ドイツ国鉄 DRG 入換用タンク式機関車 BR 80 008号機 (ROCO 43211)

 今回は、ドイツ国鉄DRGのC軸入換用タンク蒸気機関車 BR 80を紹介します。


 DRG BR 80は、ドイツ国鉄 DRGの制式蒸気機関車 (Einheits Dampflokomotive)であり、入換用に開発されたCタンク式の小型蒸気機関車です。

<BR 80 主要諸元>

 型式:Ch2t、バッファ間距離:9.67m、運転重量:54.4t、軸重:18.1t、軸配置:C、動輪径:1,100mm、過熱式二気筒、出力423kW、ボイラー圧力:14bar、最高速度:45km/h


 BR 80は、様々なメーカーで、1927年から1928年までの間、合計39輌が製造されました。 

 1920年、それまでの邦有鉄道を統一して、ドイツ国鉄DRGが発足しました。

 これに伴い、DRGは各邦有鉄道の大量の入換用機関車を保有することになりました。

 当時、邦有鉄道製の小型機関車や、重量化しつつあった貨物列車に対応するため、G 7やG 8のような本線機が入換用に使用されておりました。 

 しかしながら種類の多さは、保守や部品の供給などの面で大いに問題があり、とても経済的とは言えない状況にありました。

 そこで、BR 01等と同様、入換用の小型タンク機関車においても制式機関車が計画され、そのうちC軸機をBR 80、D軸機をBR 81として製造することになりました。 

 経済性を高めるため、機関車は過熱式とされ、また軽量化も図られています。

 結果として、1934年に製造された飽和式入換機BR 89.0と比較した結果、この決定は正しいことが確認できました。 

 BR 80は、平坦地で900tの列車を45km/hで、10‰勾配において175tを45km/hで、25‰勾配において140tを25km/hでけん引することができました。 

 BR 80は各社で合計39輌が製造され、ケルンとライプチヒの主要駅で入換に使用されました。

 制式機という性格からすると何とも少ない数ですが、ちょうど1930年の大恐慌の影響をもろに被った可能性もありますね。 

 第二次世界大戦敗戦後、21輌がDR、17輌がDBに継承されました。

 DRでは1981年まで、DBでは1965年まで使用されました。

 これらのうち9輌は専用線等に払い下げられましたが、これらも1977年までに引退しています。

 現在でも、静態、動態合計7両が保存されています。 

 以上、Wikipedia 独語版 DR Baureihe 80より引用、参照しました。 

 それで模型の方ですが、BR 80は扱いやすいのか、各社が製品化しています。

 Modellbau-Wikiによりますと、HOの量産品では古い順に、1949年初回発売のMärklin(TM 800)、1953年のFleischmann、1954年のPiko、TRIX、1962年のFleischmann、1980年のROCO、1988年のMärklin、2001年のTRIX (Märklin2代目と同じ)等があるようです。


 この中で私が見たことがあるのは、Fleischmann、ROCO、Märklinです。

 Fleischmannは古い製品でもあり、オーバースケールです。

 また、同社独自のラック式蒸気機関車のベースとなっておりました。

 Märklinは新しいだけあって繊細な出来で、近年、デジタルカプラーやデジタルフルサウンド装備の製品も発売されておりました。  

 ROCOは、1980年初回発売という古い製品ですが、欧州製品の例に漏れず、大変製品寿命が長くなっており、同記述によりますと、2021年のスタートセットに含まれているそうです。 

こちらで紹介するDRG 80 008は1996–1997の生産だそうです。

 基本的に古い製品と同じですが、塗装やレタリングは初期製品と比べると相当進化しています。 

 黒が塗装されたのが実感を増しています。

 ロッド周りもくすんだ色になりました。 

 ハンドル類は前オーナーの方が塗装したのだと思います。

 車輪の赤も初期の色に比べると赤っぽく、きれいになりました。 

 ライヒスアドラーです。

 鉤十字は再現できません。 

 バッファが金属なのは真円が出ますし、質感が全く違います。 

 側面のレタリングに5.2.41とありますので、独ソ開戦間際ですね。 

 モーターも初期製品とは変更されており、走りも良くなりました。 

 Einheitsキャブ。

 一体成型中心の構成ですが、感じは悪くないですね。

 なにせ古い模型なので、リベットが荒く、まるで戦車模型ですね。

 こちらオリジナルは点灯しないのですが、前オーナーの方がLED点灯するように改造してありました。

 後面はともかく、前面のライトをよく点灯にできたと思います。

 初回発売がもう44も前の製品ですので、今日の細密な模型とは一線を画す出来ですね。


2024/2/14 記
 

 

 

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