鉄道模型 HOとはどのように決められているのでしょうか?
日本だけでは未だに誤解や間違いが多いのですが、H0とは標準軌1435mmの鉄道模型を軌間16.5mmのレールを使って表現する際の規格です。
ではその規格は、どのように定められているでしょうか?
欧州大陸における鉄道模型の規格はMOROPという組織が決めています。
この規格はNEMと呼ばれるもので、ほぼ全ての欧州大陸の鉄道模型はこの規格に準拠しています。
各規格と、軌間の関係はNEM010という規格に定められています。
実にわかりやすい明解な表になっていますので、ぜひ参照されることをお勧めします。
H0だけ抜粋しますと下記の通りです。
H0
スケール1:87
呼称 | 模型の軌間 | 対応する実物軌間 | 備考(DB103) |
H0 | 16.5mm | 1250~1700mm | 標準軌 |
H0m | 12mm | 850~1250mm | メーターゲージ |
H0e | 9mm | 650~850mm | 2ft6インチ |
H0i | 6.5mm | 400~650mm | 模型業界ではH0f(フェルトバーン)を使用 |
H0p | 4.5mm | 300~400mm | 量産模型は無いと思われる |
以上、NEM010 2011版より引用。
MOROPの定義では、1067mmは1000mmと同じH0mとなるわけですね。
一方、縮尺は厳格に1/87と決められている一方、実物の軌間については、思いの外、許容幅が広いです。
京王や都電の1372mmを標準軌として扱うのはまだしも、スペイン、ポルトガル、ロシアの広軌も標準軌扱いになるのには驚かされます。
NEM010において、RENFEの在来線模型はH0になるのですね。
いまいち納得しかねる点はあるにしても、これが規格なので準拠する以外にはありません。
ちなみにNMRAでは、
スケール1:87
呼称 | 模型の軌間 | 対応する実物軌間 | 備考(Wiki) |
H0 | 16.5mm | 1435mm | 標準軌 |
H031/2 | 12mm | 1067mm | カップゲージ |
H0n3 | 10.5mm | 914mm | 狭軌 |
H0n21/2 | 9mm | 762mm | 狭軌 |
H0n30 | |||
H0n2 | 7mm | 610mm | 狭軌 |
NMRAの規格書を見つけられなかったのでWikipedia 独語版Nenngröße H0より引用しました。
ただしNMRAのHPには、HOとは1/87.1、ナローゲージは軌間を狭めて表現するという文言がありましたので、上記Wikiの記載は間違いないものと思います。
なお、NEMとNMRAの違いは、アメリカで一般的な3フィートゲージ914㎜の取り扱いで、NEMではH0m 12mmとしているところ、本家アメリカではH0n3 10.5mmという別の軌間を採用しているところです。
ただしそれ以外は全て同じなので、この両方の規格が指し示すところは同じと見て間違いはありません。
いずれにしても、この両方が世界の鉄道模型規格の大勢を占めるデファクトスタンダードであることは間違いないでしょう。
そのMoropにもNMRAにも、H0の1067㎜軌間とは1/87 12mmと明記されています。
したがって、世界のルールにおいて、JはH0でないことは明白です。
H0と言う規格は日本で生まれたものではありません。
海外発祥の規格である以上、やはり我々はそれに準拠した呼称を使うべきと思います。
そしてこれらの規格において、1067mm、1/80、16.5mmがH0として認められることは金輪際ないでしょう。
自己否定になってしまうので。
そうであるならば、日本人が世界に対し通用する規格と規格名を決めるしかないと思うのですが。
2023/12/15 記
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