鉄道模型 悲報 メルクリン DB BR 41、トラブル原因がわかりました……(涙)

 昨年発生した、BR 41 (メルクリン 37929、mfx+ デジタルサウンド)の極めて重大なトラブルですが、原因がわかりました。(涙)

 色々な方にアドヴァイスをいただいた結果、いきなりデコーダーを変えるのは危険ということがわかりましたので、それぞれの要素を当たることにしました。

 何が起きるかわかりませんので、デコーダーを外すことにします。

 最初にプラ製の炭庫を外します。

 本製品は石炭の位置が変わる特別製品なので、ピエゾモーター?の配線がされています。

 慎重にコネクターを外します。 

 テンダーのボディは2箇所のネジを外して、取り除きます。

 基板はそれよりも大きな2本のネジで止められているので外します。 

 デコーダーを外した状態です。 

 これで全ての供給先が切り離されたので、個別に確認ができます。

 デコーダーの確認。

 コネクタ側です。

 特に異常が無いように見えますね。

 反対側。

 そのままでは老眼の私にはよくわかりませんでしたが……、

 アップの写真を見ると、明らかに赤丸部分が熱でやられているのがわかりますね。

 電子部品の色が薄くなったり、下の部品は位置もずれています。

 これは相当な熱がかかったのでしょう。

 このことから、デコーダー破損の原因が過電流であることが推定できました。

 そこで、まず一番怪しいモーターから当たることにしました。

 メルクリンは概して分解しやすいことで知られますが、本製品もその例の通りです。

 上の4本のネジを外すだけで、機関車のボディが外れます。

 こんなモーターが使われているのですね。

 安全を見て、古いPWMではなく、古いTOMIXのパックで電圧を掛けてみました。

 そうしたら……、なんとパックが漏電を感知して止まりました。

 この現象は、モーターの短絡です。

 これでわかりました。

 要はモーターがショートした結果、デコーダーに過電流が流れ、破損してしまったのですね。 

 次にモーターを手回しすると、ロックしているわけではなく、回すことができました。

 この状態で電圧をかけると少し回ってからまた漏電検知で止まります。

 おまけに異臭もありました。

 この現象は完全にコミュテーターのカーボン屑の詰まりによるショートです。

 TOMIXのM-9で一躍有名になりましたね。

 実はこのトラブル、世界中で多数あります。

 私自身も、多数のメーカーで何度も経験しています。 

 当方の経験では、この症状の場合、モーターのコミュテーターを掃除して、隙間に詰まっているカーボン屑を除去すれば改善できるのですが、このメルクリンのモーターはM-9同様の密閉型で分解できません。

 少なくとも、フライホイールを抜かなくては、カバーが抜けないのです。

 ということで掃除は断念せざるを得ませんでした。

 これがROCOのモーターならブラシ交換も掃除も出来るのですが。

 仕方ないので、車体からモーターを取り外し、単体で回すと、最初回転が渋かったのですが、やがて軽く回るようになりました。

 今度は先程と異なり、異臭も発熱もありません。

 そこでパックをPWMに変更して、なおかつ電流値を変更して回し続けましたが、特に異状はありませんでした。

 これならば、電流でカーボン屑が焼き切れたものと判断して、再度シャーシーに取り付けますと、最初車輪が回りましたが、やはり途中で止まってしまいました。

 おまけに少し煙も出る始末です。

 単体では問題なく回るのに、負荷をかけるとだめというところもM-9と全く同じですね。

 ただ、こうなってしまうとモーターは完全に駄目になってしまいました。

 もはや単体でも自分では回りません。

 まあ、テストの結果そうなったわけではなく、最初短絡していたことからして、このモーターは最初からだめだったんでしょう。

 モーターが壊れてしまったので、この際、更に原因を調べることにしました。 

 以前紹介した車輪抜きを使用して、フライホイールを抜きました。

 接着されていたようで抜くのは大変でした。 

 モーターカバーを外して、原因がわかりました。

 写真ではわかりにくいですが、コミュテーターが熱で溶けています。

 そうなんです。

 これは完全にコミュテーターの短絡・異常発熱ですね。 

 こちらの方がわかりやすいですね。 

 上記の通り、ここまでやられてしまったのは、テストで回して、煙が出たからかもしれません。

 あの試験を行う前は、単体では無事に回っていましたので。

 とは言うものの、最初ショートして回らなかったのは事実なので、このモーター自体は最初からだめだったのでしょう。

 負荷を掛けてこうなるのは、はっきり言って異常以外の何物でもありません。

 周囲のハンダみたいなものは、溶解した何かでしょうか?

 デジタルに詳しい方に教えていただきましたが、デコーダーは入力側の過電流には多少強いそうですが、出力側には全く駄目だそうです。

 よって今回のようにモーターが短絡したら、すぐに壊れてしまうのでしょう。

 そう言えば、当方の以前の記事でメルクリン・デルタのS 3/6が基板から発煙したのも同じモーターの短絡異常でした。 

 

 M-9の例でもわかるように、残念ながら、模型鉄道用モーターのコミュテーターのショートは相当な確率で発生します。

 と言うことは、今回のトラブルのようなデコーダーの炎上は、一定の確率で必ず発生するということです。

 その度に数万円がパァとなってしまいます。

 私にはそんな出費は到底許容できません。

 よって既定路線通り、デジタルからの撤退を進めます。

 

 それにしてもモーターの破損とは参りました。

 メルクリンのHPで調べたところ、このモーターE255885は、品切れだそうです。

 また、ウォーム直結なので、他のモーターへの換装はディメンジョンから非常に困難です。

 空間も小さいですし。

 せめて、ジョイント接続型ならなんとかなったんですけど。

 

 しかしこんな状態では、たとえ売ったところで、ろくな金にはならないでしょう。

 そうでなくても、3線デジタルはあまり値段が付きません。

 このBR 41、限定品でけっこう高かったんですよ。

 今回はだめだと思っていましたが、改めて完全に修理不能と分かると、ショックは倍加しますね。

 もうがっかりです、立ち直れないですよ。


 それにしても、趣味にこんなにお金使って、落ち込んでるんじゃ、全く持って本末転倒です。

 なんで、デジタルなんかに手を出しちゃったんでしょう。

 ほんと馬鹿ですね。

 もっともっと身の程をわきまえ、メリットだけでなく、リスクを正確に考慮すべきでした。

 模型人生最大の失敗。

 まさしく後悔役に立たずと言ったところです。

 

 まあ、タダ同然で安く売るのなら、あまりにももったいないので、重連用のダミー機にでもしますかね。

 この状態で全く問題なく使用できますし。

 でも、デジタルじゃなくてもいいので、なんとか走らせたいですね。

 だめなのはモーターとデコーダーだけなのですから。

 純正でなくても、適合するモーターがあれば良いのですが。


 ちなみに外したモーターのサイズです。

 モーター前面のネジ2箇所でボディに取り付けています。

 ということが、モーターの代替を難しくしています。 

  

 ウォームを抜くのも困難ですし、代替品は難しいでしょうね。

 ほんとがっかりです。

 今思いついたのですが、モーターの筐体を短く切断して、ウォームの軸受とし、フライホイール側に入るような小型モーターを接続できれば復活できるかもしれませんね。

 

<追記>

 ある方がドイツの掲示板で聞いて下さって、BR 41に使えそうなモーターがE315165らしいことを調べて下さいました。

 価格は40ユーロだそうです。

 情報ありがとうございました。この場を借りて御礼申し上げます。

 

 でも……、40ユーロ、約6,400円ですよね。

 デコーダーまで入れれば、いったいいくらになるんでしょうか?

 送料もすごく高いですし……、それにこれだけお金かけても、また壊れてしまうかもしれません。

 やはり、修理は断念せざるを得ないようですね。

 残念ですが。

 

2024年2月11日 記


 

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