鉄道模型 もしもHOj、JM、Jが同じ価格であったなら……

 今回も完全の独り言の世界です。

 どなた様にも強制するものではなく、あくまで個人の気持ちです。

 独断と偏見に満ちていますし、事実誤認も多々あるでしょう。

 ですが、当方の偽らざる気持ちです。

 

 お許しいただける方のみ、お進み下さい。

 

 

 もし、日本型の模型鉄道のHOj、JM、Jが全く同じ値段だったら、皆様どれを選択しますか?

 

 

 私は、HOj一択です。

 

 

 

 前にも記しましたように、HOj、JM、Jの模型鉄道をプラ製の量産品でゼロから新たに作る場合、その構造は全く同じで可能です。

 つまり、既存部品の転用を行わない限り、製造にかかわる固定費は全く同じになります。

 ですので、三種類が全く同じというのは、技術的には妥当な見解となります。

 

 では、なぜ価格が違うのかというと、これはひとえに生産数によります。

 現に欧米では、HOとNを比較した場合、価格は全く変わりません。

 これは驚くべきことであり、HOj、JM、Jとは異なり、量産模型の固定費のかなりの部分を占める金型は、HOとNでは相当投資額が異なります。

 にもかかわらず、ともすればHOの方が安いのは、これはひとえに生産量に起因すると言えるでしょう。

 だから生産量を同じにすれば、価格は同じになるはずです。

 

 それで、もしみんな同じ価格だったら、皆さんはどれを選択されるでしょうか?

 

 ここからは私の個人的な意見にすぎませんが、もし全く同じであったのなら、ほとんどの日本の愛好者の方はHOjかJMを選択すると思います。

 だって日本の愛好者の方の90%以上は、日本型オンリーで欧米型には興味がありませんから、線路をHOと共用する必要なんかありません。

 もし線路を共用しないのであれば、16.5mmの必然性は皆無です。

 

 またNから大スケールへの切り替えを考える方の多くが、Nにはない迫力やディテール、そして実車らしさを求めていると思います。

 それには軌間ノンスケールで見た感じ違和感のあるJよりも、ファインなHOjかJMを選択されるのは当然だと思います。

 価格が同じであれば。

 

 ファインのHOjかJMかの選択は、既存製品という枠組みがなくて、規格だけだったら、HOjが選択されるような気がします

 理由として、線路の敷設面積を約10%減らせるためです。

 私もそうですが、場所を確保するのが難しい方は日本において数多いことが容易に予想できますので。

 さらにHOjはナローゲージとの共存にも適しています。

 TOMYTECの猫屋線を除けば、日本のナローモデルは殆どがHOスケールのHOeですので。

 

 そんなことは今の日本では夢の話なのでしょう。

 でも、価格という最大の足かせを除いた場合、本当にJを選択する人がどれくらいいるのか、もしそうならばその理由は何なのか、考えてみるのは決して無駄ではないと思います。

 だって、人間は考える葦ですし、何よりも考えるのはタダですから。

 

 現実的には難しいにしても、本来どうあるべきか、どうあって欲しいのか、どうありたいのか、追求することは決して無駄ではないと思います。

 

 もちろん70年間継続してしまったものを、変えるのは確かに難しいでしょう。

 でも、1950年代に登場したJはそれこそ数年のうちに0番から主役の地位を奪いました。

 そして僅か10年後には、NがJにとって代わりました。

 かつては金属や紙で車両を作ることが最大の趣味でしたが、今の主流はメーカー完成です。

 世の流れと一緒で、模型鉄道の世界も、全く変わらないものなどなく、確実に変わって来ています。

 現に1970年代以降、日本の模型鉄道界ではNが圧倒的に優勢ですけど、それでも2000年以降、Jが復権してきたのも事実です。

 そしてこの原動力こそ、それまでJの世界で完全に忌避、そして無視されてきたプラ製品に他なりません。

 プラアレルギー真っ只中の今から45年前、天下の天賞堂がプラ製品に大々的に進出すると誰が予想できたでしょうか?

 

 日本型を主とする人が本当に求めるのはJなのか。

 あくまで個人的な意見ですが、日本型の好きな方は、JよりもHOjやJMを志すと思うのです。

 だって、違いは歴然です。

 どこをどこから見ても、実車らしさに大きな差異がありますから。

 今までみんな知らなかっただけだと思います。

 でも、あくまで見るだけですけど、Webの力により、今では誰でも見れるようになりました。

 東京にお住まいの方なら、実際にお店で見てみることも、Jと比較してみることもできるでしょう。

 もし並べて見たのなら、あなたはどちらがいいと思いますか?

 ろくに見たことがないのに、思い込みだけで善悪を決めつけるのは、私は良くないと思うんですよね。

 これは外国型についても同じですけど。

 

 そして今よりも、もっともっと多くの方がHOjやJMや良さを実感すれば、きわめて保守的な模型界も変わるかもしれません。

 趣味の世界って案外現金なもので、需要があればそれまでの主義主張なんか、あってないがごとしなんて話はいくらでもあります。

 

 模型に関する趣向は人それぞれです。

 でも、決して全てではないと思いますが、それでも多くの愛好者は模型が実車と似て欲しいと思うのではないでしょうか?

 それぞれのイメージに合った模型を求めると思うんですよ。

 そして多くの場合、軌間が実物の1.24倍もあったら、実車のイメージは壊れてしまうと思うんです。

 特に模型から入ったのではなく、実車から入った方は尚更そう思うのではないでしょうか?

 

 タミヤの1/35AFVの初期の製品に3号戦車M/N型、3号突撃砲G型という、大ヒット商品がありました。

 それから半世紀以上経過した今、ノスタルジア以外にこれらのキットを手にする方はまずいないと思います。

 その理由の一つは実車とはかけ離れた車体下部と履帯幅です、

 この製品が出た当時、日本で入手しうるドイツ戦車の資料はあまりありませんでした。

 そんなこともあり、迫力を増そうとデフォルメしたのか、単に資料がなかったのか、あるいはモーターライズの関係か、正確なところは私にはわかりませんが、タミヤは3号戦車の履帯幅を実車に比べて大幅に拡げました。

 そして、そのあおりを食った分、下部車体の幅を狭めてしまいました。

 この施策によって、同社の3号戦車M/N型、3号突撃砲G型は、何ともアンバランスな製品に仕上がってしまいました。

 前から見た感じが全然似ていないのです。

 この時の履帯幅が1.24倍だったのかどうかはわかりません。

 ですが、Jは今でも実物の軌間に比べ1.24倍の軌間を採用しているのです。

 当然のことながら、その後出た3号戦車のプラモデルは、各社ともこんな実車とは異なる履帯幅を採用していません。

 実物の情報が少なかった1970年代ならば通用したとしても、みんなが情報を得てしまった以上、実車とはかけ離れた模型は、通用しなくなったからでしょう。

 

 もちろんスタティックなAFVモデルとは異なり、模型鉄道には走るという非常に大きな目的があります。

 そのためにスケールを犠牲にせざるを得ない局面も出てきます。

 昔の日本型の一部の方が、欧州型のフランジ高をあげつらっていましたが、これは急カーブを安定して走らせるためにスケールを犠牲にした例と言えます。

 メルクリンの集電シューも同様です。

 英国では標準軌1435mmを16.5mm軌間で模型化する際、あえて軌間から得られる縮尺1/87ではなく、明らかに大きい車体スケール OO 1/76という、ある種、暴挙とも言える規格を採用しました。

 これは当時の大きなモーターを1/87スケール車体に収めることができなかったという、模型鉄道として走るという絶対条件をクリアするためにはやむを得ざる対策でした。

 同様に上述の通り、戦後の苦しい時期、自国製の模型鉄道など思いもよらず、対米輸出用の部品を流用したのが、Jの成り立ちです。

 大柄なアメ車の部品をそのまま日本型に転用するために1/87ではなく1/80を採用したのです。

 1/87では全ての部品を新造する必要がありましたから。

 レールの幅だって、16.5mmでは実物とはかけ離れていることはわかっていましたが、当時の鉄道模型はあくまで対米輸出用の高級商品であり、日本でしか使えない13mmのレールを作る余裕なんか日本のどこにも無かったのです。

 Jという規格はこうした経緯で生まれました。

 よくシルエットがどうとか言いますが、それはあくまで表向きの理由であり、真の理由はこんなところにあると私は思っています。

 実際、似てないしね。

 今の目で見れば、なんともおかしな解決策かもしれません。

 でも、何度も書いているように、全てが苦しかった当時、それはやむを得ない解決策だったと私は思います。

 

 とは言うものの、それから70年が経過し、日本も世界も大きく変わりました。

 当時、生産のほぼ全てを占めていた輸出用アメリカ型ブラスモデルを作っている日本メーカーはもはやないでしょう。

 今やJの部品は全てが国内専用です。

 もう転用する必要なんかありません。

 ならば当時の足かせだって、今はもうないと考えても間違いはないはず。

 まして、HOjにも、JMにも、Nm 6.5mmのような技術的困難はありませんから。

 

 もちろんアメリカ型や欧州型と日本の車両を同じ軌間16.5mmのレールで走らせたい方もいらっしゃいます。

 ですが、事実としてそういう方は圧倒的少数です。

 そういう方はJを採用すればいいだけの話でしょう。

 殆どの日本型志向の方にとって、ファインを求めるのは自明の理だと思うのです。

 だってNの例を見れば、ファインが好まれるのは一目瞭然です。

 軌間ではなく車体ですが。

 実際、KATOの古い電機や蒸機は、車体サイズがファインの製品が出たとたん、あっという間に製品価値を大幅に減じました。

 これは観念論でも何でもありません。

 メルカリにおいてもヤフーオークションにおいても、明らかなる事実です。

 スケールモデルを志向する方が圧倒的に多いのは、事実が証明しています。

 

 ファインが優れる点は、車両を追求する方だけでなく、レイアウトを作る方にとっても同様です。

 上記の通り、日本では広い場所を確保出来ないことが殆どでしょうから、実物の採用経緯と同様、レイアウト製作においても、急カーブが採用でき、Jに比べ小さく出来るHOjやJMの方が有利です。

 第一、同じ場所なら軌間が実物通りな分、実感も増すことでしょう。

 

 そういう意味から、技術的に日本型ファインスケールであるHOjやJMを忌避する理由などどこにもないと私は思います。

 いいものはいいと思うんです。

 ですから、多くの愛好者がファインの良さを知れば、今はあまりにも価格が高すぎて、ごく少数の富裕層の方しか楽しめないHOjだって、どこかで変わるかもしれません。

 

 難しいとは思いますが、私自身はHOjをあきらめないようにしたいと思います。

 空想に過ぎないかもしれませんが、HOjやJMがスタンダードで、日本形HOと言えば軌間12mm 1/87、16.5mmの線路を使いたい方のための1/80 Jという規格、そんな未来を期待したいと思います。

 

2023/12/12 記

 

 

 

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