東ドイツ国鉄 DR 急行用テンダー式蒸気機関車 BR 19.0 017号機 (Gützold 48100)

 DR BR 19.0は元王立ザクセン邦有鉄道の急行列車用テンダ式蒸気機関車XX HVです。

<主要諸元>

 型式:1'D1'h4v、バッファ間距離:22.632m、運転重量:99.9t、軸重:17.15t、軸配置:1D1、動輪径:1,905mm、過熱式四気筒、出力:1,324kW、ボイラー圧力:15bar、最高速度:100/120km/h

 1918年から1925年までの間、ケムニッツのザクセン機械工業社により、23輌が作られました。

 XX HVはザクセン邦有鉄道が、カーブが多い勾配線区のドレスデン‐ホフ間の急行列車用の機関車として開発しました。

 同邦有鉄道最後の急行用蒸気機関車であり、その頂点に位置する存在でもあります。

 登場当時、欧州最大の急行用蒸気機関車だったそうです。

 誕生直後にDRGが発足し、型式BR 19.0とされ、車番19 001-023が付番されました。

 本機は1925年からザクセン地方で使用されました。

 19 021が戦災廃車となった他、その他は第二次世界大戦後まで残存しましたが、戦災により復旧しなかった車両もあるようです。

 結果的に残存したすべての機種が東ドイツ国鉄DRの継承されましたが、電化の進展もあり、1967年までに全車が廃車となりました。

 現在、こちらのBR 19 017号機が静態保存されているようです。

 勾配線区用に1D1の軸配置とされた本機はS 10とは異なり、高圧シリンダー2基、低圧シンダー2基を持つ複式機関車です。

 企図された勾配線区では、予定通りの性能を発揮したようですが、平坦線区ではC型機に比べて燃費が悪かったので、ドレスデン-ベルリン間では例外的なケースを除き使用されなかったそうです。

 同様な邦有鉄道の勾配線区用1D1急行旅客用機関車には、プロイセン王国邦有鉄道のP 10がありますが、P 10も高性能を誇りました。

 P 10については、こちらをご覧ください。

 XX HVとP 10は似ていますが、XX HVの方がスマートでかっこいいですね!

 また1963年から1965年にかけてDRにより本機を大改造したReko機が2輌作られました。

 これらは最終的にBR 04となりました。


 それで模型の方ですが、Modellbauwiki Sächsische XX HV によりますと、こちらのGützold製品が唯一の存在です。

 2002年初回発売のこちらの製品は大変繊細な出来です。


 他方、同社製品の常ですが、走行ギアが短時間で劣化、収縮してしまうため、破断してしまいます。

 当方のも、もろにそうでした。

 ただ、このトラブルが発生した時には先方に連絡したら部品を送ってくれました。

 しかしその後、BR 252 で同様なトラブルが発生した際には無視されましたが。


<各部のディテール>

 先輪や動輪はとても繊細な出来です。

 2000年代製品だけあって、ロッド周りの色は渋めのいい色ですね。

 レタリングもきれいです。

 本機はDRの保存機ですので、このような半光沢の塗装がよく似合っています。

 すっきりした側面です。



 ほんとFleischmann並みの出来だと思います。

 制式とは異なる形状のテンダーですね。

 制式テンダーに比べると背がずっと低いです。
 これは邦有鉄道の車両に共通する特徴と思います。

 本品は、相当高額モデルだったようですね。

 日本にはそれなりに入ったようで、私は中古品を手に入れましたし、他でも見たことがあります。

 ただ、他で見かけた中古品も不動でした。

 私が保有したGützold製品はほぼ全てでギア割れが発生しましたし、他でもギア割れ機を複数見ています。

 やはり構造的欠陥と見て間違いないと思います。

 これだけの出来なので、そういう一番肝心なところがダメダメなのはなんともがっかりですね。


2023/8/6 記


 

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