フランス国鉄 標準型有蓋車 SNCF Gbs 7.23 140 0 777-7 (ROCO 46445)
今回はフランス国鉄SNCFの「近代化統一」有蓋車 Gbs 7.23について紹介いたします。
ドイツではLänderbahnの時代から、ガラスなどのかさばる貨物輸送のために大容量有蓋車が作られ幅広く運用されてきました。
これらは、約12万輌が製造されたA2 (G München、G kassel)に比べるとずっと少ない数でしたが、DRG時代には各種のGl Dresden、そして戦後になると、Glm(e,h)s 50が量産されました。
1950年代の後半、UICも同様な大容量の有蓋車のデマンドが増加すると考え、UIC 571-1有蓋車長を設計しました。
この基準に沿って、ドイツ連邦鉄道 DBでは大容量有蓋車Glmms 61(後のGbs 254)を製造しました。
以前も紹介したように、本車は成功作となり、一部は古い貨車の部品を転用して、10,660輌もの大量生産が行われました。
一方、SNCFでは、元々大容量有蓋車は存在せず、ドイツより獲得したGl Dresdenやアルザス・ロレール鉄道のAL Kw (75輌)を使用するのみでした。
そして老朽化したこれらの代替として、UIC 571-1(長)が提案されましたが、フランスの需要には大きすぎたようで、試作車一両の製造にとどまり、成功しませんでした。
それでも、大容量の有蓋車の需要はあり、UIC 571-1(長)の代わりとして、よりフランスの実情に合わせて製造された大容量有蓋車が、こちらのGbs 7.23です。
3万5千輌が製造された戦後の代表的なフランスの有蓋車UIC 571-1(短)規格のG4 (荷室容量 63m3)に比べると、Gbs 7.23は78m3と24%増加しています。
しかし、DBのGlmhs 61の86m3に比べると小さくなっています。
外壁は、G4の後期型から採用されたPermaplex (合成樹脂を含浸させた木材)を採用したので、平滑な外観になっています。
特徴的なのは中央の両開きの荷室扉で、これは他の有蓋車には例がありません。
1960年から1968年までの間、約5,200輌が製造されました。
財政難に悩むSNCFが本車を増備するにあたり、新造ではなく、製造にあたり旧型車の部品を転用し製造した(DBのUmbau?) との記事もありますが、何しろフランス語はさっぱりわかりませんので、間違っているかもしれません。
今でこそ、REEなどからフランス形の貨車が供給されていますが、1990-2000年頃にかけて、フランス形の車輌は入手難でした。
本家Jouefは低調でしたし、その他の会社は純粋なフランス型はほとんど作りませんでした。
いいところドイツ形の塗り替えくらいでしたね。
その点、ROCOはフランスオリジナルのこちらの有蓋車と家畜車を出しておりました。
実車の情報が少ないのでよくわかりませんが、こちらの模型は1980年代の製品なので、なかなかいい感じに見えます。
しかしこの製品には大きな問題があります。
資料では、本車は当初、型式車番:IK 80 000~生産されましたが、82 999まででUICナンバーに変更され、21 87 150 000 0~5 849 Gbs 7.23となりました。
そして1980年頃に一般型が、21 87 140 0 000~5 183 Gos 70-6へ、120km/h対応の高速型が、21 87 140 6000 ~ 6199ないし140 7000 ~ 7149 Gos 79-6 へ改番されているようです。
なお、ある資料では本車はUr 62/63の試作・量産車合わせて5,234輌が生産されたとありますので、上記のナンバー範囲には、いずれも欠番があるようです。
いずれにしても型式 Gbs 7.23は車番150 * ***、Gos 7*-6は、車番140 * ***となる必要があるのです。
しかしROCOのモデルは、Gbs 7.23ながら、車番は140 0 777-7となっています。
もしGbs7.23ならば、車番は 150 0 0 00~150 5 849のいずれかでなくてはなりません。
また、車番 140 0 777-7 を正とするならば、型式は、Gos 70-6となる必要があります。
なお、ROCOの後の製品は、正しい型式と車番の組み合わせになっているようです。
以上ですが、誤訳等の間違いも多いと思います。どうかお許し下さい。
1996/11/1 入線
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