レーティッシュ鉄道 RhB 電気機関車 Ge 4/4III 649号機 Lavin "BCU" (Bemo 1259 139)

 今回はスイスの地方鉄道レーティッシュ鉄道 RhBのGe 4/4 III 電気機関車を紹介します。 

 RhB Ge 4/4 IIIは、レーティッシュ鉄道の本線系統で使用される山岳用電気機関車です。 

<RhB Ge 4/4 III主要諸元>

 軌間:1,000mm、電化方式:AC 11kV 16.7Hz、架空線式、全長:16,000mm、自重:60.9t、動輪径:1,070mm、VVVFインバータ制御、定格出力:3,200kW、牽引力:200kN、最高速度:100km/h 

 1993年から1999年にかけて、SLM/ABB (現Adtranz) で12輌が製造されました。 

 レーティッシュ鉄道はスイス東部のグラウビュンデン州を中心に約400kmの路線網を持つスイス最大級の私鉄です。

 主要軌間は1000mmを採用し、スイスの例に漏れず幹線は全線電化されています。

 RhBは地域の多種の鉄道を吸収合併したこともあり、電化方式が複数存在します。

 日本でも有名な氷河急行が走る本線系は交流11kV 16.7Hzですが、KATOの模型で一躍有名になったベルニナ線はもともとベルニナ鉄道と言う別会社だったこともあり、直流1000Vになっています。

 よってベルニナ線の車両は本線系とは別のものが使われてきましたが、アレグラで有名な複電圧に対応できるAbe 8/12の登場により、共通運用できるようになりました。 

 それはともかく、Ge 4/4 IIIは、最大45パーミルの勾配と曲線が連続する本線系統での運行と、最高速度100 km/hでフェライナトンネルを通過するカートレイン双方に使用できる性能を求められました。

 その結果、定格出力2,500kW、さらには粘着力発揮及び曲線通過時のレール摩耗を防止するため、操舵台車を採用しています。

 この結果、Ge 4/4 IIIは、45パーミルで230 t、35パーミルで約310 t、45パーミルで210t、35パーミルで290 tの列車を、従来より速い55 - 65 km/hで牽引可能となっています。

 この数字はほぼ同じ軌間の日本と比べると劣りますが、急峻な勾配を有し、曲線が多い同線としては相当な高性能であることがわかります。

 現に一世代前の主力機Ge 4/4 IIの出力は、1,700kWになっています。 

 Ge 4/4 IIIは、1993-94に641-649までに9輌、そして1999年に3輌が追加されています。

 なお、1999年に製造された3輌は、運転台の機器配置等、一部が変更になっているそうです。 

 12機全部に機体名とクレストがついています。

 こちらで紹介する649号機の機体名はLavin(スイスグラウビュンデン州にかつて存在した村の名前)、クレストは雄山羊(同村のもの)となっています。

 また収益向上のため、全号機が広告機となっています。

 ただし、広告を掲載しない赤塗装も存在しますし、また期間には差異があり、長いものは641Coopのように20年以上同じスポンサーのものありますが、短いものは1年で変更されることもあります。

 こちらで紹介する649号機「Lavin」はBCU(Bündner Cement-Werke, Untervaz)というセメント会社の広告機で、掲載期間は1997-98の2年間となっています。  

 以上、Wikipedia日本語版 レーティッシュ鉄道Ge4/4 III形電気機関車より、引用、参照しました。

 Wiki日本語版の海外鉄道車両の紹介記事は少ないですが、ことスイス型に関しては、本家よりもずっと詳しい記述がされております。

 上記のように、ほんの一部のみ参照、引用いたしましたが、本文は非常に読みごたえがありますので興味のある方は、ぜひご一読をお勧めいたします。 

 それで模型の方ですが、Modellbau-wikiの本形式の記載は、残念ながら不十分であり、本製品についての記載はありませんでした。

 また、最初の製品である赤塗装の641号機 ”Maienfeld” 1259 101 についての記載もなく、製造初年は不明です。

 恐らく1990年代後半と思われますが、ご存じの方がいらっしゃいましたら、教えていただけますと幸甚です。

 なお、Ge 4/4 IIIの模型としては、LGBもあるのですが、こちらも記載はありませんでした。

 Modellbau-wikiの記載は、車種によって濃淡があり、客貨車や狭軌、ドイツ以外の国の機種はあまり充実していませんね。 

 それはともかく、こちらですが、Bemoらしい繊細な製品です。 

 当方のはいつもどおり、中古入手なので、何か汚れた感じがしますし、バックミラーや手すり、ジャンパ、運転台ステップなど欠品も多く、あまり状態はよくありません。 

 まあ、手すり等はいずれ自作しようと思っています。 

 Ge 4/4 IIIは広告機が前提なので、側面は平らです。

 それにしても、印刷はきれいです。 

 上半分はプラ、下側はダイカストです。

 昔、この構成はよく使われましたが、分割線が目立つこと、また材質の差があるので、最近はほとんど使われなくなりました。

 それまでのBemo製品は、とても分解しにくく、特に台車の枕バネをつけてしまうとほぼ分解できないのですが、その点、本品以降の製品はネジ4本で簡単に分解できるようになりました。

 その効果もあり、隙間はあまり目立たないです。 

 レタリング等もとてもきれいです。 

 前のオーナーにより運転手が載せられています。

 運転室の左上に本機のクレストがありますが、こちらもきれいですね。 

 しかし、このような印刷をどうやってるんでしょう。

 中間色や透けた感じなど、すごいと思います。 

 パンタシューが寝てしまいました。

 上述のように、下半分はダイカストです。

 製品によって、ダイカストの質が悪いのか、プライマーが悪いのか、塗料が悪いのかわかりませんが、ダイカスト部分の塗料がぼろぼろになってしまうのがあります。

 中古を求める際にはご注意くださいね。 

 運転手は効果的です。

 それにしても、日本とほぼ同じ1000mmゲージですが、車体は相当小ぶりですね。

 運転室も狭く感じます。 

 窓ガラスはきちんとハマっています。

 とは言うもののBemoの窓ガラスは接着してあるものが多く、経年で外れやすいのです。

 ときには欠品していることもありますので、これまた注意してください。 

 独特の形状ですね。

 スイスのVVVF機は、BT のRe 456やSBBの試作機 Re 4/4 IVなど角ばった機種がありますが、それらとは異なり、前面を絞った独特の形状です。 

 マシマの缶モーターを採用しておりますので、走りの方はスムーズです。

 こちらオリジナルは電球ですが、LEDに換装してありました。

 片側にはなかったので、当方で抵抗入りを入れました。

 期間の短かった広告機ですが、構わず色々なものを牽かせています。


2024/3/9 記 



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