ドイツ連邦鉄道 DB 重貨物用テンダー式蒸気機関車 BR 45 020号機 (TRIX 22102)

 今回はドイツで製造された最大の貨物用蒸気機関車BR 45を紹介します。

<BR 45主要諸元>

 型式:1'E1'h3、バッファ間距離25,645mm、、運転重量125.5t、軸重19.7t、軸配置1E1、動輪径1,600mm、過熱式三気筒、出力2,059kW、ボイラー圧力:20bar、最高速度90km/h

 DRGは幹線の重貨物輸送のさらなる高速化、重量化を図るため、BR 45を開発しました。

 BR 45は、BR 44(1,400mm)よりも径の大きい動輪(1,600mm)を採用し、最高速度が90km/hになりました。

 また軸配置1E1を採用し、軸重はBR 01よりも小さい19.7tを実現しています。

 なお、ドイツでは1E1のテンダ機はBR 45が唯一の存在です。

 また高出力を実施するために、20barの高圧ボイラーが採用されています。

 しかしこの当時使用されていたSt47K鋼は、短期間で経年劣化してしまうという致命的な問題がありました。

 それでも最良の場合、BR45はBR 44よりも580馬力(25.3%)上回りました。

  BR 45はDRGの最強力かつ最速の貨物用蒸気機関車になりました。

 生産はヘンシェル社で行われ、1940-41年の間、26輌が製造されました。

 計画では138輌が製造される予定でしたが、戦争の激化により、このように用途の限定される機関車ではなく、より軸重が低く一般的な戦時型が必要とされたからです。 

 BR 45は南ドイツに集中配置され、急行貨物や急行列車に使用され、高性能を発揮したもののすぐに大きな問題が顕在化しました。

 と言うのも、BR 45のボイラーはあまりにも巨大であり、7500mmという長大な加熱管に損傷が続出したからです。

 そこで早くも1942年にはボイラー圧力を16barに下げる必要がありました。 

 あとBR 45は火室が巨大でかつ、ストーカーを搭載しなかったため、火夫2名乗車だったようです。

 いずれにしても1945年5月時点で3輌しか稼働していませんでした。 

 上記のようにBR 45のボイラーには構造欠陥があったため、戦後10輌のボイラーが更新されました。

 またうち5輌にはストーカーも搭載されています。

 しかしそれらの努力も空しく、1955年にはほぼすべてが廃車となりました。

 なお、こちらの020号機はボイラーが更新されなかったこともあり、1949年にはブレーキ機関車として使われていたようです。 

 他方、ボイラー更新及びストーカを搭載した45 010と45019は、その後もブレーキ機関車として残りました。 

 そして試験に使用されるとともに、時々BR 44に代わり、重急行貨物列車を牽いたそうです。 

 最終的に45 010は1968年に引退しました。

 その後もDB Museumで保存されておりましたが、2005年の大火災に巻き込まれ、無惨な姿になってしまいました。 

 しかし、2012年に外観のみ復元され、現在も保存されております。 

 以上、Wikipedia独語版 DR-Baureihe 45より引用、参照させていただきました。

 それで模型の方ですが、特殊な大型機関車ですので、HOの量産模型では過去、2種類の製品が作られただけです。 

 Modellbau-wiki によりますと、最初に発売されたのはLiliputで1977年のことでした。

 この製品は当時非常に高価だったことを覚えています。 

 Liliputの製品は、その後何度も再生産されました。

  一番最近では2013年にも生産されているようです。

 またBachmann版では、ボイラーが更新されたタイプも発売されたようです。 

 一方、こちらで紹介するMärklin/TRIXからは、2002年に完全新規製品として発売されました。

  Märklinはインサイダー製品だったようです。

  Märklin/TRIXの精度が急激に向上した時期だけあって、大変良く出来ていますね。

 

 金属製のデフは薄さはもちろんのこと、質感や強度の面からも優れます。 

 ボイラーがダイカストなのがいいですね! 

 レタリングもきれいです。

 車番の周りの白枠は何を意味するのでしょうか?

 上記、Wikipediaの記述ではこちらの20号機は、ボイラーが更新されず、早々にブレーキ機関車になっていたようですが。 

 

 Märklin/TRIXの製品にはこのように窓ガラスが黄変してしまうものがあります。

 これは防ぎようがありません。 

 

 

 長大なテンダー。BR 01.10と同じものでしょうか? 

 火夫が2名乗車とのことですから、石炭の消費量も多かったのでしょうね。 

 分解が簡単なのはMärklin/TRIXの特徴です。 

 こちらはC-Sineでしょうか?

 ずいぶん小さいモーターですね。

 何れにしてもこのような特殊モーターは、アナログパック推奨です。


2023/8/7 記 

 

 

 

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