レーティッシュ鉄道 RhB 汎用電気機関車 Ge 6/6 I Krokodil 413号機 (Bemo 1055改)その2
今回はスイスの地方鉄道レーティッシュ鉄道RhBで、最も有名と言っても良い Ge 6/6 I "レーティッシュ・クロコダイル" 電気機関車を紹介します。
RhB Ge 6/6 Iは、レーティッシュ鉄道の本線系統で使用される山岳用電気機関車であり、長きにわたり同鉄道の主力機として活躍しました。
<RhB Ge 6/6 I主要諸元>
軌間:1,000mm、電化方式:AC 11kV 16.7Hz、架空線式、軸配置:Co-Co、全長13.3 mm、自重:65.9t、軸重:11t、動輪径:1.070mm、定格出力:794kW、高圧タップ切換制御、最高速度:55km/h
Ge 6/6 I は、1919年に電化されたアルブラ線、またランクヴァルト-ダボス間の輸送力増強のため、それまで使われていた箱型ロッド式のGe 2/4やGe 4/6よりも強力な機関車として、1921年に401-406の6輌が製造されました。
本機は好成績を収め、1922年に4輌 407-410、1925年に2輌 411-412、そして1929年に3輌 413-415が追加製造され、合計15両になりました。
製造メーカーは、スイス ロコモティブ アンド マシン ワークス(SLM)、ブラウン ボヴェリ & シー(BBC)、およびマシーネンファブリック エリコン(MFO)の三社です。
Ge 6/6はそれまでレーティッシュ鉄道本線系で使用されていた蒸気機関車を置き換え、氷河急行をはじめ、重量級列車の牽引に充当されました。
急曲線に対応すべく、当時のSBB Ce 6/8と同様、走り装置が固定されたボンネット部が独立して、首を振る構造になっています。
このことから、同じ愛称であるクロコダイルをつけて、レーティッシュクロコダイルとあだ名されています。
Ge 6/6 Iは、30km/hで35パーミルの勾配で200tを、45パーミルで150tを牽引できます。
本機は私鉄機ですが、型式命名基準はSBBに準じており、密着運転狭軌用機関車を表す”G”、電動車を表す”e”に加え、動軸数/全軸数共に6ですのでGe 6/6となります。
なお、1958年に同じ6動軸で先従輪のないGe 6/6 IIが登場したことから、区別するために本機はGe 6/6 Iとなりました。
RhBの機関車の常で、本機も大変長く使用されましたが、Ge 6/6 II、Ge 4/4 IIなどの後継機種の登場で活躍の場が狭まっていきました。
そして運航開始から半世紀以上経過した1974年、401号が事故廃車となったのから始まり、1984-85年に9輌が廃車、1996年、2000年、2008年に各1輌が廃車となり、現在は動態保存機として、414、415の2輌が稼働しています。
これ以外にも4輌が各地で静態保存されています。
また、Ge 6/6は後の機種と異なり、機体名はつけられておりません。
他の機種では見られる広告機や特殊塗装機は2006年にアルペン・プルマン・クラッシックに合わせて、青に塗られた412号機だけと思われます。
なお、412号機は塗装変更から僅か2年後の2008年にギアボックスの損傷により廃車され、その年に解体されました。
以上、Wikipedia日本語版 レーティッシュ鉄道Ge6/6 I形電気機関車、独語版 RhB Ge 6/6 Iより、引用、参照しました。
それで模型の方ですが、HOmでは古くはFerro-Swissのブラス(Toby?)がありましたが、プラ製の量産品はBemoだけです。
この他のスケールも高級ブラス品がありますが、珍しいところでは、レーマンがIImでプラ製品を出していました。
私も大昔持っていましたが、持ちきれなくなり、手放してしまいました。
Bemo製品は恐らく1980年代半ばの製品です。
見ての通り、とても40年前の製品とは思えないくらい繊細な出来になっています。
実に細かいディテール、そしていつもながらの繊細すぎる名板類。
ここまでよく出来ていると、ロッドがプラなのが目立ってしまいます。
ほんと細かいです。
いつもながら汽笛が細かいです。
紛失しやすいのでご注意下さい。
ボンネットの手すりは一部未取り付けです。
Bemo製品は後付部品が非常に多く、また予備がないので、取り付けるのに躊躇します。
台車のバネも未取り付けですが、残念ながら1個欠品でした。
Ge 6/6 I は左右の側面が非対称のスタイルですね。
屋上の碍子や配線も細かいです。
以前も書きましたように、Bemoのプラスティック、なかんずく碍子は経年劣化しやすく、ちょっと力を入れるとすぐに折れてしまいます。
実際、某オクで随分前に入手したクロコダイルは、屋上の碍子が全部折れていました。
出品写真では傷んでいなかったので、出品者が箱詰め時に壊したに違いありません。
腹が立ったので、すぐに手放してしまいました。
実はこのGe 6/6 Iは2両目なんです。
数年前に、中古をまとめて安く譲り受けました。
その分、程度は悪かったです。
中でもGe 6/6 Iが一番程度が良かったと思いますが、残念ながら、それでも難あり品です。
こちらの難点は、一位側の運転室屋根が前から見ると変形していることです。
これにはがっかりしました。
それで、元々持っていたGe 6/6ですが、同じ初期製品である軌間9mm仕様の品番1055 413号機で、確か1980年台の半ばに、川崎の共立工芸で買いました。
もう40年くらい前ですが、特価でも3万円もしました。
こちらは発泡スチロールやCRCで塗装がぼろぼろになってしまいました。
こちらと屋根を交換したいところですが、Bemoの材質は経年結晶化が激しいので、割れてしまいそうなので思い切れません。
面白いことに私が手に入れたのは、両方とも9mm仕様の品番1055でした。
両方とも12mmへ改軌しました。
Bemoのクロコダイルは初回発売から約40年が経過した現在でも作られていますが、こちらは恐らく初回製品だと思います。
非力で性能の低いマブチのキャラメルモーターを採用していますが、騒音こそ高いものの、スムーズな走りをするのはさすがBemoですね。
Bemoのクロコダイルは、尾灯はなく、前進時のみ前照灯が点灯します。ここに40年くらい前のドイツ系製品でよく使われた円盤状のダイオードを使用していますが、これすぐに接触不良になるんですよ。
LED化改造したい気もしますが、上記の通り、プラが劣化していることが多いので、分解したくないですね。
と言うことで、最初期の413号機を2輌持っていますが、マシマのモーターに変更された最近の製品も是非欲しいと思っています。
とは言うものの、なかなかチャンスがありません。
あとKATOにNmを期待したいですが、軌間ノンスケールでは難しいでしょうね。
2024/3/29 記
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