レーティッシュ鉄道 RhB 電気機関車 Ge 2/4 222号機 (Bemo 7256/100)
今回はスイスの地方鉄道レーティッシュ鉄道RhBのGe 2/4形 電気機関車を紹介します。
RhB Ge 2/4は、レーティッシュ鉄道の本線系統で使用される山岳用電気機関車です。
<RhB Ge 2/4 222 主要諸元(改造後)>
軌間:1,000mm、電化方式:AC 11kV 16.7Hz、架空線式、軸配置:1'B1'、全長:8.7m、自重:34.8t、動輪径:1.070mm、定格出力:450kW、タップ切換制御、最高速度:55km/h
レーティッシュ鉄道の本線系統は1913年に最初から電化で完成したエンガディン線を皮切りに、1929年までに全線が交流11kV 16 2/3Hzで電化されました。
この電化に伴い、採用された機関車が軸配置1’D1’のGe 4/6 と、こちらで紹介する軸配置1’B1’のGe 2/4 です。
Ge 4/6は8輌が、Ge 2/4は7輌が製造されました。
Ge 2/4は主電動機1台でロッド式の2軸駆動機であり、1912年に2輌 201-202、1913年に5輌 203-207の合計7両が製造されました。
製造メーカーは、車体、機械装置、走行装置がSLM、電気部品がBBCです。
Ge 2/4の性能は、外見と同様、Ge 4/6の約半分であり、1時間定格出力220kW、牽引力26kNを発揮し、25パーミルで90tを28km/hで牽引することが出来ました。
また構成部品も同一のため、共用できたそうです。
運用の結果、本機は非力であり、決して満足する性能ではありませんでしたし、故障も頻発しました。
そんなことからも、本機は7輌のみで追加生産されることはありませんでした。
上記のようにGe 2/4は、本線での使用には問題がありましたので、その時点で使用されていた蒸気機関車に代り入換用に使われましたが、おそらく低速トルクが十分ではなかったことからこの任務にも適していませんでしたし、電力消費も多かったようです。
こちらは、車体が全く別な形になり、新型電動機への更新を行うなど、原形の面影は全くありません。Ge 2/4 212および213
なお、3輌のうち1輌は直流電化されていたアローザ線用に蓄電池も搭載しました。Gea 2/4 211
こちらは1968年に蓄電池に代り、ディーゼルエンジンが搭載されたハイブリッド機関車になりました。Gem 2/4 211
さて、残りの4両のうち2輌は、1945年と1946年に近代化改装が実施されました。
外見的には、パンタが1基となり、またその跡地に発電ブレーキ用の抵抗器を設置した他、明り取り窓がルーバーに変更されたくらいであり、入換機のような大きな変化はありませんが、電装関係が完全に一新されています。
特に問題が多かった電動機は、当時のSBBの新型機Re 4/4 I 形の10001-10026号機と同一のものに更新され、1時間定格が221kWから450kWに大幅に強化されました。
性能は向上しましたが、機器類の軽量化に伴い、2.2tのバラストを搭載しています。
それでも重量は36.7t→34.8tに軽減され、最高速度は55km/hへ向上しています。
これら改造により、203→221、204→222号機へそれぞれ改番されています。
Ge 2/4はGe 4/6 と共にレーティッシュ鉄道のAC11kV区間で使用されました。
主に区間列車用としてエンガディン線で使用されたようです。
Ge 2/4は7機中、5機が大改造されましたので、ほぼ原型で残ったのは205、207の2輌だけでした。
この2輌のうち、205は1920年の入換事故の復旧時に両前面が貫通式に改造されています。
205、207は1974年に廃車となりましたが、両方とも保存されています。
一方、入換機に大改造された3機も長らく活躍しましたが、1992年、2001年、2006年に廃車になっています。
また更新車である221、222号機は、引き続きアルブラ線やエンガディン線で区間旅客列車の牽引や入換用として使用されていたいましたが、1984年以降は221号機がサメダン機関区の、222号機がラントクアルト機関区のそれぞれ予備機となりました。
221号機は1993年にトランスミッションの故障で休車、1998年に廃車となりましたが、こちらの222号機は221号機のモーターを乗せ換えることにより、現在でも動態保存機として特別列車用を牽いているそうです。
以上、Wikipedia 日本語版 レーティッシュ鉄道Ge2/4形電気機関車、及び独語版 RhB Ge 2/4より引用、参照しました。
なおこの両者で記載内容が異なる場合がありますが、一部を除き、日本語版に従いました。
それで模型の方ですが、HOmの量産品はBemoだけです。
ブラスでは、Flugulexと超高級品のFerro-Suisseからも出ていました。
あとはLGBのIImもありましたね。
Modellbau-wikiによると、Bemoの製品は2010年頃の発売とありますが、これは明らかな間違いと思います。
当方の記憶では、1990年代には既に存在したように記憶しています。
いつも通り、大変繊細な出来です。
ただし、Bemoのロッドはプラなんです。
コストアップになってしまうと思いますが、ここは金属製にして欲しいところです。
部品を取り付けていないので、少々殺風景かもしれませんが、繊細さはわかると思います。
メーカーズプレートもいつもながらとても美しいです。
反面、Rh.B.と222の文字は、実車が切り抜き文字だそうですので、もう少し立体感があると良いと思います。
とは言うものの、バリエーションモデルを出す以上、そうは行かないのでしょうね。
ライトも繊細ですが、レンズのバリは気になるところです。
大型のスノープラウが目立ちます。
Bemo製品はスノープラウが欠品しやすいので、中古をお求めの際には十分注意下さい。
上記の通り、222号機は全面更新車ですが、2基あったパンタグラフを1基とし、その跡地に発電ブレーキ用の抵抗器を設置しています。
プラ製の部品ですが、ちゃんと穴が抜けているのが良いですね。
走りの方は同社標準であり、静かではないですが、よく走ると思います。
なお、BemoはABSだと思いますが、経年による結晶化が著しく、こちらも屋上碍子が折れていました。
繊細なのは良いですが、ガラスのように脆くなってしまうのは本当に困りますね。
品番からもわかりますように、こちらは単品ではなく、客貨車とレールが含まれているスタートセットです。
いつも通り、中古品を入手しましたが、相当安価で助かりました。
この機種も時々中古を見かけますが、概して程度が悪いものが多く、今回、碍子の破損はあったものの、程度が良くてラッキーでした。
2024/4/18 記
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