ドイツ連邦鉄道 DB 旅客用タンク式蒸気機関車 BR 75.0 042号機(Märklin Hämo 8313)

 今回はドイツ連邦鉄道 DBの旅客用タンク機関車BR 75.0を紹介します。

 BR 75.0は、元王立ヴュルテンベルク邦有鉄道のT 5型です。

<BR 75.0 主要諸元>

 型式:1'C1' h2t、バッファ間距離:12.2m、運転重量:69.5t、軸重:14.7t、軸配置:1C1、動輪径:1,450mm、過熱式二気筒、出力:647kW、ボイラー圧力:12bar、最高速度:75km/h

 T 5は、王立ヴュルテンベルク邦有鉄道が、1908年に発注した強力な旅客用タンク機関車であり、本線及び支線での使用が想定されておりました。

 安定走行を実現するために、4,000mmという非常に長い固定軸距を持っています。

 1910年から1920年の間、エスリンゲン機械製作会社で96輌が製造されました。

 うち3輌は第一次世界大戦の戦時賠償で1919年にフランスへ渡りました。

 残りの93輌をDRGが継承しましたが、軸配置1C1の旅客用タンク機関車を表す BR 75に分類され、形式 BR 75.0となり、車番 75 001-093が付番されました。

 さらにうち89輌はドイツ連邦鉄道 DBへ継承されました。

 中でもこちらの042号機が一番長命で1963年に引退しました。

 同機は保存されていましたが、なぜか1968年に解体されてしまい、本シリーズの保存機は存在しません。

 以上、Wikipedia 独語版 Württembergische T 5より引用、参照いたしました。

 それで模型の方ですが、制式機ではなく、かつ邦有鉄道の中ではマイナーなヴュルテンベルグ機だけあって、Modellbau-wiki Württembergische T 5 メルクリンが1984年に発売した製品(ヴュルテンベルグ T5 1205号機)しかありませんでした。

 その後、こちらのDB Ver. の他、邦有鉄道時代の緑、グレーなども発売されました。

 それぞれ番号違いが出ていたようですね。

 こちらは同社の直流バージョンHämoですが、残念ながら発売年はわかりませんでしたが、本機のACアナログVer.は1985-1987年とありましたので、同時代の発売と思われます。

 なお、ヴュルテンベルグ T5の模型は、2005年にBRAWAからも発売されています。

 同社の常で多数のバリエーションが発売されているようです。

 何しろ今から40年前の製品なので、出来の方は相応です。

 動輪、ロッド周りはいかにも当時の同社らしい出来ですね。

 ただこの時代、まだまだプラ製ロッドを採用するメーカーがありましたが、走行性能を重視していた同社らしく、ごついながらも車輪ともども金属製なのには好感が持てます。

 Hämo製品にはユニバーサルモーターをそのまま使っているものもありますが、こちらは固定界磁が磁石なので、走行には問題ありません。

 DCMモーター/ダイカスト平ギア駆動なので、走行音は高いですが、確実に走ります。

 繊細さには欠ける製品ですが、私は割と気に入っています。 

 公式側

 40年も昔の製品ですので、今日のものと比較すると、見劣りしますね。

 とは言うものの、先輪は意外とシャープです。

 また給水ポンプやエアタンクは繊細です。
 

 上記のように、ロッド周りには繊細さはありません。

 一方、金属部品だけで構成されるため、安心感がありますし、質感が優れていますね。

 動輪、先輪も金属なのはいいです。

 この当時、プラ製輪芯を使っているメーカーの方が多かったですし。

 非公式側

 弁装置はダイカストでしょうか?

 空気ポンプなどは悪くないですね。

 一方、ボイラーの配管やハンドレールは、ほぼ一体成型です。 

 1980年代半ばの製品ですので、ボディはプラ製です。

 当時としてはよく出来ていると思います。

 時代的に銀車輪、銀ロッドですが、黒染めすると相当良くなりそうです。

 レタリングは割ときれいです。

 Stuttgart 鉄道総局、Aulendorf 車両基地なんて表記があります。

 Aulendorf はドイツ南部の都市ですね。

 非公式側キャブ

 制式機とは異なる形状です。

 屋根上の汽笛は挽物みたいですね。

 ライトは点灯しますが、ライトケースは時代的に一体成型です。

 ステップなどもゴツいですね。

 バッファーの頭が小さく見えます。

 そうそう、本製品は分解が一風変わっています、

 このようにドームの上部を外すとねじの頭が姿を現します。

 このドームの頭が実に外しにくく、傷をつけないように外すのが大変です。

 もしやる際には自己責任かつ、破損や傷、そしてカバーの紛失に十分ご注意くださいね。

 カーバーが外れてしまえば、ネジ1本で分解できるのは流石です。

 いかにも80年代のメルクリンの足回りと言った感じですね。

 カプラーもまだNEM362ポケットになる前です。


 Württembergische T 5のACアナログ仕様は稀に見かけますが、DC2線式はまず出ません。

 こちらもEGSですが、マイナーな機関車だけに入手できてラッキーでした。

2023/8/4 記

2025/8/28 写真配置変更

 

 

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