過去記事再掲 DB BR V 80の塗装被害と水性クリアーによる回復大失敗 (ROCO 63380)

 当方の2013年の記事ですが、標題以外は特に加筆・訂正せず、そのまま備忘録として再掲致します。 


 以前の話題ですが、ブログの入れ替え等あって、過去記事の参照が難しくなっていましたので、再度整理しておきたいと思います。

 さて、事の起こりは2010年に遡ります。  


 確か、2010年の6月頃、手持ちの車両の写真を取り直していた時、ROCOのV80(63380)に異変を感じました。 

 機械的に撮影しているときには気付かなかったのですが、写真をトリミングしているときに、明らかな塗装の劣化を発見したのです。 

 写真のように車体前部と後部側面に明らかな傷というか光沢を生じてしまいました。 

 今まで、同種の被害があることはよく知っていました。 

 そこで我が家では、車両はティッシュで包んでから、ポリシートで包み、発布スチロールから遮断していましたが、だめでした。 

 このトラブルは箱の下側だけで起きています。 

 原因として発泡スチロールの発泡剤として使用される溶剤の残存という情報が寄せられたので、真夏に発泡スチロールを天日干ししましたが、これも無駄だったようです。 


 さて、こうなってしまいほとほと困りました。 

 で、思い切って、上からクリアを吹くことにしたのです。

 模型鉄道に限らず、プラモデルでも完成後にクリアを吹いて、艶を整え、塗膜を保護するということは、一般的に行われておりますし、かく言う私もクリア吹きで艶の出過ぎた中古車両や傷のついてしまった車両をクリア吹きした経験があります。 

 そこで、2010年7月11日に(以前使用したことがあるはずの)水性クリアを使いました。 

 これはお手軽だったこともありますが、ROCOの塗装は発泡スチロールでやられるくらい弱いので、油性を使ったら、下地が溶けてしまうと思ったのです。 

 ところが……、これで大失敗をしてしまいました。 

 というのも、缶スプレーが使い古しだったので、念のため試験をしたんですが、その時は問題なかったのに、いざ吹いたらガスが切れて、粒状になって終わってしまいました。 

 缶スプレーは、なくなるときにただで済まない奴も多いんです。 

 それでぼてぼてになってしまいました。 

 もうがっかりです。 

 急いで缶スプレーを買いに行きましたが、私の住んでいるところは都会ではないので、入手まで結構時間がかかりましたし、やはり手遅れでした。 

 そういうわけでリカバーはしたものの、かなり厚ぼったくなってしまったわけです。 

 以前の経験から、水性系の完全乾燥には多大なる時間がかかることがわかっておりましたので、この車両はクリア吹き後、箱に入れず、棚に出しておきました。 

 そして、ちょうど8か月が経過した2011年3月11日、日本中を思いもよらなかった大災害が襲ったのです。 

 東日本大震災。 

 幸い我が家は大きな被害はありませんでしたが、棚に出しておいたこの車両は転倒してしまいました。 

 もっとも、落下しなかったので、破損はしませんでしたが。 

 その後も、余震が収まることは全くありませんでした。

 そこで、仕方なく箱に入れました。 

 もちろん、ティッシュで包んだ上、ポリシートを2重にしておきました。 

 それからまた月日が経過し、2011年7月に箱から出したのですが……、なんと塗装が見事にやられていました。

 完全にクリアー部が軟化し、ティッシュが貼り付いてボロボロになっていました!

 下地は食われていないようですが、そこらじゅうがべろべろ。 

 もうがっかりしました。 

 このような状態では修復は不可能。 

 あんまり腹が立つので手放すこととしましたが、こんなひどい状態ではろくな金にならないと思いました。 

 車体だけを買うことも考えましたが、一式を買ったほうが安いという話もあり、下回りだけ売るかとか、もう絶望でした。 


 ところが……、捨てる神あれば拾う神あり、ということでもないのでしょうが、いつもご指導いただいている名古屋メルぽっぽクラブの掲示板に今回の顛末を投稿してみたところ、さっそく大変親切な回答をいただくことができたのです。 

 それによると、水性塗料はマジックリンで剥がれる!!ということでした。 

 念のため、Webでも調べてみましたが、出るわ出るわ。 

 水性クリアのトラブルがたくさん出てきました。 

 教えていただいた通りで、水性クリアは経年で劣化してしまうものだそうです。 

 それと同時に、マジックリンで洗い流したという実績も。 

 あの状態ではどうにもならないし、売ったところで二束三文にしかならないでしょう。 

 そこで思い切って、2011年7月17日にマジックリンを買ってきてやってみました。 

 とは言うものの、もともとの弱い(弱すぎる)塗装が溶けてしまう可能性もあるので、まずは目立たないステップを綿棒にマジックリンをつけてこすってみたところ、下地は溶けずにクリアーだけ溶けのです!! 

 そこで少しずつ範囲を広げてみましたが、何とか行けそうです。 

 そして、原液をかけて綿棒でこすり続けること2時間近く、何とクリアーを吹く前の状態に戻すことができました!! 

 一部傷はついてしまいましたし、もともとクリアーを吹くきっかけとなった塗装の痛みはそのままですけど、あのひどい状態のクリアーに比べれば遥かにましな状態にすることができたのです。

 教えていただいた方には、この場を借りて深く感謝させていただきます。ありがとうございました。 

 それにしても見事に落ちるので驚いた次第です。 

 それと、もともとの原因はV80の塗装が発泡スチロールでやられたことにあるのですが、ROCOは水性塗料ではないようです。 

 マジックリンでは、もともとの塗料は殆ど溶けませんでしたから。 

 以上、水性クリアの顛末でしたが、何度も言っておりますように、すべての元凶は発泡スチロールに侵されてしまうROCOの塗装のあまりの弱さが原因です。 

 最近、ROCO製品は買いませんからよくわかりませんが、1990年代の後半~2005年頃までのものが特にひどいです。 

 そして、これは強調しておきますが、発泡スチロールの箱に寝かせて入れておく以上、対策はありません。 

 ポリシートを複数にしても何をしてもダメです。 

 強いて言えば、接触面の模様が付かないように、接触面に硬紙を入れる方法はあるものの、これとて貼り付きを防止することにはならないです。 

 私はコピー用紙を入れてありますが、緩和効果はありますが、絶対的な防止策にはなりえません。

 面白いことに車体の上側には全くではないものの、ほとんど被害はないのです。 

 よって、ここはIMONの箱など車体を立てて入れることにより、ある程度は被害から逃れることは可能だと思います。 

 この件、トレトレ等で、情報をお願いしましたが、決定的な対策は「箱に入れない」以外にはありませんでした。 

 とは言うものの、出しておく場所なんかあるはずもなく……、やはり立てて入れるようにしないとだめですね。 

 それと副次的にはやはり車両が多すぎるわけで……、私のようなものは限られた数しか持てないということを改めて痛感しました。 

 それもあり、今、惜しみつつ車両を手放しております。


2013/1/15 記、2022/8/27 再掲


 

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