東ドイツ国鉄 DR 有蓋車 (Gw) G 112 8 404-3 (Piko 5/0736/000)
今回は東ドイツ国鉄 DR 有蓋車 (Gw) G 112 8を紹介します。
ということで前回のGk 17に引き続き、古いPiko製品の紹介になります。
東ドイツ国鉄の有蓋車(Gw)Gです。
古い木造車ですが、標記類はエポックIVとなっています。
私のHPの以前の解説は完全に間違っていますが、最近は丸屋根のスタイルから、この車はAustauschbauart (互換設計)の有蓋車Gr Kasselと思っていました。
しかし、前回ご紹介したこちらのHPによりますと、実はこの車はドイツ国鉄 DRGのGr Kasselではなく、ポーランド国鉄 PKPのKdfだそうです。(すなわちDB G 90、DRの型式は不明です)
ちなみに上記のHPには恐らく取り違いが原因とありました。
なお、上記HPによりますと、ポーランド本来の貨車の模型はKdfしかないそうで、そういう意味では貴重な存在だそうです。
この記載を見つけましたので、私なりに調べてみたのですが……、大変残念ながらPKP Kdfの実車に関する記載は、全く見つけることが出来ませんでした。
僅かに見つけたのは、ROCOの1977年のカタログに掲載されている古い "Einfachserie" のGr 20も、こちらと同様、DRG Gr 20ではなく、PKP Kdfであるとの記事だけでしたね。
そこで自分でこの両者の差異を調べようと思い、約8,300輌が製造されたDRG Gr Kassel (DB Gr 20)についてWeb検索したのですが……、いつも通り、出てくるのは殆ど役に立たない不鮮明な模型写真だけ。
実車の写真は復元車を入れても、僅かに3枚しか見つけることが出来ませんでした。
ほんとWebで欧州の貨車を調べようとすると、徒労感に悩まされます。
上記のように、Kdfの諸元が全くわからなかったので、寸法的な比較はできませんでした。
外見上の差異は、換気口の形状と位置にありました。
Gr 20は、左の換気口がガラリで、位置は左端から二番目のスパンにあり、また右の換気口は蓋式で、位置は右端のスパンにあります。
他方、Kdfは左の換気口?は、Gr 20と同じ位置ですが、形状が横木二本になっており、右の換気口はガラリで、位置はGr 20とは異なり、右端ではなく右から2番めのスパンにありました。
これはPikoとROCOで同じでしたから、多分ですが、実車もそうなのでしょう。
なお、これ以外は、側面のブレスの位置や形状など、両者の形状は大変良く似ているように感じました。
Kdfは、下記の理由でDBやDRへ相当数入っていたと思われますし、PikoやROCOが取り違えてしまったのも無理はないのかもしれませんね。
それで、第二次世界大戦中にドイツ国鉄DRGに編入されたポーランドの貨車には、終戦後、本国に返還されず、ドイツ連邦鉄道 DBに継承されたものがありました。
こちらの記事によりますと、ドイツ国鉄の貨車はクノールブレーキを装備しておりましたが、PKPは他の欧州の国と同様、ウェスチングハウスのブレーキを装備しておりました。
DRGに編入されたこれらの貨車には、1)KdfのようにPKP由来のもの、2)第一次世界大戦の結果、PKPに編入されたドイツのVerbandsbauart (協会設計貨車)がありましたが、PKPは、後者にもウェスチングハウスのブレーキを装備しました。
そこでDBは、運用上両者を区別するために、PKPから編入した同じ分類都市名のVerbandsbauart でも異なる型式としました。
具体的には、Om 12→Om 90、O 10、O 11→O 90、G 10→G 90、H 10→H 90です。
Kdf はVerbandsbauart ではなく、ポーランド本来の貨車ですが、やはりブレーキが異なるので、G 90に分類されたのでしょうね。
なお、DBではG 90は1962年に最後の一台が引退しています。
一方、KdfがDRでどのような型式になったのか? DBのように別個の形式になったのかは、資料が皆無で、皆目わかりませんでした。
Pikoの模型では、DR Gr 04-60-80となっておりましたが、DBはGr 20でしたから、全く当てにならないですね。
このあたり多分、MIBA の「Güterwagen Band 1.2 Gedeckte Wagen DB + DR」には、もっと詳しい情報が出ていると思いますが、あいにくこのシリーズは持ってないんです。
何か情報をお持ちの方は、ぜひご教授賜りますと幸いです。
どうかよろしくお願い致します。
それでこちらのPiko製品ですが、やはり1960-1970年代の大変古い製品と思われます。
しかしながらFS Hg (DR Gk 17) の記事でも書きましたように、当時としてはかなり優れた成形と思います。
今の目で見るとごついですが、当時、手すりやランプ掛けがここまで再現されていたわけですから。
こちらは、BR 41とのセットに入っていたもので、1980年代に入ってからの生産品と思われます。
しかし当時のPikoなので、塗装やレタリングはいまいちですね。
ただ成形は悪くないと思うので、レタリングが入手できるのなら、塗り直してしまいたいくらいです。
その際、白で目立つウェスチングハウスブレーキの操作部をシャーシー下に取り付けてやると感じが良くなると思います。
1988年入線
2021/7/1 記
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