鉄道模型 2023年を振り返って その1 今年の総括
今年も残すところ、あと3日となりました。
何かと考えることの多かった今年、2023年の模型鉄道趣味について、思うままに記してみることにします。
明るい話題にはなりそうもありませんが、どうかよろしくお願いします。
<全体を通じて>
今年はある意味、行き詰まりを感じた年でした。
ここ数年間、漠然と感じてはいましたが、より強くです。
<トピック>
思いつくまま順不同に記します。
1)念願のHOj製品が発売された。
鉄道車両金属モデルコレクション(デアゴスティーニ)発売
当方にとって、40年来の念願であった、「入手可能なHOj製品」が発売されました。
そして、実際に手にすることにより、私自身が初めて、「HO」の日本の模型鉄道とは何か、狭軌とは何か、何よりも欧州形との差異を定量的に実感することができました。
これは私の趣味観を根本から大きく変える出来事でした。
同時に強い幻滅を味わうことにもなりました。
その理由は、私にとって、この製品は模型鉄道として扱うことが、事実上不可能だったからです。
具体的には、
・車両の出来が、現在の模型鉄道の水準と比べると、はっきり言って相当落ちる。その割には
高額。
・動力化が極めて困難。特に機関車は不可能。設計的にも全く考慮されていない。
・ラインナップが先頭車コレクション
というものであり、言わば、初めから分かっていたことでした。
2023年の日本において、私のようなものが模型鉄道の日本型スケールモデルを楽しむのは、事実上不可能であるという厳しい現実を、改めて突きつけられました。
これが行き詰まりの一つです。
2)HOとは何か、改めて理解した
長年欧州型HOをやっている中で、HOとは1/87 16.5mmということは理解しておりましたが、大変遅ればせながら、NEM 010という確固たるエビデンスを知ることが出来ました。
これにより、正しいエビデンスを元にHOのあるべき姿を再確認できました。
3)HOmの復活
約30年間、ほぼ休止状態でしたが、一昨年、復帰しました。
改めて走りの良さと、出来の良さを再確認しました。
HOmの復活がなければ、HOjについて、真剣に考えなかったかもしれません。
今年の前半で偶然の大量入手がありましたが、HOに比べ、愛好者が少ないことや、日本では存外人気が高いこともあり、その後の増備は全くと言ってよいほど進みませんでした。
しかし年末になって、大量に入線してしまいました。
4)LED化、室内灯取り付け
私にとって、実に長い間の懸案事項でしたが、遂に思い立ち、今年の前半、精力的にNの電球をLEDへ交換したり、HOの客車にテープLED室内灯を取り付けました。
総計100輌以上に施工しました。
ただし、Nの電球仕様の室内灯を全て交換し終えたこと、またROCOのUIC-Xにおいて、車体を分解する際、ABS樹脂の経年劣化による結晶化で弾力性を失った車体下部が破断するという大きなトラブルが発生し、一気に冷めてしまいました。
そのため、現在は完全に中断しています。
5)ABS樹脂の経年結晶化による破断、折損トラブル
ABSの経年劣化によるトラブルはROCOの車体下部以外でも発生しました。
具体的には、KATOの251系の室内部品やROCOの貨車、Bemoの碍子、スノープラウ等でも発生し、そういう意味でプラ製モデルにおいて不可避である樹脂の結晶化という経年劣化の恐ろしさを心から再度痛感することとなりました。
世間一般ではプラスティックの難分解性が問題になっておりますが、模型の世界では話が全く逆で、特に寿命の長い模型鉄道において、プラ製品の経年劣化は極めて深刻な問題になっています。
プラ製品の経年劣化は、紫外線等の影響で結晶化が進みます。
その結果、プラの弾力性が失われ、固くなってしまい、ちょっとした変形でもすぐに破断したり、粉砕されてしまうのです。
古いメルクリンなどに見られるのは、樹脂の収縮や変形ですし、透明や白色のプラが黄変したり、濁ってしまうのも経年劣化です。
ただし、劣化速度には相当大きな差異があり、ぼろぼろになってしまうものがある一方、半世紀近く経っても少々硬くなるだけものもあります。
プラの経年劣化はダイカストのシーズンクラックと同じで、防ぐことは出来ません。
陽に当てないことは鉄則ですが、大変残念ながら、これだけで防げるものでもありません。
6)相次ぐデジタルトラブル
ブログにも書きましたが、今年は大きなトラブルが連発しました。
一つはメルクリンBR 41が走行中、突然停止したトラブルで、デコーダーが完全に壊れてしまいました。
修理を模索しましたが、ドイツに送り返す以外に方法がないことがわかり、断念しました。
もう一つはキャブライトが切れた天賞堂カンタムD51 498の修理の際、何らかのトラブルが起きて動かなくなりました。
幸いなことにこちらは修理を依頼でき、直って帰ってきましたが、中古のHO機関車くらいかかってしまいました。
カンタムはこちらのミスですが、メルクリンは普通に走らせて突然、壊れてしまいました。
やはりデジタルは非常に不安定であることを再認識しました。
そしてこのトラブルにより、デジタル撤退を決めました。
7)エアブラシ
年末近くになって、久しぶりに塗装をしました。
ですが、途中で色が出なくなったりで、あまりうまく出来ませんでした。
コンプレッサーも約半世紀前のものであり、老朽化もあるでしょうし、エアブラシ自体も半ばだめになっているような状態です。
機材の更新もしたいですが、安価なものではありませんし。
何と言っても昨今、塗装は難しい環境になっていますね。
8)収納
私にとって永遠の、かつ最も大きいテーマである収納ですが、今年は大幅な改善を見ました。
その一つは、ほぼ全ての動力車両について、IMON単品車両箱の導入が行き渡ったことです。
この取り組みを開始してから、なんと12年が経過していました。
動力車以外についても、自分でダンボールを切って箱を作ったり、ダイソーのA4車両箱に入れることにより、取り出しにくくて、無駄に大きいばかりで耐衝撃性が皆無、規格化されていない上、経年で塗装が侵されるという、およそ欠陥しか無い欧州型の箱を殆ど淘汰出来ました。
この施策により、置き場所の効率化、車両の取り出し易さは大幅に改善されました。
反面、手放すことを考えると捨てられない大量の空箱の置き場所と、現状、入れ替えられる適切な箱がない26.4m級PCをどうするのか、今のところ解決策がありません。
9)置き場所
6)に関連して、いよいよ狭い我が家の置き場所が無くなってきました。
これはもう長い間というよりも、私が生まれてこの方、わかりきったことです。
しかし場所を広げるのはもう不可能です。
となりますと対策としては、物を増やさないことと、要らないものを処分する以外に手はありません。
物を増やさないことですが、今年は手持ちが売れなかったこともあり、昨年に比べるとものの増え方は鈍化しました。
しかし、空箱の占める容積が増えてしまったので、結果として、場所は狭くなってしまいました。
その結果は先日記した通りで、一つのアイテムを取り出すのに、ダンボール箱をいくつも移動しないと取り出せないという状況です。
そうなると何をするのも億劫になってしまい、あまり遊ぶ気も起きなくなっています。
10)手持ちの整理
このような状況ですので、物を増やさないことは肝要ですが、それだけでは場所は広くなりません。
そこでもう30年位、長い間集めた、手持ちの模型鉄道、ミニカー、フィギュア類、プラモデル等を精力的に手放しています。
今年は当初デジタルが売れるなど好調でしたが、春過ぎから、一転して目に見えて売れなくなりました。
この世界では同じようなものを出しているのに、ぱたっと売れなくなるということが実によくありますね。
先週など330個出しても1個も売れないという、まさしく惨憺たる有様でした。
ニッチすぎるアイテムばかりだからか、1000円以下の安価なアイテムが多く、送料がどうしても割高になってしまうからか。
どちらにしても、本当に困ったものです。
このように大変苦しい状況ではありますが、私にとって、唯一の資産(と言えるような価値はつきませんが)ですので、捨てたり、買取ショップへタダ同然で売るわけには行きません。
元は取れないまでも、それなりの対価を得ようとすれば、おのずから手段は限られてしまい、また手がかかるのは当然のことです。
実際に某オクに費やす時間も半端ではなく、大きな負担となっています。
しかし、場所もお金もありません、。
現実として絶対にやめるわけには行かないのです。
結局、場所(とお金)の問題があるから、模型を楽しめないという、なんとも本末転倒な状態こそが、行き詰まりの最大の原因になってしまっていると思います。
以上、まとめますと、2023年は何かと障害や行き詰まりを感じる年でした。
そして来るべき2024年ですが、私自身の大きな転機も目前に迫ってきたこともあり、今まで通りというわけには行かかないでしょう。
必然的に全てが縮小方向へ向かわざるを得ませんが、それでも出来る範囲で楽しみたいと思います。
次回、今年の入線トピックスにつき記そうと思います。
2023/12/28 記
2023/12/29 追記
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