レーティッシュ鉄道 RhB 汎用電気機関車 Ge4/4I 607号機 Surselva (Bemo 1250/7)
今回はスイスの地方鉄道レーティッシュ鉄道 RhBのGe 4/4 I 電気機関車を紹介します。
RhB Ge 4/4 Iは、レーティッシュ鉄道の本線系統で使用される山岳用電気機関車であり、同鉄道ではロッド式ドライブを持たない初の近代的形式でした。
<RhB Ge 4/4 I主要諸元>
軌間:1,000mm、電化方式:AC 11kV 16.7Hz、架空線式、軸配置:Bo-Bo、全長12.1 mm、自重:47t、動輪径:1.070mm、定格出力:1,148kW、高圧タップ切換制御、最高速度:75km/h
Ge 4/4 I は、1944年にSLMへ4両が発注され、初号機は1947年に導入されました。
車番:601-604
主に急行列車の運用に使用されましたが、運用の結果は大変良好であり、1953年に6両が追加されました。車番:605-610
丸い車体など、製造時期が近いSBBのRe 4/4 Iや、BLSのAe 4/4、Re 4/4に感じが似ていますね。
35パーミルの勾配で185tを、45パーミルで185tを牽引できます。
10輌全部に機体名がついています。
こちらで紹介する607号機の機体名はSurselva(スイス グラウビュンデン州にあるフォルダーラインの渓谷の名前)です。
ただし後のGe 4/4 II等とは異なり、この仕様にはクレストはついていません。
なお、Ge 4/4 I は1986年から1991年にかけて、10輌全部が全面更新工事を受けました。
これにより、特に運転台が大型化され、さらに非貫通の二枚窓に変更されました。
また、推進運転可能となりました。
外見はまるで別機のようですが、性能はそれほど変わっていません。
後継機であるGe 4/4 IIやGe 6/6 IIの増備により、本機は軽量推進運転客車の運用が主となりました。
しかし、氷河急行や貨物列車も牽いています。
2010年、車歴が50年を超える本機の引退が始まりました。
そして2023年に最後の3両が用途廃止になりました。
以上、Wikipedia日本語版 レーティッシュ鉄道Ge4/4 I形電気機関車及び、独語版 RhB Ge 4/4 Iより、引用、参照しました。
さて、模型の方ですが、やはり少数派のHOmでは、プラ製の量産製品はこちらのBemo製品しかありません。
発売時期はやはり1980年代末と思います。
こちらの原型仕様は601-610まで全て発売されております。
また現在も生産されているようです。
他の製品と同様、現在発売されているものはマシマの缶モーター仕様になっていると思われます。
私が入手したのは、いつも通り中古品で、オレンジ箱、旧品番の最も古い製品の一つと思います。
以前の記事にも記した通り、残念ながら相当程度が悪かったです。
まず購入時、全く走りませんでした。
結局車体を外す事になりましたが、初期のBemo製品の常で大変分解しにくかったです。
更に付言すると、全面窓ガラスの干渉か、下部車体を戻すのが至難の業でした。
走らなかった原因ですが、なんと切り替えSWが架線集電になっておりました。
これを切り替えたら走りました。
その他についても、ご覧のように欠品や破損部品が多く、程度が悪かったです。
足回りは毛ぼこりだらけで、ゴムタイヤも欠品でしたが、手持ちのROCOのゴムタイヤは幅が広くて使えません。
仕方ないので、幅を狭めましたが、ゴムをきれいに切れるはずもなく、走行時少し揺れてしまいます。
一番まいったのは、ともかく瞬接を多用していますが、つけ過ぎで、はみ出しが著しかったこと。
整備の途中で、何度もやめて放り出そうと思ったくらいです。
何度も書いていますが、模型鉄道には瞬接の使用は禁物であり、小物の部品にはゴム系接着剤Gクリアを使うのが王道です。
瞬接はどうしても使う必要がある場所だけに留めるべきですね。
両サイドともに、発泡スチロールの害を受け、塗装がやられています。
古いモデルですが、台車などとても精密ですね。
側面の名板もすごい出来です。
レタリングもシャープで美しいです。
まいったのは、一位側前面のジャンパ線の取り付けに、これでもかという感じで瞬接がてんこ盛りになっていたこと。
仕方なく削りました。
変ですが、瞬接ベロベロよりは良くなったように思います。
パネル部分だけ再塗装しようと思いましたが、色が合わないとみっともないので、やめました。
瞬接汚れや、ジャンパの破損も目立ちます。
破損した部品を撤去して、新品をつけ直したいところですが、Bemoの部品の入手は難しいですね。
反面、汽笛のディテールはすごいですね。
スイス電機の特徴である折りたたみ式のサイドミラーは、別部品ではなく、モールドで表現されています。
でも、欠品になっていることが多いので、私はこの方が良いと思います。
紛失しやすいスノープラウは片側が接着されていたので、両方ともありました。
二位側には、目立つ傷がありましたけど。
ということで、何とも程度の悪い中古でしたが、どういうわけか、Ge 4/4 I原型車の中古は、程度の悪いものが多い気がします。
程度の良いものは、ここ数年見たことがありません。
この姿は1991年以前ということになると思いますが、引き続き、中古品を探してみます。
2024/3/28 記
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