欧州型模型鉄道はお勧め???
以前、あるHPにそのような記事が出ていたので、私なりに書いてみようと思います。
いつも通りのお約束ですが、以下は偏った個人の考えであり、誤認や間違いも多々あります。
あくまで一つの考えとして読んでいただけましたら幸いです。
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<欧州型HOはお勧めか?>
率直に言って、この質問に関しての私の答えは、唯一「お勧めしません」です。
理由としては、
1.品質管理が良くない
あくまで国内製品と比較しての話ですが、品質管理が全くなっていないです。
こちらにも何度も記しましたように、欧州型と付き合う以上、欠品や破損、動作上の問題など、何らかの問題が発生する可能性が極めて高いです。
他方、あくまで私の経験に過ぎませんが、日本の模型鉄道ファンの方は、大変細かいところが気になる方が多いように思います。
よって、「ノギスで塗装を確認する」ような方には、絶対に勧めません。
高額なものゆえ、精神衛生上極めて悪い影響がありますので。
はっきり言って、少々の問題は無視できる、あるいは多少の欠品、破損は自分でなんとかできるような方でないと、ストレスの原因になるばかりなので、足を踏み入れない方が無難だと思います。
2.資産価値はほぼ皆無
とは言い過ぎかもしれませんが、日本型に比べるとユーザー数が圧倒的に少ないため、そもそもの市場が小さいです。
その割には手持ちを手放す方が多いように見え、中古市場の価格設定は日本が世界で最も安いと思います。
したがって、自分が死んだ後に財産として……、なんてのはゆめゆめ思わない方が良いでしょう。
がっかりさせられるだけですから。
3.欲しい車種の入手が極めて難しい
昨今では欧州も完全な飢餓商法で、概して生産量が少なく、その機を逃すと入手できません。
ものによりますが、再生産のタームは概して長いので、次の入手は20年後なんてこともザラです。
気の短い方には向かないですね。
4.自作改造が極めて困難
プラ製品なので改造や工作は楽なはずなのですが、致命的な問題として部品の入手が難しいです。
まともに部品が買えるのはROCOくらいで、Märklinは入手できない部品が多い。
そのROCOも実際に日本で買うのは今のところ大変難しいです。
そして最も問題なのがレタリングです。
現地でもレタリングはあまり入手できないみたいなので、日本で手に入れるのはまず無理と思います。
もっとも日本にタトゥーシールで標記類を自作されている方がいらっしゃいます。
これはすごいです。
<ではなんで欧州型をやってるのか>
これは好きだからに尽きますね。
そして、現実問題として手が出せる範囲の価格設定だからです。
→私は保有車の80%が中古です。
確かに製品としての欠陥や問題も少なからずあります。
しかし、走行する模型としての完成度は相当高いと思っています。
模型鉄道としての完成度の高さでは日本型Nに匹敵するでしょう。
もっとも日本型Nには軌間ノンスケールというスケールモデルとしては致命的な問題もありますが。
<上記問題点を許容、理解した上で>
1.二線か三線か?
デジタルでフルに遊びたい人で、かつお金をたくさん使える方には、三線がお勧めです。
理由として、デジタルシステム(レールや付帯機器)としての完成度は、メルクリンの方が二線式デジタルよりも相当高いと思いますので。
ただしアメリカ型、16番やOOと併用したい方は、二線式一択でしょう。
私はメルクリンのCレールを使用して二線/三線を併用しておりますが、単純オーバルだから出来る話であり、ポイントを考えるとまず無理です。
例外ももちろんありますが、メルクリンの動力系には定評があるので、走らせるだけなら三線と思わなくもありません。
しかし、電子部品(特に電解コンデンサー)を使っている以上、そもそもデジタルの寿命は長いものではないので、これを持って三線有利とは思いません。
2.デジタルかアナログか?
実は選択の余地はほぼありません。
・三線←今やデジタル以外にありません。
・二線 デジタル(DCC)/アナログの選択が可能。
選択の余地のない三線を別とすると、二線のアナログとデジタルではどちらがいいのか?
難しい選択になります。
私自身、2013年頃には二線も三線同様、いずれデジタルに置き換わっていくように思っておりました。
しかし約10年が経過しましたが、確かにデジタルは広まったものの、アナログがなくなったわけではないように感じます。
今まで何度も書いてきましたが、あくまで個人的な見解ながら、私はかつて傾倒したものの、今ではデジタルに全くメリットを感じなくなりました。
その理由は、何と言ってもコストが相当上がることです。
また壊れやすく、修理が難しいですし、修理には大変なコストがかかります。
というよりも修理するのは非常に難しい、というかまず不可能なのが実情です。
デジタル製品には修理窓口が絶対に必要ですが、日本には修理できるところがありません。
メーカーに修理を依頼するにしても、KATOやTOMYTECに頼むようには行きません。
支払の方法、先方に送る手間……、考えただけで頭が痛くなります。
デコーダーが壊れても新しいのに差し替えれば……、これも簡単じゃないです。
メルクリンは基板が一体化されているものが多いですし、ピンの形式もどんどん代わっているので。
上記のように電子部品の寿命は短いので、模型自体はなんともなくても、経年で電子部品がだめになって走らなくなってしまうと思われます。
かつてデジタルに魅力を感じたサウンドも、最近はよく知らないものの、あまり進化していないように感じます。
実際、走行音やモーター音はあまり変わりませんし、惰性走行音は未だに再現されていないでしょう。
反面、歯ぎしり音とか、いびき、トイレの流し音など、正直私の趣味ではないようなものばかり充実しているように感じます。
以上のような理由であり、これらはあくまで私にとってのネガティブに過ぎません。
人によっては全くマイナスとなり得ない理由ですので、全く参考にはならないと思います。
いずれにしても、私はお金をたくさん使えないので、デジタルは難しいですね。
3.フルスケールかショートスケールか
これは絶対にフルスケールをお勧めします。
と言うか、以前はショートがたくさんありましたが、今ではほとんどなくなってしまいましたので、選択の余地がないと思います。
なお、ただでさえ価格がつかない日本の中古でも、ショートスケールは本当に値段がつかないです。
実はもう25年以上前に一度だけスワップミートに出たことがあるのですが、1輌千円でも売れなかった苦い思い出があります。
ただし、360Rを使用する場合、フルスケール客車は使用できないので、これまた選択の余地はないのですが。
4.購入するのは?
日本の模型店が良いとの意見をよく聞きます。
しかし、あくまで個人的な体験では???ですね。
詳しくは書きませんが、あまりよい思い出がありませんので。
もっとも私が日本の模型店で新品を購入していたのは、もう何十年も前ですので、今のお店はそういうことはないのかもしれませんが。
まあ、デジタルは(そもそもお勧めしませんが)実際に試走できる日本の模型店で買った方がいいと思います。
でも壊れても直してはくれませんよ。
海外通販……、日本の常識はまず通じないので、お勧めしません。
こちらでも何度も書きましたように、欧州型製品にはトラブルがつきものです。
ですので、先方とのやり取りは必須なのですが、簡単なものならともかく、ちょっと複雑なやり取りも大変難しかったです。
実際、メルクリンのE10.12の添付部品欠品について、相手には全く通じませんでした。(私の英語力のなさかもしれません、でも写真も送ったのですが……)
以前の円高のときのように内外価格差がべらぼうだった時なら、安い分我慢もできたでしょうが、昨今超円安であり、リスクを受け入れられる人や相手に意思を正確に伝えられる語学力をお持ちの方以外は、やめた方が良いと思いますよ。
ともかくストレスになりますので。
ということで、私はリスク承知の上でほとんど中古です。
たしかに選択の余地は少ないですし、おまけにリスクは相当あります。
ほぼ何か問題があると思っても間違いありません。
しかし、新品の半額以下と安いのが何よりもの魅力ですね。
5.情報を集めましょう
日本型に比べますと、欧州型に関する情報は少ないです。
これは海外ページでも全く同じであり、日本ではいろいろなところで見かける製品レビューは欧州型に関してはまずありません。
Web検索でも出ているのはオークションや販売店のページばかりで全く役に立たないですね。
それでも、色々探して情報を集めた方が良いと思います。
特に編成に関しては色々調べた方が良いと思います。
昔のことですが、自分で信じて集めたものが間違っていてがっかりしたことがありました。
決して安価なものではないので、調べることは必ずしも無駄ではないように感じます。
6.コレクションは国よりも時代を
国境をまたいでの運用が多かった欧州型の場合、国で統一するよりも時代で統一した方がいい場合があります。
貨車や国際客車。
国内の客車でも、日本ではあまり考えられないような編成も多く(例えばDBのローカル線で戦前型のEilzugwagen+mitteleinstiegswagen+戦災復旧荷物車+n-Wagenなんてのもよく見かけます。
でも、n-WagenのEp.IIIとIVの混成は見たことがありません。
Ep.IIIの3軸UmbauwagenとEp. IVの蒸機の編成はあります。
でも、Eilzugwagen以外の戦前型のEp.IVはほとんど見たことがないですね。
7.まとめ
全くまとまりませんが、やはり細かいことが気になる方は、やめたほうが良さそうですね。
2022/9/23 記
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