スイス連邦鉄道 SBBテンダ式重貨物用機関車 C 5/6 2953 (ROCO 63010)

 今回は、スイス連邦鉄道 SBBのテンダ式重貨物用機関車であるC 5/6 エレファントについて紹介します。

 スイス連邦鉄道 SBB C 5/6はスイスで最大の蒸気機関車です。

<C 5/6 主要諸元>

 型式:1'Eh4v、バッファ間距離:19.195m、粘着重量:79t、軸配置:1E、軸重:15.8t、過熱式四気筒、出力:1,190kW、ボイラー圧力:15bar、最高速度:65km/h、動輪径:1,330mm

 C 5/6は、山岳鉄道すなわちゴッタルド線とその接続ルートでの貨物列車牽引用に製造されました。

 構造は、同様にSLMで製造されたC 4/5と非常によく似ています。

 性能としては、300tの貨物列車を25‰の勾配で25km/hで、また平地では1,200トンの貨物列車を牽引することができました。

 C 5/6 は、先代のC4/5よりもはるかに強力であったため、「エレファント」というニックネームが付けられました。

 製造はヴィンタートゥールのSchweizerischeLokomotiv-undMaschinenfabrik(SLM)により行われ、4つの納入ロットで製造されました。

 最初は1913年に作られた複合式過熱式四気筒の2951-2953、そして同一形式ながら複合機関を持たない単式過熱式四気筒の2901-2902の計5輌が製造されました。

 更に、1914-15年に10両 2954-63、1916年に12両 2964-2975、1917年に3輌 2976-78の合計30両が製造されました。

 最初に複合式と単式を作り比較したようですが、単式機は燃費が悪かったので、1920、22年に複合式に改造されました。

 しかしその結果は良好ではなく、かつ出力も低かったので、早くも1933年には廃車になってしまいました。

 残りの28両については、1954-1968年まで活躍しました。

 なお、2976は1953年に重油炊き改造を実施しています。

 結果は良好でしたが、SBBでは1920年代以降、電化を推し進めてきたこともあり、これ以上改造されることはありませんでした。

 本機は1962年引退、1965年には解体されています。

 C 5/6は予定通り、ゴッタルド線で使用されました。

 しかし、C 5/6の完成からそれほど経たない1920年代にゴッタルド線は電化されてしまったので、平地へ転用されました。

 第二次世界大戦中、SBBは28台中、16台をドイツ国鉄DRGへリースしました。

 これらは南部ドイツのバーデン、ヴュルテンベルク、アルザス、バイエルンで使用されました。

 また戦後はフランスにもレンタルされています。

 双方共、国内だけの使用というよりはスイス向けの貨物列車の牽引用に使用されました。

 スイスは永世中立国でしたが、スウェーデンと同様、ドイツとの間には相当な交易量があったのですね。

 現在、C 5/6の4輌が保存されています。

 うち2輌、2978と2969が動態だそうです。

 以上、Wikipedia独語版 SBB C 5/6 より、引用、参照しました。

 それで模型の方ですが、Modellbau-wiki によりますと、長らくC 5/6のHOの量産製品は、ROCOからしか発売されていませんでした。

 その後、2016年になってMärklin/TRIXからも発売されています。

 この製品は1982年の初回発売ですが、その後、1990年代後半にこちらの改訂版が発売になっています。

 この改訂は、動力が主体であり、それまでのテンダー駆動を、そのころからROCOの標準となった、テンダー駆動+機関車駆動に変わっています。

 その他は変わっていないように見えますが、昔の製品をよく見たことがないのでわかりません。

 2000年代が近い頃なので、初期の完全つや消しで実感に欠ける塗装や銀車輪は改善されています。

 レタリングはきれいですね。

 動輪の輪芯も新しいものになっています。

 空気配管はちょっとごついです。

 ROCOのハンドレールは鉄製なので、質感は良いですが、錆びてしまうのが欠点ですね。

 前面のステップはバイエルンのS 3/6に良く似ています。

 黒染めの車輪、弁装置、ロッドはほんといい感じです。

 ハンドレールは曲がっています。

 1958/10/15なんて日付の記載があります。

 キャブは独特の形状です。

 C 5/6はスイス最大の蒸気機関車ですが、その長さはG 12 (BR 58)とほぼ同じくらいであり、一般的なBR 50の22.94mと比べると、だいぶ短いです。

 一方、出力はBR 58やBR 50と同じくらいですね。

 黒塗装はやや艶有りで、初期のベタのつや消しよりもずっといい感じに見えます。

 テンダーはダイカストなのが最近とは異なりますね。

 ただし昔の製品に比べると、プラ部分との差異は小さいように感じます。

 走りの方はいたってスムーズです。

 こちらは機関車も駆動するので、空転がないのがいいです。

 

 実車は電化に押されてあまり活躍しませんでしたが、模型の方は自由に走らせたいと思います。


2024/7/25 記

 

 

 

 

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