極私論 デジタル模型鉄道について

 大きなトラブルがありましたので、ここいらでデジタル模型鉄道について、当方の体験談と極端な意見を記そうと思います。

 

<はじめに・注意事項>

 従前の当方原稿通りです。

 あくまで私個人のものであり、どなた様に強制するつもりもなければ、賛成していただくつもりも皆目ありません。

 

 私の中では正しいと思っていますが、他の方にはそうでない可能性が高いです。

 現状認識も含め、模型鉄道界において、常に異端の位置にあるDB103の偏った考えです。

 

 一方、個人の考えは尊重すべきであり、好みに起因する不毛な正誤論争をする気持ちは、これっぱかしもありませんので、本稿については指摘も反論もお受けしません。

 こんな意見もあるんだな、くらいの軽い気持ちで読み流していただくようにお願いします。

 

 そこを受け入れてくださる方のみ、お進み下さい。

 そうでない方は不快な思いをする可能性がありますので、誠にお手数ですが、ブラウザバックをお願いします。

 

 

 あくまで個人的な意見に過ぎませんが、日本ではデジタル模型鉄道について、少数の礼賛派と更にそれよりも少ない否定派の真っ二つに割れているような気がいたします。

 そして大多数の方は、全く関心がないという図式ではないでしょうか?

 

 これはデジタルというものの宿命であり、どうしても0か1かという事になってしまうからかもしれません。

 率直な話、私は後者に与します。


 最初に述べておきますが、率直に言ってデジタルって、従来のアナログに比べますと、相当リスクがあります。

 ですが、従来のアナログでは絶対にできなかったことが出来ます。

 よって、デジタルを肯定するかしないかは、ひたすらその人の価値観に他なりません。

 リスクを重視するのか、それともメリットを重視するのか。

 それは一人ひとりが考えるべきことであり、誰にも強制できるものでも、また強制されるべきものでもありません。

 従来同様、今回の私の文章もあくまで偏った考えの一つに過ぎず、また誰にも支持してもらおうとも思いません。

 読んでくださった皆様の少しでも参考になればと思います。

 

 それで結論を急ぎますと、私はデジタルには価値を見いだせませんでした。

 あくまで私個人に取っての話ですが、得られるメリットに対し、実際に発生したトラブルやリスク、被害のほうが大きかったからです。

 こちらではどうしてそのような結論に至ったのか、経験談を中心に書きたいと思います。

 

 

1.デジタルトラブル履歴

 まずは当方が実際に経験したトラブルを列挙します。

 期間としては、2012/12~2023/3ですが、積極的に活動していたのは2015年頃までであり、その後は低調でした。

 実際にはもっとあったと思いますが、よく覚えていません。

 約3年間とするならば、決して少ない数ではないと思います。

 

(1)再起不能あるいはそれに近いもの

 A:メルクリン 37929 DB BR 41デコーダー破損

  mfx、フルサウンド

  運転中突如停止、そのまま不動。詳細は当方ブログ参照お願いします。

  原因:デコーダーの焼損?

 

 B:メルクリン 37580 DB BR 491ガラス電車 動作不良 

  mfx、簡易サウンド

  走行中、突如として、動作不良になった。

  ノッキングが頻繁に起き、スムーズに走らない。

  その後、前照灯のLEDが1灯切れた。

  原因は不明です。

 

(2)とりあえず復帰したが、いつ再発するかわからない

 A:メルクリン 37228 DB BR 194 暴走

  mfx、フルサウンド

  走行中突如として暴走し、制御できなくなった。

  緊停を押して、再起動したところ正常に復した。

 

 B:ROCO K.Bay.Sts.B. BB II 暴走

  DCC、サウンドなし

  改造車(当方ではない)

  上と同様の事態が発生したが、同様に正常に復した。

 

 なお、原因不明の暴走は、他のDCC機やデルタ機でも発生している。

 

 C:メルクリン 37753 SJ Dm 3 突然停止

  mfx、フルサウンド

  MS2で運転中、突然停止してしまった。

  その後、MS2では全く認識できなくなった。

  ただし、CS2では認識できたため、CS2で使用している。

 

 D:TRIX DB BR E 10.3

  DCC、簡易サウンド

  動作はするが、サウンドが動作しなくなることがある。

  時間を置くとまた作動することある。

 

(3)無知による故障

 A:ROCO DR BR 18.201

  DCC、フルサウンド

  LokSound改造車(当方ではない)

  いじっているうちに、デコーダーがショートしてサウンド機能がパーになった。

  素人改造なので、ショート対策が極めて不十分だったが、そこまで考えが及ばなかった当方の無知が原因。

 

(4)初期不良

 A:メルクリン 31010 K.W.St.E. K型蒸気機関車

  mfx、フルサウンド

  個人輸入するも全く認識せず。

  確認したところ、21ピンデコーダーが部品に押されてソケットから抜けていた。

  再度はめ込んだところ、問題なく動作した。

 

 B:ROCO DB BR 151新

  DCC、フルサウンド

  個人輸入したが、走行と点灯はするものの音が出ない。

  確認したところ、角型スピーカーが基板から外れていた。

  このスピーカーは配線されておらず、はめ込んであるだけだった!!

  おそらく輸送中の振動で取れたものと思われる。

 

(5)制御機器

 A:MS2機関車データーベース使用不能

  原因はBR 41のデコーダー破損?

  顛末は当ブログ参照お願いします。

 

 B:MS2 mfx機関車認識せず

  北米用ノイズキャンセラーが原因??

  顛末は当ブログ参照お願いします。

 

(6)その他

  A:MS2で認識出来ない

  メルクリン 37778 DB BR 403 IC mfx、フルサウンド

  上のDm 3同様、CS2では認識した。

  そこでLOCOカードを使って、CS2→MS2へDATAを移行したところ、使えるようになった。

 

 B:Ditchライト動作不良

  Athern SD70ACe DCC (tsunami)、フルサウンド

  片側しか点灯しないことが多い。しかし思い出した頃に点灯することもある。

 

 

(番外篇)

 A:LED切れ

  デジタルではないが、欧州のメーカーがLEDはメンテナンス・フリーなんて言ってるけど、私は全く信用していない。

  実際に切れた例:メルクリンガラス電車 室内灯、前照灯、KATO J D51テンダーライト、天賞堂J D51 498 キャブライト、KATO 14系レインボー標識灯

 

  もちろん電球も切れたことが多々あるが、こちらは修理が容易。

  と言うか欧州製品の場合、電球交換の手順がマニュアルに記載されていることが多い。(全てではない)

  LEDとは異なり、初めから切れることを想定した構造になっている。

  反面、チップLEDの修理は、少なくとも私にとってほぼ不可能に近い。

 

 これ以外にも、当方のミスによるトラブルがありましたが、これらはデジタルの本質的な問題ではないので省略いたします。

 

 ということで、私が経験したトラブルの多くは、取扱い上のミスではなく、ユーザー側では避け得ないものばかりであり、それもデジタルの本質にかかわる問題が多く発生したというのが、個人的な感想です。

 

 

2.デジタルの特徴について

 前提として、私はオーバルしか持っておりません。

 従って、デジタルのメリットと言っても、複数運転やヤード操作などは初めから行うことが出来ません。

 よって、一般的な感覚とは相当乖離していることをお許しください。

 

◎サウンド

 私が考えたデジタルのメリットは、サウンド、そして速度変化の2点です。

 正直な話、蒸気機関車のサウンドには当初、度肝を抜かれました。

 細密化が進み、また走行性能が格段に改善された模型鉄道にとって、もっとも弱点と言うか、最後の課題を遂に克服したという感じでしたので。

 とは言うものの、蒸機のサウンドに関しては、その後ほとんど改善されていないように感じます。

 私がもっとも不満なのは蒸機の絶気音がないことです。

 実際には急減速すると一瞬絶気になりますが、すぐにドラフト音に戻ってしまいます。

 実物は決して一瞬ではありませんので、常に力行というのには違和感を持ちます。

 また出発時のドレイン排出音も短すぎます。

 そしてメルクリンですが、この音は単独での設定はなかったと思います。

 更には給水ポンプ音、火格子音やシャベルの音など、ランダムに入りますが、これは任意に出力すれば良いことで、自動で入れる必要はないと思います。

 もっと言うならば、これらの音は模型としての音であり、実物ではまず聞こえないでしょう。

 これを模型ならではのエンターテイメントと捉えるのか、実車とは違うと捉えるのかは個人によって価値の差異がありそうですけど。

 ディーゼルは割とよく出来ていると思います。

 電機はその点全くダメで、ドイツの電機は実物をほとんど見たことがありませんが、モーター音は実感が不足しているように感じられます。

 特に気になるのは、メルクリンのBR 103で、モーター音が速度に比例しないのですが、こんなことはあるのでしょうか?

 少なくとも日本の車両は、全てモーター音は速度に比例します。

 またドレミファインバーター音も実車とは大分違う気がしますね。(あくまで動画で見ただけで、実際には持ってませんが)

 その割には抵抗器のカム音などが大きすぎる(これは蒸機と同じエンターテイメントですが)気がします。

 ブロワーの音は概して良いと思います。

 そして決定的なのは、電機にも惰性走行音がありません。

 インバーター式の電機や電車でも惰性走行はあるはずですので、これは実感をスポイルしているように思います。

 あと設定なのでしょうが、ブレーキ音は良くないです。

 特にメルクリンは相当急ブレーキをかけない限り、ブレーキ音がしません。

 実車はそんなことはないですよね。

 あとレールのジョイント音が収録されている車両もありますが、模型のモーターノイズが大きすぎたり、サウンドが小さすぎて聞こえなかったり、そもそも速度にきちんと比例しないものもあります。

 実物においてジョイント音は最も鉄道らしさを感じる音と思いますが、模型鉄道で発生するジョイント音はHOではあまり実感的ではないので、私個人はジョイント音こそ充実して欲しいような気がします。

 というのが、2015年頃までの私の感覚です。

 

 それから大分時間が経過しましたが、これらの効果音は一向に改善されません。

 詳しくは知りませんが、少なくとも蒸機の絶気音は、天賞堂カンタムしかなかったはずです。

 むしろ特にメルクリンですが、サウンドをエンターテイメントの方向ばかりに引っ張っています。

 その極端なのが、寝台車のうがいやトイレの流し音、いびきやゲップの音など、およそ普通の日本人には趣味の悪い音としか思えないようなサウンドです。

 少なくとも私はこんな音を模型の世界で聞きたくはありません。

 

 またITの常として、普及によるコストダウンを期待しましたが、これは全くありませんでした。

 サウンドデコーダーなど、高価になる一方です。

 以上、デジタルサウンドについては、欧州でのユーザーと、私が求めるものが違うことが、価値を見いだせなくなった原因のようです。

 

 

◎速度変化

 アナログメルクリンは電圧降下の影響が非常に大きいですが、少なくとも我が家ではデジタルの方が電圧降下の影響は少ないです。

 また加減速調整など、デジタルのほうがスムーズに走ります。

 ただDC2線式なら、パルス式パックでも同様な対策は取れますので、絶対的なアドヴァンテージではないと感じます。

 

 

◎線路の汚れ

 デジタルの方が汚れにくいと言われていますが、うちではアナログとの差異をあまり感じませんでした。

 むしろデジタルは線路の汚れには相当敏感で、ROCOのBR 151新などすぐに集電不良を起こして止まります。

 

 

◎デジタルファンクション

 これについては、大いなる期待を抱いた方も多かったでしょう。

 とうの私もその一人で、始めた当初、ROCOのパンタ可動のBR 110とドア開閉客車を買いました。

 しかし、これも結局は徒花で終わりそうです。

 確かにROCOが発売したそれこそ踊る除雪機など、コンパクト技術の賜物ですが、これらのギミックには致命的な欠陥がありました。

 それは壊れやすいということ。

 そして壊れてしまったら部品の入手や修理が困難だということです。

 ファンクションというとESUの高級機が思い浮かびますが、同社の可動パンタは非常に壊れやすいようです。

 実際、中古市場において、パンタが壊れてしまったBR 151などよく見かけます。

 まさしく、論より証拠です。

 実際、ドア開閉客車など、全く普及することはありませんでしたし、パンタの可動もESU以外にはほとんどありません。

 これらの事実はHOにおけるファンクションの限界を物語っているように感じます。

 なお、サウンド以外のデジタルファンクションの中では、発煙とデジタルカプラーだけは生き残りそうですね。

 発煙は古いテクノロジーですが。

 

 

◎制御機器

 各社とも大変素晴らしいものを出しております。

 しかし、ユーザーの囲い込みばかりが進行していて、コストダウンや普及ということには全く目が行っていないのが残念です。

 実際にはパソコンやスマホでコントロールするような機材はありませんから。

 具体的にはパソコンにボックスを接続し、パソコン上で制御するわけです。

 パソコンやスマホの普及ぶりから考えれば、この作戦はもっともコストダウンに繋がりそうですが、個人制作のものを除いては、無いと思います。

(ROCOのZ-21がそれに近い気がしますが、電波法に引っかかるため、欧米仕様は使えません。日本仕様はスペシャルな為高いですし。いずれにしても私が意図するのはもっとパソコンを有効に使うイメージなので、Z-21とは違います。またCS2/3もスマホが使えると思いますが、スマホは単なる操作端末なので、イメージは違います。)

 

 

◎線路関係

 従来、配線を引き回さなければならなかったことを考えれば、ポイントデコーダーなど、画期的な出来事です。

 ある意味、もっともデジタル化による恩恵の大きい世界でしょう。

 これは信号機も一緒です。

 ですが、これらを実現するためのコストはものすごく高いです。

 また自動運転に使う装置については、デジタルにも関わらず、配線を引き回さないと使えないのは、本末転倒ですね。

 

 

◎故障修理

 デジタルは電子部品から成っています。

 従って、必然的に寿命が存在します。

 電子部品の中でもっとも寿命が短いものは、電解コンデンサー、電池です。

 これらがだめになったら使い物にならなくなります。

 修理しようと思っても、大昔のラジオなら直せたかもしれませんが、現在のように集積度が上がってしまうと、基板上の部品を交換するなんてことは不可能でしょう。

 よって、デジタルの修理とは基本的に、デコーダーをそっくり交換することになります。

 単なるデコーダーの交換だったら、個人でもなんとかなるかもしれませんが、今回のBR 41のケースのように、トラブルの原因を断定できない場合や、そもそも交換用のデコーダーが入手できない場合は、メーカーに送り返すしか修理の方法はありません。

 BR 41で言えば、純正のデコーダーは品切れになっておりますので、元通りにはなりません。

 第一、往復送料を含んだ修理に要する費用は莫大なものとなります。

 下手すると新車が買えるくらいの費用がかかるでしょう。

 それを嫌って、自分で修理するにしても、相当な知識と腕前、そして相当なお金が必要です。

 原因がはっきりせずにデコーダーを変えてもまた燃えてしまうかもしれません。

 詳しいことは知りませんが、21ピンと言っても配線自体は色々あるようですし。

 

 世の常でデジタルの進化は著しいです。

 デコーダーが寿命を迎えたとして、その時には互換性のある製品が存在するとは限りません。

 現にこの十数年でさえ、コネクタも8ピン→21ピン→22ピンのようにどんどん変わってしまっています。

 だからデコーダー交換も難しい場合もあります。

 そしてメルクリンのCサインモーターのような特殊モーターの場合、今後、適合するデコーダーが入手できるのか、全くわかりません。

 模型鉄道の寿命は概して50年以上と大変長いのに、電子部品の側が全く追いついていないのです。

 メーカーはそのたびに買い替えてくれって言うのでしょうが、こんな高額商品を簡単に買い換えられるのは、ごく一握りの人間しかいないでしょう。

 

 

 ここまで書けば十分ですよね。

 要は本質的に求めるものが私とは違ったのです。

 私は模型鉄道に長寿命、安定性を求めますが、デジタルはそういうものではない。

 かけられるコストには上限がある←とてもとても追いつくようなものではない。

 

 ということで、少なくとも私個人の話ですが、デジタルには投資しただけの価値を認める事は出来ませんでした。

 

 

 実際、デジタル化は欧州の模型鉄道事情を根底から覆してしまったように思います。

 欧州におけるここ10年でのデジタル化の進展は著しいものがあります。

 反面、デジタル化によるコスト上昇は模型趣味人口の減少を生み、日本と同様、模型店の大幅な減少を招きました。

 実際、ドイツでもLippeのような大型店ばかりが栄え、昔ながらの模型店はどんどん数を減らしているようです。

 もちろんこの原因はデジタル化による大幅なコスト上昇だけではなく、少子高齢化、日本とは比較にならないような格差の拡大、インフレ、鉄道自体の斜陽化など、もっと大きな社会要因が相まっての出来事ですが。

 ただ、現実的に今まで考えられなかった製品が多数供給されている割には、市場自体は縮小しているという日本と同様、あるいはもっと極端に進んでいるように個人的には思います。

 極端な例かもしれませんが、メルクリンがそれまで考えられなかったような欧州各国の大型蒸機を毎年発売しています。

 これらの出来は素晴らしいの一言ですが、反面、価格も600ユーロ以上と、もはや一般人では簡単に手を出せるような代物ではなくなってしまったことが明白ですね。

 欧州のHOも日本のJと同じようにごく限られた富裕層だけのものとなりつつありますね。

 

 デジタルは欧州型模型鉄道の終わりの始まりとなったのでしょうか?

 いや終わりというのには語弊がありますね。

 ごく限られた人のために、より高機能、高品質化して行くのでしょう。

 その代償として、さらに高価になって行くのは間違いありません。

 

 翻って日本ですが、私の見ている極めて狭い範囲に限って言えば、デジタルはあまり進展していないように感じます。

 これは世界の中で唯一、日本はHOやそれに近似したスケールが主流ではなく、ユーザーの殆どがNであること、そしてそのNについては、一時DCCを推進していたKATOが、ほぼ撤退してしまったことがあると思います。

 Nですと、サウンドはHO以上に難しいでしょうから、狭い日本ではデジタルの必要性が低いのかもしれません。

 しかし、KATOがDCCから引いたのは、あくまで個人的な意見ですが、正解だと思います。

 上記のように、デジタル模型鉄道としては、DCCよりも遥かに長い歴史を持ち、単なる車両だけでなくシステムとしてもっとも完成されているメルクリンデジタルでさえ、これだけのトラブルがあるのです。

 日本とは異なり、欧州では壊れてもある意味当然と言うか、修理対応で済ませることが多いようですが、およそ世界で最もシビアな日本のユーザーに対し、あんな未完成で不十分なものを発売したら、それこそトラブルやリコールの嵐になることは火の目を見るよりも明らかです。

 企業が取るべきリスクとしては、あまりにも大きいので、逃げてしまったのだと思います。

 まあ、企業とは顧客のために存在しているわけではなく、株主の持ち物なので、そんな事態は株主利益に反すると判断するのは、この時代当然ですけど。

 そういう意味で、新たにDCCに手を出す大手企業は多分無いような気がします。

 現にKATOはほぼ手を引きましたし、TOMIXやマイクロ、アクラスなどは最初から全く相手にしておりません。

 天賞堂カンタムなんて言っても問題は相当ありますし、あれだって海外品の導入ですよね。

 

 一部にはこれでは世界との差が開くばかりだとの意見もあります。

 確かにそれも事実ではありますが、容易に想定しうるリスクを鑑みるとやむを得ないと私は思います。

 

 いずれにしても、現在の模型鉄道用デジタル機器の信頼性や確実性は、日本の求めるレベルには達しておりません。

 一方、この分野では遥かに先を行く欧米では、デジタル機器に対する信頼性や確実性が問題視されることはなく、より高機能を求める方向にあります。

 問題視されないのですから、日本では確実に問題となるであろう信頼性や確実性が劇的に改善されたり、普及のためにコストが下がることもないでしょう。

 実際、ここ10年間、この点については何ら改善はありませんから。

 

 海外に頼れないならば、日本独自開発の必要がありますが、デジタルの世界は、知的所有権の塊であり、今更、後発すぎる日本企業が参加しても身動きが取れないと思います。

 仮に特許や技術的に解決しても、何しろ相手には40年の歴史があり、とうに追いつける範囲を超えています。

 何と言っても、国内には需要がありません。

 売れるわけもないハイリスクなアイテムに手を出す大企業なんかありません。

 そう考えますと、今後、一般に普及するような日本製デジタルはほとんど期待出来ないでしょう。

 結局、日本におけるデジタルは今までと同様、欧米製品に頼らざるを得ず、リスクを抱え、トラブル時は自己責任で対応するしか無いことになります。

 必然的にお金がかかります。

 

 その事実を鑑みるに、私のような金なし、技術なし、語学力なしの人間は手を出さない方が、無難と判断いたしました。

 

 ……って、以前の記事にも書きましたように、判断が遅すぎですよ。

 相変わらず馬鹿ですね。

 やっぱり、デジタルに手を出したのは、模型趣味人生最大の失敗でした。

2023/3/8 記

 

 

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