鉄道模型 伝説の客車キットを入手!!

 先日、偶然にも入手しました!! 

 そうです。

 ADEの客車キットです。

 一部界隈では伝説と言われた時代もありましたね。

 

 それではさっそく開けてみましょう。

 はい、今回入手したのは、Bn 724 51 80 02‑52 001‑4 Pです。

 これはドイツ連邦軍が製造した病院列車の一両であり、Wikipedia 独語版 Krankentransportzugによると、1965年から1967年に手術室を持つ医療車、食堂車、そしてベッド車3両から構成される1編成5両が試作製造されました。

 こちらはベッド車で見ての通り、n-wagenから作られました。

 なお、ドイツ連邦軍の病院列車はMärklinから発売されていましたね。

 ただし、長さは1/100であり、また実車とは異なり4両セットでした。

 またLimaからもベッド車が出ていました。Lima 309094 車番:51 80 02-52 002-2

 こちらはADEとは異なり、単なる標記替えだけでした。 

 ADEの客車キットはこのように部品ごとに分けて収納されています。


  それで私自身がADEのキットを手にするのは、実はこれが2回目なんです。

 と言いますのも、私がこの道に入った頃、ADEは晩年期であり、日本の模型屋さんで買うしかなかった私にとって、ともかく高いものでした。

 1980年代、今から考えると輸入品の価格はともかく高いものでしたが、確かROCOのショートスケール客車が3,000円台だったのに対し、ADEは15,000円くらいしたはずです。

 しかし、当時の破格な値段にはれっきとした理由がありました。

 それはADEが当時としては信じられないくらいの出来だったことです。

 具体的には、今から40年以上前の1980年代において

・1/87、フルスケール 303/317mmを採用

 当時、欧州型は1/100が主体であり、1/87 303mmは大時代的な出来のLiliputのみ

・各部の驚異的な出来

 特筆すべきは、室内、床下、台車

・美しい塗装とタンポ印刷

 ADEの水準に他社が到達したのは15年以上後のことでした。

・車番替え

 今に至るまで欧州型は同じ車番で発売されることが殆どですが、ADE製品には同じ形式で多様な車番がありました。

・室内灯標準装備

 単に電球装備ではなく、導光体をフルに装備し、尾灯まで点灯します。 

・確実な集電

 可動台車による車軸端集電のため、集電が確実で、当時の欧州型の主流であった金属板を車軸の押し当てる方式と比べると走行抵抗が遥かに低いです。

・DB客車の主要車種を発売

 私にとってはこれが何よりも一番大切です。

 DB客車はほぼ全て発売されました。結局出なかったのはADmh 101とWRmh 131くらいのものです。

 そしてADEがあるためか、どういう訳か他社から発売されない主要車種が多くあるという大問題を引き起こしました。

 実際、Rheingold '84などは、未だに実売されていませんし、誰がどう見ても絶対に必要なn-wagenやWRmz 132、135などは、まともな製品が入手できるまで、30~40年もかかりました。

 WRmz 135については、何度か発売されたものの、セット売り等で今でも入手が極めて困難な車種になってしまっていますし、ADEのようにたくさんの仕様が模型化されているわけではありません。 

 以上が今に至るまでADEが伝説と言われる所以です。


 さて、ADEと言えば説明書も特筆されます。

 大昔のAirfixのプラモデルに代表されるように、欧州のキットの説明書は、日本の優れたプラモデルとは全く比較にならない不親切でわかりにくいものですが、ADEも例には漏れません。

 確かにどこにつけるか場所がわかるだけましですが、ドイツ語ですしね。

 印刷の質も悪く、手作り感満載です。

 それにしても室内など、今日でも通用すると言うか、やりすぎですね。

 台車、本当によく出来ていますよね!!

 車軸発電機など、普通は一体なのに、ここまで細分化されています。

 ADEの台車は今でも他の追随を許さないと思います。

 ただこの集電方式を採用するならば、中空車輪を使って、全輪集電にすればよかったと思います。

 5P目まではn-Wagen(Nirostawagen)のもので、こちらのベッド車の説明書は最後の1Pだけです。

 Limaが標記替えだけだったのに対し、ADEは上からもわかるように内部が精密再現されています。

 何れにしても、こちらのBn 724 51 80 02‑52 001‑4 PはADEの客車キットの中では、極めて異例の1台と言えるのではないでしょうか?

 

 続いて「恐怖」の部品確認です。

 なぜ恐怖と言いますと、ADEも欧米製品の常で、破損欠品がよくあるそうです。

 私はこの世界の大先輩から、台車がそっくり入っていなかったことがあると聞きました。

 さっそく一袋目で欠品発覚。

 ベッドを取り付けるラックが1個足りません。 

 バッファーは別部品で6個入っています。

 赤い椅子部品の上の透明部品は網棚です。

 この部品は、通常のn-wagenと一緒に見えます。

 医療用ベッドは36個ありました。よかった。

 台車や下回り。

 台車の車軸部につける部品のケーブルが折れています。その他はなんとかありそう? 

 車輪、集電部品、電球。

 上記のように、ADEは室内照明標準装備です。 

 天井に取り付ける照明用の電極板。

 箱にしまう際には、逆向きにして反りを直します。 

 室内、床下、照明を取り付ける天井、屋根、隔壁、窓。

 本当によく出来ています。

 パーツで見るだけでなく、今まで組んだ感じでは、実際に合いも良いと思います。

 ボディ。

 印刷もバッチリです。 

 n-Wagenはこの模様から、Silberring(銀魚)とあだ名されています。

 いつ見ても凄い印刷ですね。

 何しろ、今から40年以上前ですから。 

 このパターンです。

 タンポ印刷と思うのですが、ほんとすごいですね!! 

 

 車番。

 001-4の後ろは見えにくいですがPです。

 Pは私有車の記号ですね。


 赤十字もバッチリです。 

 欠品のベッドの支柱ですが、0.8mmの真鍮線で自作しました。

 長さはこれから揃えるとして、一番下の横桟は見えないから省略か、プラ板で自作したいと思います。

 この部品の精度は現在のプラモの方が上ですね。 


 当方、この手の車両が特段好きというわけではないのですが、某所に破格の値段で出たもので、ついポチッとしてしまいました。

 ということで全くの偶然で入手した車両ですが、どうなりますことやら。

 実はADE、得意のラッカーシンナーの効きがいまいちです。

 組まれた方、接着には何を使用されましたか?


2024/6/29 記

 

 

 

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