ドイツ連邦鉄道 DB 軌道作業車 Klv 53 0792号機 (BRAWA 0500)

 今回は、ドイツ連邦鉄道 DB の作業車 Rottenkraftwagen BR Klv 53を紹介します。 

<BR Klv 53 主要諸元>

 型式:B、バッファ間距離:6.37m、運転重量:8.0t、軸重:4.0t、軸配置:B、動輪径:700mm、出力:57~110kW、最高速度:70km/h 

 いくつものメーカーで、1963年から1981年までの長きにわたり、三シリーズ合計 824輌が製造されました。 

 1960年代の初め、ドイツ連邦鉄道 DBは、1955年以降、配備されてきた作業車Klv 50/51の後継車を求めていました。 

 新しい作業車には、運転手に加え、6人の保線作業者が乗車可能な暖房付大型キャビン、鉄道運航に支障を与えない最高速度が求められ、1963年、シェーマ社はミュンヘンの連邦鉄道BZAと協力して、Klv 50/51の改造車を3輌試作しました。

 結果として、この車が採用され、後にKlv 53の試作車となりました。 

 量産にあたり、変更が加えられました。

 長きに渡り製造されたKlv 53には、①77馬力のエンジンを装備する1963-64年に製造された試作車 3輌(車番:Klv 53 0001 - 0003)

②1965-69年に製造された、試作車と同じ77馬力エンジンを装備する第一シリーズ 135輌(車番:Klv 53 0004 - 0138)  

③1970-77年に製造された、エンジンが116馬力に強化された第二シリーズ 546輌 (車番:Klv 53 0139 - 0684)

④1978-81年に製造された、150馬力のエンジンを装備する第三シリーズ 140輌 (車番:Klv 53 0685 - 0824)

が存在します。 

 本機を特徴するものに後部の油圧クレーンがありますが、このクレーンも次第に強化、大型化されています。 

 Klv 53は、ドイツ連邦鉄道 DB 標準型の作業車として、線路建設や保守に幅広く使われました。

 また線路工事用の溶接機やレール加熱用のヒーター、除草剤散布機や除雪機を搭載したものもあります。 

 黄色で塗られたその姿は、DBのほぼ全ての駅で見られるというほど一般的なものでしたが、一方、鉄道写真愛好家からはほとんど顧みられることはなかったそうです。

 これは日本と全く同じですね。 

 1990年代以降、ドイツ鉄道 DBAG は、保守の合理化のため、保守基地の整理統合を実施しました。

 またより大型の後継機 GAF 100 の登場により、老朽化していた Klv 53 は多くが廃車されました。 

 一方、DBで廃車されたのちにも、私鉄や鉄道建設会社、保存鉄道に移り、使用され続けているものもあります。

 中には近代化改装を施された車両もあり、変わったところでは改軌されて軌間1000mmの私鉄 Brohltalbahnで使用されている機種もあるようですね。 

 以上、Wikipedia 独語版 DB-Baureihe Klv 53 より引用、参照しました。 

 それで模型の方ですが、Modellbau-Wiki DB-Baureihe Klv 53によりますと、Klv 53の模型はBRAWAが長年唯一のものでした。

 同記事によりますと、BRAWAの発売年は2011年とありますが、これは明らかな間違いです。 

 当方は1996年に個人輸入しておりますので、恐らくその少し前に発売されたのでしょう。

 なお、Modellbau-Wikiの記載によりますと、今年2023年にRivarossiが新製品を出すそうですね。 

 ご覧のように当時、Supermodellとしての位置付けだった同社のKöf IIなどと同様、大変良く出来ています。

 まだBRAWAが中国生産に移る前で、主要材質はダイカストです。 

 窓はすべて外側からのはめ込みです。

 透明度も高いです。 

 手すりが金属なのもいいですね。

 クレーンはプラ製ですがシリンダーを含め、可動します。

 材質の差異もそれほど感じません。

 クレーンの脚は伸縮するのでしょうか?

 この0792号機は Waggon Union 社製です。

 同社は1971年からKlv 53の生産を開始したそうです。

 車番からすると、1978-81年に製造された、150馬力のエンジンを装備する最終型の第3シリーズに属することになるわけですね。

 この製品、ご覧のように大変良く出来ていますが、一方、外嵌式の窓ガラスや手すりは外れやすく、中古で売られている品物には欠品していることも多いです。

 もし購入される際には十分ご注意ください。 

 この手のマイナーな車に、異様なほどの熱意を見せるのは、以前の欧州メーカーらしいですね。

 反面、メジャーな車はいつまでも更新されないと言うのもね。  

 運転室脇にはバックミラーが後付けされます。

 私のはなぜか、2個とも同じ部品が入っていました。

 BRAWAの品質管理は悪く、架線作業車 Klv 60では、よく出来たダミーのスクリューカプラーが1個しか入っていませんでした。

 高いものだけに、こういうのは本当にがっかりしますね。

 小レーンはこのように可動します。

 フックが首を振らないのは仕方ないかも。 

 下回りのブレーキなど、異常によく出来ていますね。 

 伝動装置や集電板の形状も変っていますね。

 N用のモーター(日本製?)を装備し、低速から安定して走行します。

 この手の車は集電不良に陥りやすいのですが、後輪側が可動する三点支持になっているので、集電性は良好です。

 ただし車輪径が小さく、また車重が軽いせいか、スパーク汚れしやすく、踏面に傷がついてしまうのが問題ですね。

 私はこの手の車両が好きなので、今から27年前の1996年に買いましたが、当時としては相当高買ったのを記憶しています。


2023/9/25 記

 

 

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