ドイツ連邦鉄道 DB 旅客用タンク式機関車 BR 74 1023号機 (ROCO 43271)
今回はドイツ連邦鉄道 DB の旅客用タンク式機関車 BR 74.4-13を紹介します。
DB BR 74.4-13は、元プロイセン王国邦有鉄道 K. P. St. E. のT 12です。
<BR 74.4-13 主要諸元>
型式:1'C h2t、バッファ間距離:11.8/12.3m、運転重量:65.9t、軸重:17.36t、軸配置:1C、動輪径:1,500mm、過熱式二気筒、出力:640/669kW、ボイラー圧力:12bar、最高速度:80km/h
1905年から1921年までの間、Union、Borsigで1,014輌が製造されました。
T 12はプロイセン王国邦有鉄道のT 11の過熱バージョンであり、主に現在の電化された S バーンの前身であるベルリン市内、環状および郊外鉄道用として最大 500 両が運用されました。
線区の特徴として、駅間距離が短いため、T 12 には加速力が要求されましたが、本機は前後進の何れにおいても強力かつ、高速な機関車であることを証明しました。
ただしこのような運用から、ボイラーの損耗が激しかったようで、1924 年から 1929 年にかけて S バーン路線の大部分が電化された後、T 13は入換や短距離の旅客列車または貨物列車の運行に使用されたようです。
また水保有量が少ないため、長距離運用には適してなかったこともあり、主にベルリンの環状鉄道で使用されました。
1925 年、ドイツ国鉄 DRGは、T 12をBR 74.4-13として区分しました。
そして、74 544 を除く、車番74 401 -74 1300を付番した899 台を継承しました。
車番74 784-786 および 74 1254は、もともとアルザス-ロレーヌ ライヒスバーンから来ました。
また、車番74 1301 - 74 1310の10 両がザールラント州鉄道に引き継がれました。
第一次、第二次世界大戦後、ベルギー、フランス、ポーランドやオーストリアに渡った仲間もいましたが、最終的にドイツ連邦鉄道 DBでは1966年、東ドイツ国鉄 DRでは1968年まで使用されました。
以上、Wikipedia 独語版 Preußische T 12 を参照、引用いたしました。
それで模型の方ですが、1,000輌以上製造された車両ですし、また、手頃な小型機なので、古くから模型化されておりました。
Modelbau-wiki DR-Baureihe 74 によると、量産品では一番古いのは、1968年のMärklin(初代)、1985年のROCO、2008年のMärklin(2代)/TRIXが発売されています。
もっとあるかと思いましたが、基本はこの3種類なんですね。
なお2009年には、T 12の先代のモデルであるT 11(DR BR 74.0-3)が発売されています。
ROCO製品は1985年初回ですが、2000年代になっても生産されておりました。
他と同様、後期の製品は改善されているかもしれません。
ただし、ROCOのT 12は古い製品はよく見かけるものの、後期の製品は見たことがないので、詳しいことはわかりません。
こちらのDB BR 74 1023号機は、1988-91年の間、生産されたようです。
1980年代のROCO製品らしい出来ですね。
同社もメルクリンもそうですが、邦有鉄道、DRG、DBだけでなく、ベルギーやオランダなど、数多くのバリエーションが発売されました。
<各部のディテール>
上記の通り、いかにも1980年代のROCOです。
具体的にはあまり質感の良くない赤のプラ成型、プラ輪芯の動輪、銀のロッド、完全つや消しの黒なんてところですかね。
この頃ですので輪芯の穴はシャフトと同じになっています。
ブレーキシューもROCOらしいです。
欧州製品では珍しい選択式ナンバーです。
今のものと比べると、劣りますね。
ディテールは決して悪くないのですが、車体がベタのつや消しだけに、軟質プラの別付け部品が浮いてしまいますね。
赤を塗りたいところです。
とは言っても、ROCOのABSは経年劣化が著しく、すぐに割れるので分解は怖くてできないです。
バッファは金属の挽物だったのですね!
初めて気づきました。
やっぱりナンバーはいまいちですね。
走りの方は当時の平均的なものです。
BR 74.4-13はメルクリンの二代目製品も、初心者向けの位置づけであり、現代の精度の製品は無いので、新しい製品も欲しいところですね。
2023/8/20 記
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