東ドイツ国鉄 DR タンク式蒸気機関車 BR 95 0014-1号機 (ROCO 71095)

 今回は、東ドイツ国鉄 DRの貨物用重タンク蒸気機関車 BR 95を紹介します。

 BR 95は、プロイセン王国邦有鉄道が開発に着手した貨物用のE軸タンク機関車です。

 単式のタンク式としては、ドイツで最も強力な蒸気機関車でした。

<BR 95 主要諸元>

 型式:1’E1’h2t、バッファ間距離:15.1m、運転重量:122.1t、軸重:19.1t、軸配置:1E1、動輪径:1,400mm、過熱式二気筒、出力:1,192kW、ボイラー圧力:14bar、最高速度:65km/h

 1922年から1924年までの間、ボルジッヒ社及びハノマク社で、45輌が製造されました。

 BR 95は、もともとプロイセン王国邦有鉄道 K. P. St. E. が、それまでラック式蒸気機関車で運用されていたハルバーシュタット・ブランケンブルク鉄道が、いわゆる動物クラスと呼ばれる軸配置1E1の粘着式蒸気機関車に変更し、成功を収めたことに影響されて開発した大型の貨物用タンク式機関車です。

 BR 95はDRGが調達したもっとも強力なタンク式蒸気機関車でした。

 平地では2,060tを50km/hで、また25‰では430tを25㎞/hで牽引できました。

 この性能はドイツ最大のマレー式タンク機関車バイエルンGt 2×4/4 (後のBR 96)にやや劣るものでしたが、BR 95は重量が30tも軽く、また複雑な走り装置を持つGt 2×4/4に比べると整備性が向上し、維持費が安くなりました。

 よって、BR 95の方が幅広く使われたようです。

 BR 95は、95.3t という非常に高い粘着重量により、70‰勾配までラックレールなしで走行できるようになりました。

 また、リンゲンバッハ式逆圧ブレーキは、たとえ長い下り坂であっても、ブレーキパッドと車輪タイヤの摩耗や過熱、それに伴うブレーキ効果の低下のリスクを発生させることなく、確実にブレーキをかけることができました。

 1923年から納入されたこのシリーズの最初の10輌は、T 20 Magdeburg 9201-9210として発注されましたが、DRGでは当初、BR 77が予定されておりましたので、77 001-010が附番されました。

 実際に77のプレートを付けた写真も存在します。

 しかしながら、同年中にBR 95へ変更されることになりました。

 1924年までに45輌が完成したBR 95は、当初の予定通り、その特性を活かして勾配線区へ配属されました。

 そんなこともあり、「山の女王」とあだ名されたそうです。

 BR 95はその完成時期より、第一次世界大戦の敗戦に伴う戦時賠償により、他国へ渡った機種はありませんでした。

 また、第二次世界大戦による戦災廃車は発生せず、45輌全部が生き残ることが出来ました。

 戦後、14輌がドイツ連邦鉄道DBへ、31輌が東ドイツ国鉄DRへ継承されています。

 DBでは、勾配線区として有名なシュペッサルトランプの補機として使われましたが、同線が電化されたこと、また、一形式20両以下のいわゆる「破片クラス」だったため、それほど長くは使われず、1958年までに全車が退役しています。

 反面、東ドイツ国鉄 DRでは、DBに比べ、ずっと長く使われました。

 DRにおいて、31輌中、24輌は重油炊きに改造され、さらにうち10輌は新式のボイラーへ更新されています。

 1970年のコンピューターナンバー化以降、重油炊き機はBR 95.00、石炭炊き機はBR  95.10に改番されています。

 BR 95は、1981年に引退しましたが、95 1027はDRの保存機としてその後も活躍しました。

 現在、95 009、016、020(なぜか番号は007)、027(上記の唯一の動態機)、028が保存されています。

 なお、これらは全て旧DRの機関車であり、廃車の早かったDB機は残っていないようです。

 以上、Wikipedia 独語版 DR-Baureihe 95 より引用、参照しました。

 それで模型の方ですが、Modellbau-Wiki DR-Baureihe 95 によりますと、HOのBR 95の量産製品ですが、45輌しか生産されなかった機種の割には、多数製品化されています。

 古い順に1981年初回発売のLiliput、1985年のPiko、2009年?のFleischmann、2016年のMärklin/Trix、そしてこちらで紹介する2021年のROCOとなります。

 ROCO製品は一番新しいだけによく出来ていますが、もしかしたらFleischmann製品かもしれません。

 直線がカチッと出ている点は、FLM製品のように感じます。

 金属動輪もシャープですし、ロッド周りの色も現代のものですね。

 残念ながらキャブの手すりが片方欠品です。

 この手すりが別パーツというのはFLMには見られないですね。

 キャブ上のパーツの薄いこと。

 こちらはキャブ上の汽笛とアンテナが欠品でした。

 写真には曲がった状態で取り付けられていたんですが。

 中古店がなくしてしまったんですね。

 まあ、単純な形状なので、自作しようと思います。

 コンピューターナンバー化後です。

 ひさしも薄いです。

 こちらは車番の通り、重油炊きです。

 現代の製品なので、走りの方はスムーズですし、灯火類もLEDです。

 上記のように、こちらも中古入手ですが、2010年以降に新規開発されたROCO製品の中古は、殆ど市場に出回ることはなく、またBR 95の中古車もあまり見かけることはないので、入手できてラッキーでした。

2024/5/17 記 

 


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