鉄道模型 自由形車両の規格って、16番、J、HO???
このところ、ひょんなことから日本型の自由形車両を入手しました。
初心者にはうってつけの自由形って、Nの登場以降、ほとんど見なくなりましたよね。
それもそのはずで、模型鉄道業界における自由形車両は、ひたすらコストダウンの対象だからです。
OやJは昔から金属製の模型しかなかったので、製造にコストがかかり、かつ急曲線の通過には障害を生ずる、スケールモデルよりは全長が短く、軸数が少ない急曲線に対応できる小型の機関車は製造コストを下げるのに絶大な効果があったのでしょう。
カツミ、つぼみ、中村精密、カワイなど、当時の有力メーカーはこぞって自由形車両を出しておりました。
しかし、Nの時代が到来し、金属製の手作りから、樹脂・合金の量産製品へ切り替わったこと、またNはもともと旧曲線対応が取れていたことから、自由形の意味が薄れてしまいました。
Nにも自由形はありますが、昔の位置づけとは異なる気がします。
さて、今回入手したのは3種類です。
凸型は大変珍しい?鉄道模型社の名鉄風凸型電機 102 3,800円
箱型は、初心者向けモデルを数多く発売していたカツミの中ではマイナーなEB4539です。2,100円
つぼみのBタンクは不動で、片側ロッドなし、ライトなし、半田が外れたり、塗装が剥がれている完全ジャンク品 800円でした。
この中ではつぼみのBタンクが一番メジャーでしょうね。
塗装の状態が悪いのでここまで剥がしました。
最初モーターも回りませんでしたが、反対側のロッドを自作し、整備した結果、なんとか走るようになりました。
さて、これらですが、一体何の規格でしょうか?
間違いないのは16番です。
16.5mm軌間を走るからこれは当然ですね。
でも、16番とは、HOもOOも含まれるすごくアバウトな決まり事であり、中心値や許容範囲が示されていないとても規格とは呼べない代物です。
ではJなのか。
Jの規格は1/80の車体に16.5mmの軌間ですから、一概に間違いとは言えない気がします。
同様にHOとは全体の縮尺が1/87で、1435mm軌間を16.5mmで、狭軌の模型は縮尺ではなく、線路幅を変更し、表現します。
呼称や標記としては、HOの文字の後に軌間を表す添字追加します。
もしこれらの自由形がHOであるならば、標準軌の車両となるわけですが、そもそも自由形とはオリジナルが存在しないのだから、縮尺を定義できないので、JでもHOでもないことになります。
ということで、結論として自由形は16番と称する以外にはなさそうです。
車両限界からの推察も考えましたが、車両限界は軌間が異なれば異なるし、もっと厄介なのは同じ軌間でも全く異なることがあるので、判定の切り札にはなりません。
強いて言えば自由形と言っても、モデルにした車両があることがありますので、カツミのEB58はJのEF58と比べて断面が同じだったらJだし、もっと小さくて1/87の誤差範囲だったら、1435mm軌間の自由形車両として、HOの仲間に入れてもいいと思います。
同じ意味で、手持ちの類似の車両と並べてみました。
まずは凸電です。
最も有名なDB BR E 69と並べてみます。
車格からするとHOと言ってもおかしくはないサイズ感ですね。
次にEB4539。
前から見た図がEF15っぽい気がしたので、前面を比較しますと、なんと断面はEF15よりも大きいように見えます。
車体下部のラインは僅かにEB4539の方が高いですね。
屋根高さはEB4539の方が高いくらいです。 連結器の高さはバッチリです。 ちなみにEF15は天賞堂の真鍮製品です。購入時からパンタに難ありなのが残念ですが、フライホイール付きでした。
最後につぼみのBタンクです。
つぼみの蒸機は比較すべき車両がありませんので、ドイツの古典機であるPikoのDRG BR 89 251 (ザクセンHT)と比較してみました。
車幅はHOよりも小さいですが、キャブが大きいのでJかな。
やはりHOに比べると、つぼみのBタンクのキャブは大きいです。
まあ、どーでもいいことかもしれませんが、せっかくなので考えてみました。
というのも、実は今回の企画にはもう一つ理由がありまして、家族がHOjの自由形車両を作っているんです。
どうやっているかというと、Jの車体に12mmの足回りを取り付けています。
正統派HOjの方からすれば、到底許せないかもしれませんが、そもそも自由形はオリジナルが存在しないのだから、どこまでが許容範囲なのか、考えてみるのも面白いと思いました。
こちらは、ハセガワのJの江ノ電の車体に、12mmの足回り(なんとKATOのEF81 品番3010 の改造!)を組み合わせた自由形電車ですが、実物が小型なだけにサイズ感からするとそれほど違和感が無いように思います。
こちらのアルモデルのJの小型凸電もやや幅広ながら、HOjの貨車と並べた際に違和感は少ないように思いました。
実際、RhBの小型電気も似たようなサイズ感ですしね。
残念ながら、Jのパンタを使わざるを得なかったので、パンタがでかいのはマイナスですが、HOJのパンタは高いので、仕方ないかもしれませんね。
いっそ欧州型のパンタを載せても良かったのかも。
何よりも、一両数十万円も出さないと手に入らないHOjの車両を手に入れることができるというのは大きいと思います。
それに、最初から手が出せないと諦めてしまうのではなく、自分でできる範囲で工夫してなんとかしようというのは、我が家族ながら大いに見習うべきと思いました。
出来ない理由ばかりを考えて、髀肉の嘆を囲っていても、虚しくなるだけで何の進歩もありませんので。
そういう意味で猫屋線のHOj化なんか面白そうですね。
私も頑張らなくては。
2023/6/29 記
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