今どき1,540円!! HOj (1/87 軌間12mm) ワム50000キットの組み立て IMON その2

 と言うことで、IMON HOj ワム50000の組み立て 第二回です。 


 まずこのキットを組むにあたり、大切なことを確認する必要がありました。

 実はこのキット、一般のプラモデルとは異なり、スチロール樹脂ではなく、ABSで成形されております。

 確かに模型鉄道の世界では、強度があるABSを使うことが多いです。

 とは言いましても、あくまで私個人の体験でしかありませんが、ABSは結晶化の度合いが高く、経年で固くかつもろくなることが多いように感じます。

(特に欧州型の模型で顕著です)

 スチロール樹脂なら慣れたものですが、ABSとなると勝手が全く違います。

 接着剤に何を使ったらよいのか、迷いました。

 世の中にはABS用の接着剤はありますが、このような板キットを作る際には流し込みが出来る方が絶対に有利です。

 私は長年ラッカーシンナーを使っていますが、ABSは特定の溶剤に極めて弱く、最悪割れてしまう可能性もあります。

 そこで、安全を期してキットのランナーを用いて接着試験を行いました。

 その結果、特に問題なく接着できたので、ラッカーシンナーで進めることにしました。

 なお、もともとシンナーとは単体の化合物ではなく、複数の有機溶剤を混合したものです。

 従って、一口にラッカーシンナーと言っても、品種によって組成が異なり、接着できなかったり、最悪割れることもありますので、もしこの記事を読んで組もうと思う方は、事前に接着試験を行うことを強くお勧めします。


 話を戻しまして、金型費を安く上げるために、ボディは一体成型ではなく、いわゆる箱組になっています。

 一体成型するためには、スライド金型を使う必要がありますが、金型費が相当高くなりそうです。

 しかし、このようないわゆる箱組みキットは、接着時に車体がずれたり、歪み易いので、まずマステで仮組し、合いを確認しながら進めました。

 その結果、側板には大きな隙間も歪みも少なく組めそうでしたので、マステで位置決めをして、ラッカーシンナーを流すことにしました。

 まず車体ですが、私の場合、まず四面を貼り合わせてから、屋根を取り付けました。

 家作りと同様、シャーシーを組んでその上に車体を載せていくやり方もありますが、このキットの場合、おもりを載せた方が良いかどうかわかりませんでしたので、後から車体を外せるようにしたかったのです。

 幸いにも仮組みの結果、床板もバッチリでしたし。 

 またこのキット、時代的にドアが可動します。

 正直、ドアの開閉にはあまり意味がなく、弊害の方が多いと思っていますので、固定してしまおうと思い、はめてみたところぴったりとはまりました。

 そこで、そのままにしておくことにしました。

 なお、このドアレールの周辺にはバリがありましたので、取り除きました。


 接着が完了した側板を床板にはめ込んだところ。隙間もなくピッタリとハマりました。

 ラッカーシンナーを流し込んでやるとくっつきそうです。

 この作業は一気に接着するのではなく、位置を決めて少し固まってから多く流して溶着させます。

 流し込みの際に隙間が空いたり、位置がズレないように慎重に作業します。

 私の場合、僅かな隙間が空いて接着剤が表側に回って、表面が少しやられてしまいました。

 皆様は十分ご注意ください。

 合いの悪いプラモでは、瞬接で位置決めしてから、ラッカーシンナーを流すこともありますが、合いが良いので、私は必要は感じませんでした。

 なお車体四隅の接着面ですが、どちらかの側が凹んでいるのではなく、それぞれの端面が斜めになっているタイプです。

 このタイプは合わせ目の処理には有利ですが、ずれた場合はみっともないので慎重に行いました。

 接着したら水平な場所に置き、養生します。

 左側。ラッカーシンナーが表面に回って汚くなってしまいました。完全に乾いてから少しだけ削ります。

 翌日、完全に固着したことを確認してから屋根を載せます。

 屋根はやや中央が膨らんでいますので、マステで押さえつけて接着しました。

 接着する前に、屋根中央部の車幅部が少しだけヒケていますので、瞬接とプラ板で修正します。

 細かい作業ですが、やっておいたほうが良いと思います。

 屋根にも少しずつ流し込み、接着します。

 流し終わったら、水平なところに置いて養生します。


 ボディを養生している間に、下回りの製作に移ります。

 前回も書きましたが、このキットの軸受は金属製の一体部品です。

 これは実に良いです。

 実際、同時に組み始めたホビーモデルのワラ1は軸受が4箇所別々になっています。

 しかし、この位置をびしっと合わせるのは実に難しいです。

 また水平、垂直を合わせるのも同じくらい難しい。

 日本型はフランジが低いので、リジッドな軸受は歪んだら脱線の原因になります。

 その点、こちらは一体成型なので一軸は絶対に歪みません。

 更に、片側のネジを緩めに締めれば、三点支持っぽくなるかもしれません。

 この構造は欧州型の貨車にはよく見られますが、軸受も金属であり、摩耗にも強く、いい事ずくめです。

 惜しむらくはプレーンの軸受であることですが、プレーンにしては車輪は抵抗なくよく周りました。


 まず台枠ですが、このキットの台枠は軸受まで一体で成形されています。

 上記の通り、この台枠は単なる飾りであり、金属一体成型の軸受が強度部品なので、仮に台枠がゆがんだとしても走行には影響はありません。

 これはとても良いことですね。


 とは言うものの全く問題がないわけではありません。

 先ほど金型の痛みが少ないと書きましたが、上下の写真のように、この台枠は明らかに曲がっていますし、また金型が少々ずれているように見え、整形が必要でした。

 パーティングラインや金型のずれをデザインナイフを用い消しました。

 ここは裏返さない限りよく見えないので、あまり気にしなければ、ある程度でいいかもしれません。


 同様に床板側面のパーティングラインも消していきます。

 この床板に軸受一体成型の台枠を接着するのですが、金属製の軸受けを取り付けてから仮合わせしてみますと、横から見た際に傾き気味になりました。

 ここが傾いているとみっともないので垂直になるように接着します。 

 私は写真のように間に詰め物をして、台枠-プラの軸受が垂直になるように接着しました。 


 以下、続きます。


2022/12/2 記



 

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