ドイツ国鉄 DRG 支線用タンク式蒸気機関車 BR 89.2 251号機 (Piko 50050)

 今回は、ドイツ国鉄DRGのタンク蒸気機関車 BR 89.2を紹介します。 

<BR 89.2 主要諸元>

 型式:Cn2t、バッファ間距離:9.635m、運転重量:42.0t、軸重:14t、軸配置:C、動輪径:1,260mm、飽和式二気筒、出力**kW、ボイラー圧力:12bar、最高速度:40km/h

 ザクセン機械工場で、1872年から1920年までの間、5シリーズ合計154輌が製造されました。 

 ザクセン王国邦有鉄道VTは、同鉄道が軽貨物列車及び入換用に開発したCタンク式の小型蒸気機関車です。

 VTは、約50年間という長きに渡って製造されたため、動輪径などの要目や形状が変化していますが、主な構造や特徴は変わりませんでした。 

 VTは5つのシリーズで製造されましたが、こちらの251号機は1895年から1901年にかけて製造された第3シリーズに該当します。

 第3シリーズは以前のものとは大きく異なり、動輪径が1,420→1,260mmと小さくなり、またボイラー圧力が10→12 barとなっています。 

 1920年のDRG発足により、VTは2つの番号で区分されることになりました。

 すなわち第1、2シリーズ、及び第3シリーズのうち1895 年に製造された6両は、DRGによりBR 89.82 に分類されました。

 これらには、第1シリーズ15輌:車番 89 8201-8215、第2シリーズ18輌 車番:89 8251-8267、第3シリーズ 6輌:車番 89 8215 - 8221 が付与されました。

 何故か第2と第3の番号が逆になっていますね。

 なお、Eisenbahn Journal Lokomotiv Archiv Dampflok Report Band No.6 Baureihen 80-96 によりますと、後にBR 89.82に区分されるVTの古いシリーズは、全部で61輌が作られました。

 そして上記の通り、DRGには39輌が継承されましたが、これらは1933 年までに引退しました。

 1896年から1901年にかけて製造された第3シリーズは75輌が製造されました。。

 さらに10年以上の間を開けて1914年から1920年まで製造された第4シリーズは16輌、第5シリーズは1輌の製造にとどまりました。

 これら全てはBR 89.2に区分され、第3シリーズが車番 89 201 - 269、第4シリーズが89 281-294、第5シリーズが89 295となりました。

 なお、14年の間隔を開けて製造された第4シリーズは、大型のサイドタンクが小型化され、またキャブ形状も全く異なります。

 もはや別機種とも言えるスタイルをしていますね。

 BR 89.2は長命であり、第二次世界大戦後、25輌が東ドイツ国鉄DRに継承されました。

 最後の一台が引退したのは1967年だったそうです。   

 以上、Wikipedia 独語版 Sächsische V T より引用、参照しました。 

 それで模型の方ですが、ザクセン王国邦有鉄道は、プロイセン王国邦有やバイエルン王国邦有鉄道に比べると、規模が小さく、また戦後東ドイツに属した(ザクセン王国の首都は旧都ドレスデン)こともあり、模型化されるものは少なく、かつ東側のメーカーしか模型化しないことが多いです。 

 ザクセン王国邦有鉄道の機関車は、以前紹介したXX HV(BR19.0)のように、高性能を誇った特筆すべき車両も多いだけになんとも残念ですね。

 Modellbau-Wiki Sächsische V T によりますと、こちらのBR 89.2 もPikoの1998年の製品です。 

 その割には出来がいまいちと感じられる向きも多いと思いますが、同社のVTは1963年初回発売なので、基本はこの製品と同じなのかもしれません。 

 ただし、別付け部品があったり明らかに改良されている点もありますね。

 さすがに量産製品はPikoだけのようです。

<各部のディテール> 

 動輪はプラ輪芯です。

 ロッド類もプラ、銀メッキなので何か安っぽく感じます。 

 サイドタンクが長くて、前から見た感じは英国機みたいですね。

 こちらのレタリングも東独時代のPikoとは違います。 

 ドーム脇のレタリングはきれいです。 

 こちらは第3シリーズですが、もっと古い機種はサイドタンクの前面が傾斜していたようです。

 昔のPikoは黒がプラの成型色のままだったので、当時としてはディテールが細かい割には、チープな感じが否めなかったのですが、こちらはPikoが自由化された後の製品なので黒塗装されています。 

   オーバーハングが長いですね。

 こちらのサイドは前が見えないですね。 

 モーターは明らかに改良されており、走りも悪くないですね。 

 

 ライトはLEDでしょうか? 

 ということで出来の方はいまいちですが、まず見ることのない珍しい製品と思われます。


2023/8/22 記 

 

 

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