こんなのあり!? Rivarossi DRG BR 59 ゴム駆動……

 当方の以前の記事「大嫌い! 模型鉄道用 ゴム動力の巻」で触れました、RivarossiのDRG BR 59 (Wüttemberg K) ですが、Webで構造がわかる写真を見つけましたので、記事にしました。

 DRG BR 59 (Wüttemberg K)は、ヴュルテンベルク王国邦有鉄道が開発した勾配線区用の強力な四気筒貨物機です。

 Württ Kは、有名な勾配線区であるGeislinger Steigeとバーデンの黒い森鉄道での運用のために、1914-24年の間、44両がEsslingen社で作られました。

 平坦線区での燃費が悪いという欠点こそありましたが、概して好成績でした。

 しかし、運用を想定した勾配線区の電化や、路盤改良による許容軸重の増加により、より軸重の大きい5軸蒸機が入線可能になったことにより、それ以上の生産は行われませんでした。

 結果的にDBでは1953年まで使われました。

 詳しくはこちら

 

 BR 59は特殊な形式だけに、HOの模型はModelloco、Mäklin/Trix、そしてこちらで紹介するRivarossiの3種類しか発売されていないと思います。

 RivarossiのBR 59は1993年、Modellocoに続き、二番目に発売されました。

 欧州型では一般的なテンダーモーター/テンダー駆動になっています。

 ドイツ型唯一の6軸機ですから、当然のことだと思いますけど。

 それで、テンダーの3軸を駆動するのですが、駆動方法は、なんとこんな構造になっています!!

 ある海外のフォーラムから。

 そうなんです。

 ウォームからウォームホイールに動力伝達した後、段付き歯車で減速され、その後、写真のような歯付きベルトによって3軸を駆動しているのです!!

 私も欧州型はそれなりに長い時間やってきましたが、量産模型でこんな変な動力は見たことがありません。

 この動力の成否は、一にも二にもこの歯付きベルトにかかっています。

 これもある模型店の写真。

 BR 59用の伝達ベルトだそうです。

 とは言うものの品切れでしたが。

 何れにしても、使っているのがゴムベルトである以上、ゴムの経年劣化、あるいは繰り返し応力によるストレスにより切れてしまうのは必然です。

 どうしてこんな馬鹿な動力を採用したのか。

 私には全くわかりません。

 テンダーにこれだけ空間があるのですから、一般的なギア駆動にしても、全く問題などないでしょう。

 現にFleischmannは同系のテンダーに、同社伝統の円形大型モーター(BR 38)や、ビューラーモーター(BR 55)を装備し、何の問題もなく、テンダー駆動しています。

 いずれにしても、この模型は使い捨て。

 以外には考えられません。

 こんなゴムベルトはどこにもありはしませんので。

 しかし、使い捨てという割には、こいつ、すごく高かったはず。

 そんな高額商品が使い捨てだったなんて知ったら、みんな怒りますよね。

 まあ、こんな粗悪品を作っていたRivarossiは潰れて当然でしょう。

 Hornbyに吸収された後、BR 59は作ったんでしょうか?

 寡聞ながら私は知りません。

 ただ、あくまで私が知る限りですが、BR 59のこの動力のことは、少なくとも日本では全く取り上げられていないと思います。

(間違っていたらすいません)

 Rivarossi導入の経緯ですが、実は当時保有していたModellocoの完成車ですが、あまりにも組みが荒い上に、逆転機が壊れて不動になってしまいました。

 Märklin/TRIXを入手するのは絶望的でしたし、RivarossiのBR 59のとんでもない構造は知っておりましたが、何よりも安かったので、不動になっても仕方ないと思い、買ったものです。

 2010年のことでした。

 安い原因の一つは、こちらがACアナログ仕様だったことです。

 買ってからよく調べたところ、モーターを始め、DC仕様であり、なんと全部の車輪が絶縁されている事に気づきました。

 これには正直驚きました。

 ただし、フランジはメルクリン仕様の高いものになっていたような。

 ちょうど、上記のModellocoのBR 59用に電子式逆転機を探しておりましたので、これ幸いと、こちらを思い切って、AC→DC改造しました。

 改造は案外簡単にできましたね。

 その際の1ショットだけが残っていました。

 もう少しカメラが右に寄ればよかったんですが、動力の様子はなんとなくわかりますよね。

2022/8/30 記


<22/9/11 付記>

 手持ちの写真を撮りました。

 下からの絵。

 動輪側は完全なフリーです。

 炭水車の機関車側 3軸をベルト駆動しております。2軸がゴムタイヤ付きです。

 黒い駆動ゴムベルトがよくわかると思います。

 パーツリストも見つかりました。

 R25810が駆動ベルトです。

 不鮮明ですが、ギザギザの歯型がついているのがわかると思います。

 「Cinghia di trasmissione」とあります。

 Google先生によると、「ドライブベルト」 だそうです。

 ちなみに昨日走らせた限りでは、あまり滑らかではありませんが、走りました。

 1995年製とすると、27年間持っているのはある意味すごいのかも。



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