げに恐るべし プラの経年劣化、結晶化 その1 251系SVO (KATO 10-177)




 最初、Nから始めて、HOもやり始めましたが、大きなトラブルに遭遇しました。

 まず1件目は、KATOの251系SVOです。

 1990年代の古い製品ながら、良い出来で気に入っている車両でした。

 私がNに復帰した頃に買いましたが、これはまだ持っています。

 標準で室内灯装備のバブル期仕様ですね。

 ところで、本製品は分解しにくいことでも有名で、同社製品でもトップクラスにやりにくいことで知られます。

 実際、分解時に壊れたなんて記事も見たことがあります。

 そこで今回、Web検索してよく知らべてやりました。

 こちらを参考にいたしました。

 注意すべき点が記載されており、大変参考になりました。

 この場をお借りして御礼申し上げます。

 さて先頭車から分解しましたか、ポイントの一つが、床板の爪を外すところです。

 ここが実にわかりにくく、またなんでこんな構造にしたのか、大いに疑問です。

 さっそく上記指示通り、傷がつかないようにプラドライバーで爪を動かしたところ折れてしまいました。

 直感的にプラABSの経年劣化、結晶化が想定されたので、以降の作業は慎重に行います。

 この製品の分解、組み立ての最も難しいのは上部車体の外し方で、上記記事通り、後方にずらして前照灯レンズを外すところです。

 どういうわけか車体前下部のスカートで止められている黒い部品の穴をレンズが通っているのです。

 だからレンズを後方に下げてから抜かないと、この部品のせいで、レンズが破断してしまうのです。

 こうしないと上下が固定できないわけでは決してありません。

 なんでこんな生産性を下げる組みにくい構造にしたのでしょうね。

 その他、テールライトの導光体もとても抜きにくく、あとから車体に入れることができないのも、ものすごくやりにくいです。


 ともあれ後方に下げるのが大変でしたが、なんとかバラしました。

 それでまずは室内灯をLED化しようと思ったのですが、251系は別売の室内灯とは異なり、専用のネジ止めのライトカバーになっております。

 まずこれを外すときにトラブルが発生しました。

 ネジを外したら、室内部品が欠けてしまいました。

 先程の爪同様、相当ABSの結晶化が進行しています。

 これ、すごい成形と思いますが、加工はしにくいですね。

 私は後方へ貫通している穴を拡径し、その穴を裏側から切って、LEDの線が後方ではなく、ライトカバーの下側から出るようにしました。

 それで車体右側に抵抗(安全を見て1kΩ)をつけました。

 車体後方は窓がないのでいつも通り側面側につけたのですが……、251系は側面の隙間がなくて、干渉してしまうのです。

 仕方ないので部屋の中につけました。

 接触不良を避け、銅板にはんだ付けしました。

 これで分解はしにくくなりますが、しかたありません。

 それにしても251系は狭いです。

 ブリッジダイオードを組みたくないので、今回は無極性LED+抵抗で行きましたが、あの車体にどうやってブリッジを入れたのでしょうか?

 こういうのができる方は尊敬しますね。


 次に前尾灯のLED化ですが、これも狭い場所なので、実に大変でした。

 どうしてLEDの線はあのように硬いものなのでしょう。

 普通のリード線ならずっと楽なんですが。

 

 これも相当時間がかかり、改造しました。

 そこで車体を組み直そうと思い、前尾灯LED基板を室内部品に組んだところ、うまくハマりません。

 何度かやっているうちに室内部品が砕けてしまいました!

 ほとんど力を入れていないにも関わらずです。

 これには本当にまいりました。

 幸いなことに室内部品のうち、台車止めのネジが生きていればまた組めそうです。

 そこで、ゴム系接着剤で仮止めして、なんとか組みました。

 

 KATOのプラ部品(ABS)が経年劣化することは知識として知っていましたが、まさかこんなに脆くなっているとは。

 まるでガラスみたいですよ。

 幸いなことに今回劣化していたのは両先頭車の室内部品だけで、ボディは無事でしたから助かりました。


 結論として、251系など、古い製品の分解はお勧めできないですね。

 なお、251系のLED改造記事は、いずれ上げたいと思います。


2023/4/30 記



 

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