ドイツ国鉄 DRG 支線用タンク式蒸気機関車 BR 98.4 526号機 (TRIX 22414)

 今回は、ドイツ国鉄DRGの支線用タンク蒸気機関車 BR 98.4-5を紹介します。 

<BR 98.4-5 主要諸元>

 型式:C1’n2t、バッファ間距離:9.288/9.326m、運転重量:40.2t、軸重:10.9t、軸配置:C1、動輪径:1,006mm、飽和式二気筒、出力:235/228kW、ボイラー圧力:12bar、最高速度:45km/h 

 クラウス、マッファイ社で、1895年から1914年までの間、147輌が製造されました。 

 BR 98.4-5はバイエルン王国邦有鉄道 K. Bay. Sts. B. が、支線列車用に開発した軸配置C1、飽和式の小型タンク式蒸気機関車D XIです。 

 バイエルン王国邦有鉄道の保有する支線用蒸機機関車では、最も数が多い形式でした。

 なお、D XIはバイエルン王国邦有鉄道の形式名称の改正により、PtL 3/4となりました。

 本稿では、D XIと表示することにします。 

 この機関車は、バイエルン王国邦有鉄道が1895年~1912年までにD XIとして131輌を製造しました。(バイエルン車番:1991~2050および2701~2782)

 さらに1914年に5輌を製造しました。(バイエルン車番:2783~2787)

 形式改正によりPtL 3/4として製造された5輌は、全長が僅かに長く、石炭量が多く、出力が僅かに小さくなっています。 

 D XIは、この他、1899~1900年にムルナウ・コールグルブ・オーバーアマガウ地方鉄道 (LMKO) 用として11輌が製造されました。

 このLMKO向けの11両は同線が破綻した際にバイエルン王国邦有鉄道へD XIとして8輌(バイエルン車番:2705~2512)が移籍し、残りの3輌はLAG鉄道へ行きました。

 しかし、LAGへ行った3輌も最終的にはバイエルン王国邦有鉄道へ移管され、PtL 3/4(バイエルン車番:2762~2764)となりました。 

 D XIは製造された147輌全てが、DRGに継承されました。

 バイエルン王国邦有鉄道で当初D XIとされた139輌が、98 411-423及び98 431-556となり、PtL 3/4として作られた5輌が、98 564-568、LAGから移管した3輌が98 561-563となりました。 

 D XIは、半数が戦前に引退しました。

 戦後、ドイツ連邦鉄道 DB へ56輌が継承され、最後の一両98 507が1960年に引退しました。

 現在でも保存されています。 

 また戦後、ドイツ以外でも、チェコとオーストリアでも使われました。 

 更に、本機の略同型機プファルツ鉄道 T 4.II 3輌が1908年に製造されています。

 こちらは動輪及び従輪径がそれぞれ10mm小さくなっている他、サイズもわずかに異なります。

 これらはDRG化後、98 401-403となりましたが、1934年までに引退しました。 

 以上、Wikipedia 独語版 Bayerische D XI 及び Pfälzische T 4.II より引用、参照しました。 

 それで模型の方ですが、Modellbau-Wiki DR-Baureihe 98 によりますと、D XIは、こちらで紹介する1989年初回発売のTRIX製品が唯一のものです。 

 こちらのDRG BR 98 526が初回発売の製品になります。

 今から34年も前の製品とは思えないシャープな出来ですね。

 TRIXはこの頃、急激に精度が上がりました。 

 ほんと細かいです。

 故に取り扱いには注意が必要ですし、中古を買う際には破損や欠品にご注意ください。 

<各部のディテール>

 煙突脇の配管など、ほんと今から34年も前の製品とは思えません。

 ロッド類のプラ部品の色は当時の銀ですね。 

 小径車輪は金属製です。

 この当時から始まった黒染めになっています。 

 レタリングも綺麗でしたが、金文字はかすれてしまっています。

 これは当時の模型の共通欠点で、ROCO製品等でも同様な傾向が見られます。

 日本製品のような別売のインレタとか、エッチングのナンバープレートがあれば良いのですが、私が知り限りでは見たことはありません。 

 バッファは金属製です。 

 ロッドは黒染めにして欲しいですね。 

 ハンドレールはとても細かいですが、曲がってしまっています。

 これもプラ製品の共通欠点ですね。 

 ほんと当時の技術にしてはハイレベルですね。

 車輪のフランジはNEMなので、高いです。 

 金属製のバッファはやはり効果が抜群です。

 走りはスムーズです。

<分解> 

 この製品もとても分解しにくいです。

 欧州製品のタンク機によくあるように、キャブを外します。

 これが実に恐ろしいです。

 配管類は引っかかりますし、何よりもこのように古い製品の場合、ABSの結晶化が進行しているのでとても脆くなっていることがあるためです。 

 見ての通り、Nゲージ用の小型モーターを装備しています。

 その割には走りは良いと思います。

 またこの写真からキャブのライトは点灯しないことがわかりますね。 

 こんなに小さい機関車ですが、フライホイールを装備しています。

 効果の程は?ですが。

 この製品はとても良く出来ていますが、あまり生産されていないようです。

 特にBR 98.4-5は、2回しか作られず、DB仕様は発売されたこともないようですね。

 私はある方に譲っていただきましたが、本当にラッキーでした。

2023/8/24 記 

 

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