ドイツ国鉄 DRG 貨物用テンダー式蒸気機関車 BR 53 7752号機 (Fleischmann 4124)

 今回は、ドイツ国鉄DRGの貨物用機関車BR 53.77 を紹介します。

 DRG BR 53.77は、元プロイセン王国邦有鉄道 K.P.St.E の貨物用機関車 G 4.3です。

<DRG BR 53.77 主要諸元>

 型式:C n2v、全長:15.362m、運転重量:46.7t、軸重:16t、動輪径:1.35m、飽和式二気筒、出力:495kW、ボイラー圧:12bar、最高速度:60km/h

 プロイセン王国邦有鉄道G 4.3は、1882年から1903年にかけて780輌が生産された軸配置Cの貨物用機関車G 4.2型の改良型として、1903年から1907年まで、63輌が製造されました。

 G 4.2とは類似した構造ですが、ボイラーが異なっている他、弁装置がアラン式からホイジンガー式(ワルシャート式)に変更になりました。

 これにより、最高速度が55→60km/hの増加するとともに、軸重が14.8→15.6tへ増加しています。

 G 4.3は、当初の予定通りの性能だったようですが、この時代、鉄道の進化は急であり、本機の性能以上に貨物列車が長大化したため、登場時には既に性能が陳腐化していました。

 結果として、それまでに生産された同じ形式のG 3 (2,068輌)やG 4.1 (780輌)と比較すると、少ない数しか作られませんでした。

 これらプロイセン由来のC型機は、主に東部ドイツ(とは言っても現在の東ドイツではなく、当時の東西プロイセンやポンメルン)の支線区で混合列車を牽いていたようです。

 1920年のDRG発足時には、当初37輌が継承される予定でしたが、最終的には27輌だけになりました。BR 53 301-328。

 やはり性能的に不十分だったためか、これらは全て1928年までに廃車されています。

 第一次世界大戦の敗戦の結果、G 4.3の11輌がポーランド国鉄PKPに戦時賠償として渡り、Th 4となりました。

 Th 4 1-10及びTh 4 Dz (Dzは第一次世界大戦の結果、自由都市となったDanzigより)

 Th 4は6輌が1936年までに廃車され、残りの5輌のうち、4輌はダンチヒへ移り、Th 4-2Dz~5Dzとなりました。

 

 1939年9月、第二次世界大戦のナチスドイツのポーランド侵攻により、これらの4輌がドイツへ渡りました。

 DRGはうち3輌に53 7751-7753を付番しました。

 3輌は全て第二次世界大戦を生き抜き、1951年までにDBで廃車されています。

 こちらもポーランドに渡ってからドイツへ戻った4輌のうちの一両になるわけですね。

 廃車の時期が早かったためか、BR 53.77は保存されておりません。

 以上、Wikipedia独語版 Preussische G 4.3 、及び STANDARD-GAUGE LOCOMOTIVE IN POLAND Th4 の記述より引用、参照いたしました。

 それでBR 53.77のHO量産製品ですが、流石に古典機なので、こちらで紹介するFleischmannの1981年初回発売製品だけのようです。

 Fleischmannの製品は、初心者向けの製品であり、ロッド周りが簡略化されるなど簡易構造になっています。

 同業他社の入門者向け製品がタンク機がほとんどの中、テンダ式の入門用機関車は珍しいですね。 

 そんな中、1982年初回発売の品番4124は、ロッド周りが細密化されたモデルです。

 ご覧のように初心者向けの製品と比べると、遥かに感じが良くなっています。

 とても今から40年以上前の製品とは思えないくらいよく出来ていますね。

 ボイラー手すりも別パーツになっています。

 また同社製品らしく、動輪やロッドが金属製になっているのがとても良いと思います。

 レタリングの水準はとても高いです。

 なお同社のBR 53は、初心者向けが320、ロッドが細密化された製品が7752として初回発売になっています。

 その後、番号は追加になっています。

 動力は同社伝統の円形モーターです。

 走りの方はスムーズですね。

 モーターの目隠しにキャブのカーテンが取り付けられています。

 元が入門者用なので、一体成型が目立ちますが、感じは決して悪くないと思います。

 こちらは中古入手です。

 あまり程度が良くなかったのですが、この車種(特に足回りが細密化された方)の中古はまず出ませんので。

 長年使用されていなかったようですので、埃を被っておりました。

 そこで、車体の洗浄に続き、各部の整備を実施しました。

  

 転落事故車だったらしくて、こちら側のテンダー前ステップ、屋根上の汽笛が欠品でした。

 仕方ないので、プラ板や真鍮線等で自作しました。

 まあまあには作れたと思います。

 程度はいまいちかもしれませんが、入手が難しい車種ですので、ラッキーでした。

2024/5/23 記

 

 

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