過去記事再掲 最低・最悪の動力 その2
2015年12月18日に、惜しまれつつ閉鎖されたトレトレブログ記事を再録します。
本記事については、より詳細な続報を上げましたが、標題を含め、特に手を加えずに、備忘録として掲載致します。
先日、私の大嫌いなゴム動力についてご報告いたしましたが、もっと困ったことが起きました。
LimaのSBB Gottardの駆動ギアが経年劣化で収縮し、割れてしまった大トラブルのことを以前、こちらに書きましたが、気になったので、同時代のLima製品を出してみました。
すると、DB 120型電機とÖBB 1042.5型電機が全く同じように、走行時に一定の間隔で異音が混じりました。
これは100%駆動ギアが割れたときの音ですので、調べてみましたが、やはり同様に割れておりました。
これらは自分でキャノンモーターEN-22に換装し、走行性が格段に改善されたものですので、本当にがっかりしました。
そして、先日、GützoldのDR 155を出したのですが、こちらも小さな音ながら同様でした。
ただ引っ掛かる様子がないので、割れの度合いが低いのかもしれません。
Gützold製品では、過去にDR 19.0が購入直後に動かず、調べたところ、ギアが割れていたというトラブルを経験したので、怖くなってDR 252とDBAG 156(同型機)を出しましたが、こちらは155よりももっとひどく、252など完全に引っ掛かりましたが、その後走りました。
いずれにしても、これら6輌の動力車が駄目になったことは確認できたわけです。
中古、新品のいずれもありますが、合計すると結構な金額であり、ほんと大ショックでした。
さて……、修理するには、割れてしまったギアを新品と交換する必要があります。
それにはまず、車輪を外さなければなりません。
それも、再使用しなければならないので、車輪にも軸にも傷をつけないようにです。
そこで先般、SBB Gottardのことを記した際に、トレトレの皆さんに車輪を軸から抜く方法をお尋ねしました。
ですが……、大変残念なことに、全く手掛かりを得ることはできませんでした。
それから、アメリカのNWSL社から車輪抜きが出ていることを知りました。
実際に使ったことのある方にもコンタクトを取ることが出来ましたが、残念なことに今は手元には無いそうで、某オクに出ていたとの情報がありましたが、売れてしまったのか、どこにもありませんでした。
アメリカから直接個人輸入することも考えましたが、これも自信がありません。
なんてことで、いろいろ方法を模索しながらもあきらめていました。
それが先日、とあるきっかけで、世の中に「ピニオンギア抜き」というものがあり、実際に使っている方の記事を見つけました!
確かに使えそうな構造です……、ですが、ピニオン抜きは直径の小さなものしか使えません。
実際にNやHOナローの方が使われておりました。
ただこの際、マイクロプーラーと言うものがあって、これなら使えそうな気がしました。
それでひょんなことでこちらを入手しました。(お借りしました)
これはメーターの針抜きというもので、直径17mmまでくわえる事が出来ます。
早速やってみました。
すると……、あれだけ悩んだ車輪がいとも簡単に抜けるではありませんか!
軸端には少々傷がつくものの、車輪自体は全く痛みません。
これには驚きました。
しかし……、Limaのものだけはどうにも抜けず、針抜きのフレームがゆがんでしまいました。
全くギアが割れるようなどーしようもない構造のくせに、こういうところだけはしっかりしている。
本当に役に立たないゴミ製品ですね。
腹が立ちますよ。
結局、こちらは絶縁側を抜く事が出来たので、何とかなりました。
これも最初は車輪から絶縁材が抜けてしまいましたが。
さらには14mm径車輪が、針抜きのフレームになかなか入らないのです。
フランジが高いんですね。
さて、ここまで出来ましたので、あとはギアさえ入手できれば、簡単に修理できるところまで行きました。
ところがどっこい……、このギアが難物なのです。
Gützold:16T(歯)、外径9mm、軸径2.4mm
Lima:10T(歯)、外径6mm弱、軸径2.4mm
機関車も電車も同じ。
形状も一般的なものです。
ですが……、こんな簡単なものがどこにもないのです。
他のギアがプラなのでプラ製のピニオンギアを探しておりますが、16Tはタミヤの金属製品がありますが、2mm軸径なので合いません。
10Tはもっと難しく、どこにもありません。
12T、外径7mm、軸径2.4mmなら、プラレール用として簡単に入手できるのですが。
外径が合わなければ全く使い物にはなりません。
歯車屋さんは扱い量が10000個!からだそうですし。
まあ気長に探します。
ちなみにLimaは10Tですが、2.4mm軸に、これですと必然的にギアの厚さが薄くなるので、強度が落ちて割れやすくなるのは自明の理であり、トルクのかかる駆動ギアとしては完全に失格です。
設計のセンスが皆無ということがよくわかりますね。
他方Gützoldですが、こちらは駆動ギアとしてはROCO等にも見られる一般的な大きさながら、樹脂の品質が極めて悪いのでしょう。
実際に破断面を見ると気泡が混じっていますので、材質だけではなく、成型技術も劣悪だということがわかります。
また、材質自身が脆くなっているという感じはないので、昔のマイクロみたいに油で樹脂が劣化したわけではなさそうです。
もしそうならもっと弱い歯がこぼれてしまうはずですから。
さらに不思議なことがわかりました。
この両者、ギア部での軸径は2.4mmなのですが、車輪との嵌合部の径は違うんです。
Limaは2.4mmですが、Gützoldは明らかにそれより小さい。
後者はローレット処理をしているからかもしれません。
だから車輪はお互いに使えないのです。
全く規格ってものが無いんですね。
と言うわけで車輪を抜くことは出来ましたが、これからまた大変です。
それからですけど、こういう製品を持っておられる方がいらっしゃると思います。
確認された方がいいですよ。
大ショックですが。
また、あくまで個人的にですが、この手の札付き製品は、絶対に買わないことをお勧めします。
飾るだけで「走らなくてもよい」というのなら構いませんが、経年でギアが割れるなんて、普通考えませんものね。
決して安いものじゃないし、直すのは極めて難しいのですから。
2015/4/27 記、2022/8/27 再録
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