レーティッシュ鉄道 RhB 汎用電気機関車 Ge 6/6 II 703号機 St. molitz (Bemo 1054/3)
今回はスイスの地方鉄道レーティッシュ鉄道 RhBのGe 6/6 II 電気機関車を紹介します。
RhB Ge 6/6 IIは、レーティッシュ鉄道の本線系統で使用される山岳用電気機関車であり、軸配置B-B-Bの強力な機関車です。
<RhB Ge 6/6 II主要諸元>
軌間:1,000mm、電化方式:AC 11kV 16.7Hz、架空線式、全長14.5mm、自重:65.0t、動輪径:1,070mm、低圧タップ切換制御、定格出力:1,500kW、牽引力:135kN、最高速度:80km/h
1958年に試作車2輌、1965年に量産車5輌が製造されました。
Ge 6/6 IIは、1950年代のレーティッシュ鉄道本線系統の輸送力アップに対応するために製造されました。
要求された性能は、最大勾配35パーミルで、旅客列車12-3輌、ないし265tの貨物列車を、45パーミルで190tを牽引できるものでした。
この要件を受け、完成した機体は、サイリスタ位相制御で1時間定格出力1,700kW、牽引力116.5kNを発揮しました。
Ge 6/6 IIは、1958年に701-702の2輌が試作され、そして1965年に量産型703-707までの5輌が追加されました。
本機はそれまでの主力機であるGe 4/4 Iを連接構造にしたような軸配置B-B-B機であり、車体、機械部品、台車をSLMで、電気部品、電動機をBBC及びMFCが製造しています。
本機は連接構造機ですが、同じ二車体連接機でもFSのE 636、E 646、E 656とは異なり、車体は旋回方向には可動せず、急勾配対策として、上下方向に可動する構造となっています。
BemoのGe 6/6 IIもそのような構造になっているのが面白いですね。
RhB機の常で、7機全部に機体名とクレストがついています。
こちらで紹介する703号機の機体名はスイスの高級リゾートとして有名なSt. Moritz、クレストは旗を持つ騎士となっています。
Ge 6/6 IIの広告機は、702号機 "60 Jahre - 6 millionen km" だけのようです。
以上、Wikipedia日本語版 レーティッシュ鉄道Ge6/6 II形電気機関車より、引用、参照しました。
なお、同独語版によりますと、Ge 6/6 IIは、誕生から63年が経過した2021年11月1日、残存していた最後の3輌が引退し、用途廃止になりました。
当初、RhBは704を保存機として残す予定でしたが、状態が悪いため、代わりに707が保存されることになったようです。
それで模型の方ですが、調べた限りではHOmのGe 6/6 IIはBemoだけのようです。
IImではLGBが発売していますね。
BemoのGe 6/6 IIも、恐らく1980年代の終わりか、90年代の初めに発売されたものと思われます。
息の長い同社製品らしく、こちらも改良された形で、現在でも生産されています。
こちらの703号機は、量産型の原形バージョンですが、これ以外にも、Bemoの常で前面に貫通路のある試作車、パンタがシングルアーム化された更新車など、種々のバージョンが発売されています。
701-707の全てが発売されていますね。
いかにもBemoらしい製品ですね。
感じもいいし、細部もよくできています。
Bemoはご多分に漏れず塗装が弱く、発泡スチロールで侵されることがよくあります。
古い製品や中古品を購入される際には十分注意ください。
すぐにIMONの車両箱に取り換えてしまうことをお勧めいたします。
Ge 6/6 IIでの注意点は、同社製品によくあることですが、スノープラウの欠品です。
外れやすいためか、某オクへ出ているものは半数以上が欠品しているように見えます。
こちらもご多分に漏れず欠品しておりました。
Bemoの部品は簡単には入手できないため、いずれ自作しようと思っていますが、なかなか進みません。
なお、スノープラウが欠品しているRhBやFOの車両を「夏姿」と称して売っている日本の中古屋さんがありますが、写真で見る限りでは、これらの車両は通年でスノープラウを装備しており、取り外すことはないようです。
Bemoのプラスティックは経年による結晶化が進みやすく、特に碍子の茶と車体各部の灰色が石のようにカチカチになってしまい、ちょっと触っただけで折れてしまいます。
Bemoの箱は高級製品とは思えないプアーなもので、車体を箱から取り出す際に、指がかかってしまい、屋上配線や碍子を壊してしまうことがあるようで、当方も某オクで買ったGe 6/6 Iの碍子が全部折れていたことがありました。
模型鉄道は箱からつまんで出すのではなく、手を下にして箱を逆さにして受けるように出した方が安心です。
重い車両は落とす可能性があるので、私は座布団の上に出すようにしています。
ということで、Bemoは大変繊細な模型ではありますが、鉄道模型としては優等生とは言えないと思います。
BemoのGe 6/6 IIの動力は一風変わっていて、2個モーターで各々の台車を駆動します。
本来であれば、車体中央部にモーターを配置し、両側の台車を駆動すれば良いと思うのですが、関節構造を採用したのでこんな構造になってしまったのでしょう。
以前の記事の通り、Bemoのキャラメルモーターを採用している製品の走りは概して良いと思いますが、本形式は2個のモーターの同期が取れないことが多いため、特に始動時や低速時のスムーズさに欠ける気がします。
最近発売されている製品は、モーターがマシマの缶モーターに更新されていると思いますが、マシマのモーターの方が大きいので、確実なところはわかりません。
本機は製品化時期が古いことから、以前は割と中古市場で見かけました。
ただし、古いものが多いので、マブチモーター仕様と思います。
上記のように求められる際には、スノープラウの欠品、屋上機器の破損欠品、車体の発泡スチロールによる塗装被害を確認することをお勧めいたします。
こちらは最近、偶然入手しました。
品番 1054/3からもわかりますように、軌間9mm仕様です。
まとめて譲っていただいたうちの1両でした。
残念ながら、スノープラウの欠品、各部の欠品、部品の破損、瞬接汚れなど、状態はよくありません。
うちのBemoは総じて程度が悪いものばかりです。
新品には簡単に手を出せないし、私が入手できるような中古では、程度が良いものは望むべくもないのかもしれません。
というわけでこちらの程度は良くないですが、その分安価でした。
ただし、12mmに改軌したり、破損部分を修理したり、動力の整備等で、戦力化には時間がかかりました。
本機のスノープラウは大きいので、欠品だとすごく目立ちます。
手に入る日本型のスノープラウとは大分形状が異なるので、転用はできませんね。
状態は悪いですが、1980年代後半の製品とは思えないくらいよく出来ていますね。
反面、テールライトが塗装なのは意外な気もします。
上記の通り、動力を整備しましたが、電気を食いますし、あまりスムーズではないですね。
とは言うものの、通常運転速度ではいい感じで走ります。
足回りが締まらないので、なんとかスノープラウを作りたいですね。
これだけで相当感じが変わるように思います。
RhB Ge 6/6 IIは、古い電機ですが、近年まで使用されておりましたので、旅客/貨物のいずれにも使える便利な形式ですね。
程度の良いものを入手したいところですが、かなり難しそうです。
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