ドイツ連邦鉄道 DB 貨物用タンク式機関車 BR 92 739号機 (TRIX 22509)

 今回はドイツ連邦鉄道 DB の貨物用タンク機関車 BR 92.5-10を紹介します。 

 ドイツ連邦鉄道 DB BR 92.5-10は、元プロイセン王国邦有鉄道のT 13 (Bauart Union)です。

<BR 92.5-10主要諸元>

  型式:Dn2t、バッファ間距離:11.1m、運転重量:59.9t、軸重:15.0t、軸配置:D、動輪径:1,250mm、飽和式二気筒、出力:370kW、ボイラー圧力:12bar、最高速度:45km/h

 Union、Hanomag、Hagans等のメーカーで、1909年から1922年までの間、合計656輌が製造されました。 

 T 13(Bauart Union)は、20世紀に入り、貨物の輸送量が飛躍的に増大したことから、プロイセン王国邦有鉄道において、それまで使用されてきた入換用蒸気機関車では力不足となり、新たに製造されたD軸機です。 

 時代的には過熱式が誕生していましたが、入換機には経済的なメリットが少ないとみなされ、飽和式となりました。

 ただし後の生産されたT 13.1 (BR 92.4) は 過熱式となりました。

 なお、Unionとは製造メーカーの名称です。

 後述のように、T 13には他の機種も存在するために、このような表記となっているのでしょう。

 T 13はプロイセン王国邦有鉄道の他、オルデンブルク大公国邦有鉄道、アルザス-ロレーヌライヒスバーンでも採用されました。 

 T 13は、DRG発足により、BR 92.5-10となりました。

 1925 年のDRGの最終番号変更計画には、 509 両の機関車が含まれており、車番 92 501-913 および 92 1001-1072 が付番されました。

 なお、92 585-588、92 606、92 607、92 910-913 はオルデンブルク大公国鉄道から、92 732-738 はアルザス-ロレーヌライヒスバーンからのものです。

 第一次、第二次世界大戦の結果、ドイツ、ポーランド、オーストリアなど各国に渡りましたが、DBでは1965年まで、DRでは1968年まで使用されました。

 以上、Wikipedia 独語版 Preußische T 13 (Bauart Union) より、引用、参照いたしました。  

 なお上記のように、T 13には、他にT 13 (Bauart Hagans)、T 13 (Bauart Mallet)という変種が存在します。

 Hagasの機関車は、T 13 (Bauart Union)よりも前の1899-1902年に29輌が製造されました。

 この機関車は、急曲線用に分割フレームを持ち、駆動装置も複雑なものになっていたようです。

 しかしこの構造が災いしてか、故障が頻発し、メンテコストも要していたため、1920年代には廃止が決定しました。

 何故かDRGへ5輌継承される計画になっていたようですが (92 501-505)、実施されることはなく、この番号はT 13 (Union)が使用しました。 

  一方、Malletの機関車は、私鉄向けに1903年に5輌が製造され、1913年にプロイセン王国邦有鉄道に編入されました。

 プロイセン王国邦有鉄道唯一のマレー機だそうです。

 しかし、こちらも取り扱いが複雑だったのか、早くも1921年には廃車になりました。

 マレー機の好きな私にとって、これら変種には非常に興味がありますが、大変残念なことにT 13 (Bauart Hagans)、T 13 (Bauart Mallet)の何れも、写真を見つけることは出来ませんでした。

 それで模型の方ですが、地味な入換機ということもあり、T 13はあまり模型化されておりません。

 Modelbau-wiki Preußische T 13 によりますと、 HOの量産製品では1977年のTRIX、1994年のKleinmodellbahn だけのようですね。

 なお、MärklinはTRIXと同じ製品のようです。(間違っていたらごめんなさい) 

 こちらのTRIXは、同社の製品としては後の1997年に発売されたようです。

 基本形は昔のままですが、レタリングがきれいになり、車輪が黒染めになっています。  

<各部のディテール> 

 古い製品だけに配管等は一体モールドです。

 ロッド周りは細かいですが、色が銀色ですね。 

 車輪の黒染めはいい感じです。 

 うまく言えませんが、いかにもTRIXという感じのキャブ。 

 輪芯はプラですが、シャープなので感じはいいです。 

 走りの方はスムーズです。 

 基本は1977年製品と思うのですが、シャープですね。 

 平板状のロッドはなんとも思っちゃっぽい気もしますが、実車もこの様になっているのですね。 

 金属製のバッファは大変効果的ですね。 

 当時からTRIXは高級志向でしたね。

 でも、バッファーはプラの一体成型だと、中心部に成型線が出たり、あるいは真円が出なかったり、更には薄いため破損することも多いのです。

 こういうところは他社も見習って欲しいと思います。

 後期の製品だけに、NEM362カプラーポケットになっています。


 上記のように、地味な機関車で、取り上げられることも殆どなく、中古もまず出ない機種です。

 こちらは通例通り、中古入手ですが、ラッキーでした。


2023/8/20 記

 

 

↓当方HPです。こちらもどうかよろしくお願いします。

db103rheingold.web.fc2.com

 

↓当方も参加しております。実物、模型などいろいろな鉄道ブログがあります。

是非ご覧になってください。

人気の投稿