それで模型の方ですが、Modellbau-wiki によりますと、Ae 4/4 にはHAG、SWIMO、そしてROCO製品があります。

 ただし、どういうわけかこのいずれも正確な発売年が記されておりません。

 こちらで紹介するのは、EMAGと言う会社の製品です。

 模型界の大先輩からお譲りいただいたものですが、どう見てもHAG製品、それもAe 8/8を切り継いだように見えます。

 EMAG社については、全くわかりませんでしたので、この機会に調べてみました。 

 その結果ですが、Stummis Modellbahnforumの記載によりますと、EMAG=Eisenbahn Modell AGとは、メーカーではなく、1970年代の専門小売業者Eisenbahn-Centerの自社ブランドでした。

 こちらのBLSAe 4/4は、Modellbau-wikiの記載にあった、SWIMO社のものだそうです。

 なお、SWIMO社ですが、こちらによりますと1977年から1994年まで存在したスイスの小規模鉄道模型メーカーで、主にMärklinとHAGの塗替えや部分変更製品、そしてオリジナルを発売していたようですね。

 1990年に模型鉄道の生産を停止したとのことです。

 こちらで紹介するAe 4/4も、HAGのAe 8/8の車体を一部切断し、接合することで作られています。

 車体はダイカスト製なので、真鍮板を裏から当てて、接着していますが、接着が甘く、取れてしまうことがあり、よくそういうモデルを見かけるとの記載がありました。

 実際、当方のも全く同じであり、運転席が取れてしまったものをお譲りいただき、再接着したというわけです。

 この問題はありますが、切断面はきれいなため、再接着することができました。

 ということで、EMAGのAe 4/4は、ほぼHAGのAe 8/8のままです。

 ですので、彫りの深い台車、質感及び重量感たっぷりの車体など、昔のモデルながら、色褪せない魅力があります。

 お値段は聞きませんでしたが、相当高かったんじゃないでしょうか?

 なお、箱もHAGそのものであり、ラベルだけが貼り替えられていました。

 なお、HAGのカタログを調べた限りでは、元になったAe 8/8は1979年のリーフレット、1980年のカタログ、Ae 4/4は1987/88年のカタログが初登場のようです。

 Modellbau-wikiの記載では、SWIMOのAe 4/4は~1984年とありました。 

 車番と側面のメーカーズプレートがSWIMOオリジナルだと思われます。 

 この頃のHAGですので、1/82位と思います。

 オーバースケールがなんとも残念ですが、縦型モーターにしては走りがスムーズで力もあります。

 ダイカストですが、窓がはめ込まれているので、いい感じ。

 金属製のバッファーも可動します。

 屋根上の抵抗器カバーには、金属メッシュが使われています。

 こちら側が切り注がれた面です。

 補強材のところが切り継ぎ面ですが、きれいに仕上がっています。

 ということで、EMAGのBLS Ae 4/4は、オーバースケールながらお気に入りの一台であり、元となったHAG のAe 8/8やAe 4/4も欲しいと思っています。

2024/8/3 記

 

 

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