ドイツ国鉄 DRG 支線用タンク式蒸気機関車 BR 89.6 656号機 (Rivarossi 1357)

 今回は、ドイツ国鉄DRGの支線貨物用タンク式蒸気機関車 BR 89.6を紹介します。

 ドイツ国鉄BR 89.6は、バイエルン王国邦有鉄道が開発した小型入換用のC軸タンク機関車、D II IIです。

<BR 89.6 主要諸元>

 型式:C2n、バッファ間距離:9.408m、運転重量:44.8t、軸重:15.1t、軸配置:C、動輪径:1,216mm、飽和式二気筒、出力:315kW、ボイラー圧力:12bar、最高速度:45km/h

 1898年から1904年までの間、クラウス、マッファイ社で73輌が製造されました。 

 BR 89.6はバイエルン王国邦有鉄道 K. Bay. Sts. B. が、入換用に開発した軸配置C、飽和式の小型タンク式蒸気機関車D II IIです。

 同鉄道ではもともとD IIという機関車が使われてきましたが、1894年に引退したため、同じD IIという型式になりました。

 ただし区分するためにD II IIとなったようです。

 なお、D II IIは1906年以降、ほぼ同一のR 3/3として生産が継続され、18輌が作られました。

 更に1920年のドイツ国鉄DRG発足後にも、90輌もが追加生産されています。

 D II IIは、第一次世界大戦の敗戦により、73輌中3輌がポーランド国鉄へ行きました。

 残りの70輌はDRGへ継承され、BR 89 601-670となりました。

 R 3/3は1輌がPKPへ行き、残りの17輌はBR 89 701-717になりました。

 S 3/6もそうですが、DRG時代になっても、バイエルンでは独自の車両を導入する傾向があり、上記のようにR 3/3は引き続き、90輌が製造され、BR 89 801-890になっています。

 第二次世界大戦後、D II IIは多数がDBへ継承され、1960年まで使用されていました。

 またR 3/3は、3輌がオーストリア連邦鉄道ÖBBへ、86輌がDBに継承されました。

 DB最後の1台は1964年に引退したようです。

 現在、ÖBBへ行った1輌(89 837)がドイツに戻って保存されている他、89 801がDB Museumに保存されていましたが、2005年に発生したDB Museumの大火に巻き込まれてしまいました。

 本機はどうなるか危ぶまれましたが、幸いなことに2008年に復旧され、現在はDeutsche Reichsbahn Gruppe Bayern時代の車番 4701を付した緑塗装で保存されています。

 以上、Wikipedia 独語版 Bayerische D II (2. Besetzung) 及び Bayerische R 3/3 より引用、参照しました。

 それで模型の方ですが、BR 89.6のHOの量産製品は、こちらで紹介する1984年初回発売のRivaroissiしかありません。

 ご覧の通り、いかにも1980年代の同社製品と言った感じです。 

 この当時としては優れたディテールと思います。

 動輪が金属製なのは1980年代ではまだ少なかったと思います。

 ハンドレールが金属なのも、プラ製に比べ、アドバンテージですね。 

 他方、ロッドがメッキで平板状なのはいまいちかもしれませんが、まだまだ当時、プラ製のロッドが数多いものでした。 

 当時のRivarossiの特徴であるスタンションを別部品としたハンドレールは、スタンションがオーバースケールながら質感は優れていますね。

 弁装置は今のレベルから相当落ちますが、金属製のバッファは素晴らしいです。 

 水槽の目盛も表記されています。

 Rivarossi得意の大型モーターです。

 今ならずっと小型化出来そうですね。

 銀車輪を黒染めしてあげれば良くなりそう。

 キャブ上の汽笛もいいですね!

 窓ガラスははめ込み、ライトレンズも入っています。

 バッファはほんといい感じ。

 こちらはDRG時代なんですが、ライトは3灯だったのでしょうか?

 前照灯は2灯ですけど。

 走りの方も同社標準的なものです。

 さて、RivarossiのBR 89.6の最大の欠点は、1980年代の同社製品特有のものです。

 そうなんです。こちらは明らかなオーバースケールなんですよ。

 今回実測の結果はバッファ間で112.5mmでした。実物の寸法からすると、1/83.6なんです。

 なのでHOと比べると、相当大きく見えてしまいます。

 特に同じBR 89に属するプロイセンT3と比べると相当違います。

 でも、BR 89.6とBR 89.75では、全長が9.408m/8.3ないし8.6mで、BR 89.6の方が約1mも大きいんですよ。

 そのせいか、本製品はあまり再生産も行われていないようですね。

 まあ、スケールには疑問も残りますが、まず入手できない製品ですので、良かったと思います。

2024/5/16 記

 

 

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