ドイツ連邦鉄道 DB 試作旅客用テンダ式蒸気機関車 BR 10 001号機(Märklin 37080)

 今回はドイツ連邦鉄道の試作に終わった高速旅客用蒸気機関車 BR 10を紹介します。

<BR 10主要諸元>

 型式:2'C1 'h3、バッファ間距離:26.503m、運転重量:108.9t、軸重:22.4t、軸配置:2C1、動輪径:2,000mm、過熱式三気筒、出力:1,839kW、ボイラー圧力:18bar、最高速度:140km/h

 BR 10は1949年に発足したドイツ連邦鉄道が計画していた高速急行用蒸気機関車です。

 1949年頃より計画が持ち上がりましたが、具現化されたのは1955年になり、すでにその時点では蒸気機関車は過去の存在となっていました。

 結果として、BR 10は僅か2両のみがクルップ社で製造されました。

 1957年に001、1958年に002が完成しました。

 この機関車はBR 01、03、18.5、39を置き換えることを目的としておりましたが、性能試験の結果は、当時登場した近代化の旗手BR E 10やBR V 200の方が技術的に優れていることが確認され、蒸気機関車時代の終焉を示したものになりました。

 BR 10はBR 01.10 DB Umbauと同じ思想の溶接構造のボイラーが採用されました。

 当初001号機は石炭炊き、002号機は重油炊きでしたが、後に001も重油炊きに改造されました。

 石炭炊きの001は出力 1,839kWを発揮しましたが、石炭炊き+重油補助燃焼では2,210kWという数値を出したそうです。

 また、上記消費量が少なく、ベストな値を記録しました。

 本機は300tの急行列車を140km/hで牽引しましたが、他方、軸重が22.4tと非常に大きく、使用可能な線区が限られたものになりました。

 たった2輌しかないBR 10ですが、実際に運用に投入されました。

 1965年5月から1967年まで電気機関車牽引の列車に置き換えられるまで、BR 01.10と共に、マイン・ヴェーザー線の急行列車に投入されました。

 また001号機はミュンスター発着の着の急行列車E 387/687(E688/388)をほぼ連続的に牽引し、1ヶ月間に限り、特別な許可を得てラインまでの軸重20トンの路線へ乗り入れたとのことです。

 本気は破損しやすいと言われていましたが、実際にはそれは必ずしも正しくなく、たった2輌しかないため、部品の手配には苦労したというのが本当のようです。

 実際、002号機は、1966年12月20日にカッセルからキーセンへ向かう急行列車を牽引中、駆動装置が損傷し、1967年1月に引退しました。

 一方、001号機は、1968年1月5日にワールブルク手前で、急行列車E 387を牽引中、スライドロッドが破損し、1968年6月21日に引退しました。

 廃車顎、002号機は暖房機関車として使われた後、1972年に解体されましたが、001号機は現在でも静態保存されています。

 以上、Wikipedia 独語版 DB-Baureihe 10より引用、参照いたしました。

 それで模型の方ですが、Modellbau-Wiki DB-Baureihe 10 等によりますと、一番古いのが1977年のRivarossi、その次が1983年のLima、続いて2000年のMärklin、2001年のTRIX(Märklinと同じ)、それから2011年のROCOと、たった2両の試作機にしてはたくさんのモデルが出ています。

 ROCOはドラフトをスモークで再現しているすごいモデルでした。

 こちらのMärklinですが、確か同社初のスチームサウンド機関車だったのではないでしょうか?

 後のものとは違い、玩具的なサウンドですが、光センサーでドラフトの間欠を再現しているようです。

<各部のディテール>

 主要部はダイカストです。

 質感は最高ですね!!

 動輪もシャープですが、BR 01.10と同じかも?

 ロッドや動輪の色が良いですね。

 銀のラインもバッチリです。

 高速機なので、密閉キャブですね。

 キャブ手すりは金属です。

 急曲線用のカバーも別添されます。

 変わった形状のデフですね。

 弁装置は精密です。

 のっぺりとした側面です。

 パイプ類は直線が出ていて好感が持てます。

 メーカーズプレートはきれいに印刷されています。

 高速機関車なので従輪も両ブレーキなのですね。

 アルミサッシ窓の蒸気機関車は、BR 10だけでしょうか?

 DBタイプの密閉キャブです。

 バタフライスクリーンはないのですね。

 後進時の視界は良くないですが、高速機関車なので必要ないのでしょうね。

 テンダーの台車もすごいディテールですね。

 本気だけに採用された2'2'T40テンダーです。

 台車も独特な形状ですね。

 サウンドはなんともがっかりですが、車体はすごくいい感じです。

 うちでも滅多に登場機会がありませんが、大切にしたいと思います。

2023/8/9 記

2025/8/28 写真配置変更


 

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