ドイツ連邦鉄道 DB 貨物用蒸気機関車 BR 58 2-5、10-21 1919号機 (ROCO 43362)

 今回は、ドイツ連邦鉄道 DBのテンダ式三気筒重貨物用機関車である、BR 58.2-5、10-21について紹介します。

 BR 58.2-5、10-21は、元プロイセン王国邦有鉄道の重貨物用機関車G 12です。

<DB BR 58.2-5、10-21 主要諸元>

 型式:1'E-h3、バッファ間距離:18.495m、運転重量:95.7t、軸配置:1E、軸重:16.7t、過熱式三気筒、出力:1,133kW、ボイラー圧力:14bar、最高速度:65km/h、動輪径:1,400mm

 G12は、第一次世界大戦時に、各邦有鉄道毎に機関車の型式が異なることが保守と運用にとって非常に不利だったことから設計され、プロイセン王国邦有鉄道だけでなく、バーデン、ヴュルテンベルク、ザクセンの各邦有鉄道でも使用されました。

 言わば、制式機関車の先祖とも言える存在であり、また戦時型機関車でもあります。

 当時、第一次世界大戦の真っ最中であり、陸軍は軸重が高すぎず、高速で強力な貨物用機関車を必要としておりました。

 G 12の性能は、平地で2,700tを40km/hでけん引出来ましたが、この性能は本機の後継機ともいえる三気筒重貨物機BR 44の2,400 トンを 50 km/h に匹敵する強力なものです。

 G 12は、1917年8月から1921年の間、プロイセン:1,168両(陸軍及びエルザス・ロートリンゲン向けを含む)、バーデン:98、エルザス・ロートリンゲンライヒスバーン:118、ザクセン:62、ヴュルテンベルグ:43が製造されました。

 これらを足し合わせると、1,489となりますが、Wikiには1,479-1,500とありました。

 ドイツの邦有鉄道で、G 12を導入しなかったのは、メクレンブルク及びバイエルンだけでした。

 メクレンブルクは平地なので、G 8.2のような小型機で十分でしたし、バイエルンではすでに他のプロイセン機が使用されておりました。

 第一次世界大戦の敗戦、及びドイツ国鉄DRGの発足に際し、G 12は、ほとんどがドイツ国鉄DRGへ継承されました。

 具体的には、

バーデン G 12: 58 201-225、231-272、281-303、311-318

サクソン XIII H: 58 401–462

ヴュルテンベルク G 12: 58 501–543

プロイセン G 12: 58 1002–2143、(2144–2148)。

 なお、58 1001はG 12ではなく、G 12の基礎となった、アナトリア向けの1E機です。

 こちらは早期に廃車になっています。

 また少数がポーランドとルクセンブルクへ戦時賠償で引き渡されたようです。

 第二次世界大戦後、DBへ535両、DRへは496-540が継承されました。

 DBでは早くも1953年に廃車となっておりますが、反面DRでは1976年まで使われました。

 また1958-62年にかけて、56両がDRにより再生産(Rekonstruktion)され、BR 58.30となっています。

 これは大幅な構造変更を伴うもので、性能や問題点が改善されるとともに、外見上も大きく変化しています。

 G 12には、オーストリア、ブルガリア、ユーゴスラビア、ポーランドへ継承された機種もあります。

 現在でも、ドイツに3輌が保存されています。

 以上、Wikipedia 独語版 Preußische G 12より、引用、参照しました。

 それで模型の方ですが、長い間、本形式の量産模型は、こちらで紹介するROCO製品だけでした。

 Modellbau-wikiによりますと、1977年の初回発売になります。

 同社の蒸気機関車としては、最も古い部類に属す製品ですね。

 ただし、こちらの1919号機(43326)は、本製品では最晩年となる2001年の製品です。

 なお、G 12ですが、ROCO製品よりもずっと後になって、2007年にRivarossi、2013年にMärklinからも発売されました。

 上記の通り、ROCOの蒸気機関車では最も初期の製品ゆえ、現在のものに比べると、出来の方はそれほど良くはありません。

 

 特に金型がくたびれてきているのは、よくわかります。

 実際、Modellbau-wikiによると、ROCOのG 12は、レギュラーとしては2004年のバーデン仕様の製品が最後のようです。

 その後、2020年にROCO60周年のレトロ製品が作られているみたいですが。 

 上記の通り、こちらは最晩年製品です。

 ですが、基本的な構成は従来品と同様と思われます。

 もっとも大きな改変点と思われるのはモーターです。

 その他、時代に合わせて、塗装やレタリング、整形色が改善されていますね。

 初期のROCO製品の赤は何か発色が悪かったですが、こちらは良くなっています。

 初期製品はいまいちぱっとしないはめ込みナンバーだったのですが、こちらは2000年代ゆえ、レタリングはきれいです。

 初期の黒はつや消しで、いまいちでした。

 特にダイカスト製の炭水車との質感の差異が目立ってしまう傾向にありましたが、こちらはそうでもなさそうです。

 初期製品なので、テンダーモーター/テンダードライブです。

 機関車は駆動しません。

 大昔の製品ですが、現在でもまあ見られるのはさすがですね。

 DBでは1953年と引退が早かったので、使い道は限られてしまいますが、BR 44誕生前の最強力の大型貨物機でかつ約1,500両も作られた機関車です。

 G 12ですが、大昔の発色の悪い製品は時々中古を見かけますが、2000年代製品の中古は、まず見かけることがありませんので、入手できてラッキーでした。

 2024/7/17 記

 

 

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